2023年のプロ野球セ・パ交流戦は、横浜DeNAベイスターズが11勝7敗、勝率.611で球団史上初の優勝を飾った。福岡ソフトバンクホークス、読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズも同じ11勝7敗で並ぶ異例の展開となったが、最終的に順位を分けたのは、得失点率差を示す「TQB」だった。
2026年現在から振り返っても、2023年の交流戦は歴史的なシーズンとして記憶されている。4球団が勝率1位で並び、TQBによって初めて優勝チームが決定したからだ。この記事では、NPB公式記録を基に全12球団の最終順位、勝敗・勝率、DeNAが優勝できた理由、セ・パの勝敗比較、個人表彰、歴代優勝チームまで詳しく整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 優勝球団:横浜DeNAベイスターズが11勝7敗、勝率.611で初優勝。
- 優勝の決め手:同率1位の4球団をTQBで比較し、DeNAがソフトバンクを上回った。
- リーグ別成績:パ・リーグが54勝、セ・リーグが52勝、引き分け2試合でパが4年ぶりに勝ち越した。
【2023年交流戦の最終順位】全12球団の勝敗・勝率一覧
2023年の日本生命セ・パ交流戦は、5月30日から6月18日を基本日程として開催され、予備日を含めて6月21日に全日程が終了した。
全12球団が18試合ずつを戦い、最終的に最も高い勝率を記録したのはDeNA、ソフトバンク、巨人、オリックスの4球団。いずれも11勝7敗で、勝率は.611だった。
NPB公式サイトに掲載された最終成績を、順位とともに一覧にすると次のとおりだ。
| 順位 | 球団 | 試合 | 勝敗・引分 | 勝率 | 関連記録・注目点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 横浜DeNA | 18 | 11勝7敗0分 | .611 | 初優勝・牧秀悟 |
| 2位 | ソフトバンク | 18 | 11勝7敗0分 | .611 | 近藤健介が優秀選手賞 |
| 3位 | 巨人 | 18 | 11勝7敗0分 | .611 | 岡本和真がMVP |
| 4位 | オリックス | 18 | 11勝7敗0分 | .611 | 同率首位グループ |
| 5位 | 日本ハム | 18 | 10勝8敗0分 | .556 | 勝ち越し2 |
| 6位 | 楽天 | 18 | 9勝9敗0分 | .500 | 勝率5割 |
| 7位 | 広島 | 18 | 9勝9敗0分 | .500 | 勝率5割 |
| 8位 | ロッテ | 18 | 7勝9敗2分 | .438 | 引き分け2 |
| 9位 | 中日 | 18 | 7勝10敗1分 | .412 | 引き分け1 |
| 10位 | 阪神 | 18 | 7勝10敗1分 | .412 | 引き分け1 |
| 11位 | ヤクルト | 18 | 7勝11敗0分 | .389 | 負け越し4 |
| 12位 | 西武 | 18 | 6勝12敗0分 | .333 | 最下位 |
※勝率はNPB公式発表の数値。上位4球団は同率で、掲載順位は大会規定に基づくタイブレークによる。
この順位表で特に注目したいのは、首位から4位までがすべて同じ勝敗・勝率だったことだ。通常の勝率比較だけでは優勝チームを決められず、得失点率差という別の指標が必要になった。
また、5位の日本ハムも10勝8敗と勝ち越している。一方、6位の楽天と7位の広島は9勝9敗で、交流戦を五分の成績で終えた。
【4球団が11勝7敗で並んだ理由】DeNA初優勝を決めたTQBとは?
2023年の交流戦で最大の注目を集めたのが、TQB(Total Quality Balance)による順位決定だ。
交流戦では、勝率が同率になった場合の順位決定方法がNPBの開催要項で定められている。3球団以上が同率の場合、次の順番で比較する。
- 勝利数が多い球団
- 交流戦のTQBが大きい球団
- 交流戦のER-TQBが大きい球団
- 交流戦のチーム打率が高い球団
- 前年の交流戦順位が上位の球団
今回の4球団は、勝利数も全チーム11勝で一致していた。そのため、次の判定基準であるTQBによって順位が決まった。
TQBの計算方法
TQBは、1イニング当たりの得点率から1イニング当たりの失点率を差し引いて算出する。
TQB=(得点÷攻撃イニング数)-(失点÷守備イニング数)
単純な得点と失点の差ではなく、実際に攻撃・守備を行ったイニング数を考慮するのが特徴だ。数字が大きいほど、攻撃で効率よく得点し、守備では失点を抑えたチームと評価される。
DeNAとソフトバンクの差はわずか0.005
2023年の優勝争いでは、DeNAのTQBが+0.140、ソフトバンクが+0.135。その差はわずか0.005だった。
興味深いのは、両球団の交流戦における総得点と総失点の差が、いずれもプラス21点だったことだ。DeNAは80得点・59失点、ソフトバンクは86得点・65失点という成績だった。
つまり、単純な得失点差だけを見ると両チームは同じ。ところが、攻撃イニングと守備イニングを分母にして計算するとDeNAが上回った。
この結果、DeNAが1位、ソフトバンクが2位となり、巨人、オリックスが続いた。2023年は、交流戦の優勝が初めてTQBによって決まったシーズンでもある。
なお、2球団だけが勝率で並んだ場合は、勝利数の次に直接対戦成績を比較する。3球団以上の場合とは規定が異なるため、同率時の順位を調べる際には注意したい。
【DeNA初優勝の理由】18試合で発揮した攻守の安定感
横浜DeNAベイスターズにとって、2023年の交流戦優勝は球団史上初の快挙だった。
それまでのDeNAは、交流戦を得意としてきたチームではなかった。日刊スポーツの当時の報道によると、2022年までの交流戦通算成績は157勝222敗11分け、通算勝率.414。12球団の中でも苦手意識が数字に表れていた。
しかし、2023年は状況が一変する。18試合で11勝を挙げ、交流戦を4つの貯金で終えた。
ソフトバンク以外のパ5球団に勝ち越し
DeNAの強さを考えるうえで見逃せないのが、パ・リーグ球団との対戦成績だ。
交流戦では、DeNAはソフトバンクとの3連戦を1勝2敗で負け越した。一方、オリックス、日本ハム、楽天、ロッテ、西武の5球団にはそれぞれ勝ち越している。
普段のリーグ戦とは異なる対戦相手を前にしても、特定の球団だけでなく幅広い相手から勝利を積み重ねたことが、優勝争いを支えた。
攻撃力と失点抑制がTQBにつながった
DeNAの交流戦成績は80得点、59失点。得点力だけに依存するのではなく、相手の得点も抑えたことで、TQBの面でも優位に立った。
ソフトバンクは総得点でDeNAを上回ったものの、総失点も多かった。両チームの得失点差は同じだったが、イニング単位の効率でDeNAが上回った点が決定的だった。
また、NPB公式の表彰資料でも、牧秀悟を中心とする打線の活躍が評価されている。牧は全18試合に4番・二塁手として先発出場し、27安打を記録した。
2023年のDeNAは、単に勝ち星を積み重ねただけではない。得点、失点、攻撃と守備の効率を総合した結果が、初優勝という形で表れた。
【2023年セ・パ交流戦の勝敗比較】パ・リーグが4年ぶりに勝ち越し
球団別の順位と並んで注目されたのが、セ・リーグとパ・リーグの対戦成績だ。
2023年のリーグ別勝敗は次のとおりとなった。
- セ・リーグ:52勝
- パ・リーグ:54勝
- 引き分け:2試合
パ・リーグがセ・リーグを2勝上回り、2019年以来、4年ぶりのリーグ勝ち越しを記録した。
2021年はセ・リーグが49勝、パ・リーグが48勝。2022年もセ・リーグが55勝、パ・リーグが53勝と、2年連続でセ・リーグが上回っていた。
その流れが2023年に変わったことも、この年の交流戦を特徴づけるポイントだ。
交流戦の通算成績でもパ・リーグが優位
2023年終了時点の交流戦通算対戦成績は、セ・リーグが1122勝、パ・リーグが1253勝、引き分け73試合だった。
交流戦が始まった2005年から見ると、パ・リーグは長期的にも優勢を維持している。ただし、年度によってはセ・リーグが勝ち越すこともあり、毎年一方的な結果になるわけではない。
2023年は、DeNAの初優勝という球団単位の快挙と、パ・リーグのリーグ単位での勝ち越しが同時に実現したシーズンだった。
【交流戦MVPと優秀選手賞】岡本和真・牧秀悟・近藤健介の活躍
2023年6月22日、NPBは交流戦の優勝球団と個人表彰を発表した。
興味深いのは、交流戦のMVPに選ばれたのが、優勝したDeNAの選手ではなく、3位の読売ジャイアンツに所属する岡本和真だったことだ。
MVPは巨人の岡本和真
日本生命 最優秀選手賞を受賞した岡本和真は、18試合すべてに4番打者として先発出場した。
交流戦の成績は次のとおり。
- 本塁打:8本(1位)
- 打点:19打点(1位)
- 打率:.383(2位)
- 塁打:52(1位)
- 長打率:.867(1位)
本塁打と打点の2部門でトップに立ち、交流戦を通じて8本の殊勲安打を記録。先制、勝ち越し、同点、サヨナラの場面で結果を残し、巨人の優勝争いを支えた。
交流戦MVPは優勝球団から選ぶ制度ではなく、12球団の中で最も活躍した選手1人を選出する。そのため、優勝球団以外から受賞者が出ることもある。
セ・リーグ優秀選手賞はDeNAの牧秀悟
セ・リーグの優秀選手賞には、優勝球団DeNAの牧秀悟が選ばれた。
牧は18試合すべてに4番・二塁手として先発出場し、27安打で交流戦最多安打を記録。打率.380、13打点という成績も残した。
特に6月18日の千葉ロッテ戦では、3本の長打を含む4安打をマーク。チームの初優勝に向けて重要な局面で存在感を発揮した。
パ・リーグ優秀選手賞はソフトバンクの近藤健介
パ・リーグの優秀選手賞は、福岡ソフトバンクホークスの近藤健介が受賞した。
近藤の交流戦成績は以下のとおり。
- 打率:.413(1位)
- 安打:26本
- 本塁打:5本
- 打点:15
- 出塁率:.519(1位)
特に出塁率.519は交流戦歴代2位に相当する好成績だった。打率だけでなく、出塁能力と長打力の両方でチームを支えたことが評価された。
2023年の個人表彰は、岡本が巨人、牧がDeNA、近藤がソフトバンクと、上位4球団のうち3球団から受賞者が出る結果となった。
【プロの結論】歴代優勝チームから見る2023年交流戦の特別さ
2023年の交流戦をより深く理解するには、2005年の開始から続く歴代優勝球団の流れを確認すると分かりやすい。
これまでの優勝球団を年度別に整理すると、次のようになる。
- 2005年・2006年:千葉ロッテマリーンズ
- 2007年:北海道日本ハムファイターズ
- 2008年・2009年:福岡ソフトバンクホークス
- 2010年:オリックス・バファローズ
- 2011年:福岡ソフトバンクホークス
- 2012年:読売ジャイアンツ
- 2013年:福岡ソフトバンクホークス
- 2014年:読売ジャイアンツ
- 2015年~2017年:福岡ソフトバンクホークス
- 2018年:東京ヤクルトスワローズ
- 2019年:福岡ソフトバンクホークス
- 2020年:新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止
- 2021年:オリックス・バファローズ
- 2022年:東京ヤクルトスワローズ
- 2023年:横浜DeNAベイスターズ
- 2024年:東北楽天ゴールデンイーグルス
- 2025年:福岡ソフトバンクホークス
- 2026年:埼玉西武ライオンズ
※2026年の成績はNPB公式発表に基づく。2026年は西武が14勝3敗1分で球団初優勝を果たした。
ソフトバンクが歴代最多優勝を誇る
歴代優勝チームの中でも際立っているのが福岡ソフトバンクホークスだ。
2008年、2009年、2011年、2013年、2015年、2016年、2017年、2019年、2025年と、計9度の優勝を記録している。
2023年も優勝候補の一角として11勝7敗を記録したが、DeNAにTQBで及ばず2位となった。2025年には再び優勝を果たし、最多優勝球団としての実績を伸ばしている。
2023年のDeNA優勝は歴史的な転換点
2023年のDeNAは、当時7球団目の交流戦優勝チームとなった。その後、2024年に楽天、2026年に西武が初優勝を果たしたことで、2026年終了時点では優勝経験のある球団は9球団に増えている。
DeNAの優勝は、長年交流戦で苦戦してきたチームが初めて頂点に立ったという点でも意味が大きい。
さらに、勝敗が同じでも得点と失点の効率によって順位が変わるという、プロ野球の大会規定の奥深さを広く知らしめたシーズンでもあった。
【2023年交流戦の順位】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年のセ・パ交流戦で優勝した球団はどこ?
A1:横浜DeNAベイスターズ。11勝7敗、勝率.611で球団史上初の交流戦優勝を達成した。賞金は3000万円だった。
Q2:DeNAとソフトバンクは同じ11勝7敗なのに、なぜ順位が違う?
A2:TQB(得失点率差)による順位決定が適用されたため。DeNAは+0.140、ソフトバンクは+0.135で、DeNAが上回った。
Q3:2023年の交流戦MVPは誰?
A3:読売ジャイアンツの岡本和真。8本塁打、19打点で打撃2冠を達成し、日本生命 最優秀選手賞に選出された。
Q4:2023年はセ・リーグとパ・リーグのどちらが勝ち越した?
A4:パ・リーグ。54勝52敗2分けで、4年ぶりにセ・リーグを上回った。
Q5:2023年の交流戦で最下位だった球団は?
A5:埼玉西武ライオンズ。18試合で6勝12敗、勝率.333だった。
Q6:2023年の交流戦は得失点差だけで順位を決めた?
A6:違う。採用されたのはTQBという得失点率差であり、得点を攻撃イニング数で割った数値から、失点を守備イニング数で割った数値を差し引いて算出する。
まとめ:交流戦2023の順位はDeNAがTQBでつかんだ初優勝
2023年の日本生命セ・パ交流戦は、横浜DeNAベイスターズが11勝7敗、勝率.611で球団初優勝を達成した。
ソフトバンク、巨人、オリックスも同じ11勝7敗だったが、4球団の勝利数が一致したため、TQBによって順位が決まった。DeNAのTQBは+0.140、ソフトバンクは+0.135。そのわずかな差が優勝の明暗を分けた。
個人表彰では巨人の岡本和真がMVP、DeNAの牧秀悟とソフトバンクの近藤健介が優秀選手賞を受賞。リーグ別ではパ・リーグが54勝を挙げ、4年ぶりの勝ち越しを達成した。
2023年の交流戦を理解するうえで押さえておきたいのは、勝率だけでなく、TQBというイニング単位の得失点効率が優勝を決めたことだ。全12球団の勝敗を比較する際にも、同率時の順位決定規定まで確認することで、当時の激しい優勝争いがより鮮明になる。
(出典: 交流戦 2023 順位(Yahoo!ニュース))