アブに刺された直後は、痛みが強くても慌てず、次の順番で処置してください。
1. まず安全な場所に移動する
アブが周囲を飛んでいる場合は、刺された場所から離れます。複数回吸血される可能性があるため、屋外であれば建物や車内など安全な場所に移動しましょう。
2. 患部を流水で洗う
傷口を水道水などの清潔な流水で洗い、汚れや付着物を落とします。
アブは蚊のように細い針を刺すのではなく、口器で皮膚を傷つけて吸血する虫です。そのため、小さな傷や出血が残ることがあります。
出血がある場合は、清潔なガーゼなどで軽く圧迫してください。
3. 冷たいタオルなどで患部を冷やす
洗浄後は、冷たいタオルやタオルで包んだ保冷剤を患部に当てます。
冷却には、痛みやかゆみ、腫れを和らげる効果が期待できます。
ただし、保冷剤を直接肌に当てたり、長時間同じ場所を冷やし続けたりするのは避けてください。
4. 患部をかきむしらない
かゆみが強くなっても、爪で引っかいたり、強く押したりしないことが大切です。
皮膚に傷ができると、そこから細菌が入り、二次感染を起こす可能性があります。
参考:横浜市の野外活動時の虫刺され対策、第一三共ヘルスケアの虫刺され対策、新潟市医師会の救急疾患情報。
やってはいけない応急処置
- 患部を強くこする、つぶす。
- 爪を立ててかきむしる。
- 熱いお湯などで患部を温める。
- 傷口を口で吸い出そうとする。
- 症状が悪化しているのに市販薬だけで対処し続ける。
特に、口で吸い出す方法は推奨できません。傷口を清潔にすることを優先してください。
【腫れ・痛み・かゆみ】アブに刺された跡の特徴と治るまでの期間
アブに刺された跡には、いくつかの特徴があります。
代表的なのは、刺された直後の鋭い痛み、小さな出血点、周囲の赤み、時間の経過とともに広がる腫れです。
アブに刺された跡はどんな見た目?
主に次のような皮膚症状が現れます。
- 赤い斑点:吸血された部分を中心に赤みが生じる。
- 小さな傷口:皮膚を傷つけられたことによる出血や傷が見られる場合がある。
- 盛り上がった腫れ:患部が赤く膨らみ、周囲まで腫れることがある。
- 強いかゆみ:炎症反応によって、かゆみが続く。
- 熱感や痛み:患部に触れると痛かったり、熱を持ったりすることがある。
ただし、刺された跡だけでアブと断定できるわけではありません。皮膚科では、刺された場所や時間、痛みの有無、虫の特徴なども診断材料になります。
アブに刺された後の腫れはいつまで続く?
アブに刺された後の腫れは、数時間から翌日にかけて目立ってくることがあります。
刺された直後には小さな赤みしかなかったのに、翌日になると大きく腫れているというケースもあります。
これは、虫の唾液成分などに対する免疫反応によって、炎症が進行するためです。
腫れの大きさや持続期間は、体質や年齢、過去に刺された経験などによって異なります。
アブに刺されたら何日で治る?
日本皮膚科学会によると、虫刺されの多くは1〜2週間以内に改善します。
ただし、アブに刺された場合も、症状の程度によって回復期間は変わります。
- 1〜2日目:赤みや腫れ、痛みが目立つことがある。
- 3〜5日目:適切なケアによって徐々に症状が落ち着くことがある。
- 1週間前後:腫れやかゆみが改善に向かう目安。
- 1〜2週間:多くの虫刺されで皮膚症状が改善する時期。
この日数は個人差があり、アブ刺され全員に当てはまる固定的な治癒日数ではありません。
かき壊した場合や炎症が強い場合は、さらに長引く可能性があります。
1週間程度たっても改善しない、あるいは途中で悪化する場合は皮膚科を受診してください。
【市販薬は何を選ぶ?】アブ刺されに効く薬と成分の違い
アブに刺されたときの市販薬は、かゆみを抑えたいのか、赤みや腫れなどの炎症を抑えたいのかによって選び方が変わります。
大切なのは、商品名だけで判断せず、配合されている有効成分を確認することです。
かゆみが強い場合は抗ヒスタミン成分
抗ヒスタミン成分は、かゆみを引き起こすヒスタミンの働きを抑えるために使用されます。
代表的な成分には次のものがあります。
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
赤みや腫れが目立たず、主にかゆみが気になる場合に選択肢になります。
腫れや赤みが強い場合はステロイド外用薬
アブ刺されで炎症が強い場合には、ステロイド成分を配合した外用薬が選択肢になります。
代表的な成分は次のとおりです。
- プレドニゾロン酢酸エステル
- プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
- デキサメタゾン酢酸エステル
- ヒドロコルチゾン酢酸エステル
ステロイド外用薬には炎症を抑える働きがあり、赤みや腫れ、かゆみを改善する目的で使われます。
市販薬の成分と選び方
| 薬の種類・成分 | 主な働き | 選ぶ際の目安 |
|---|---|---|
| 抗ヒスタミン成分 | かゆみを抑える | かゆみが中心の場合 |
| ステロイド外用薬 | 炎症・赤み・腫れを抑える | 炎症が強い場合 |
| 鎮痒成分 | かゆみを和らげる | かゆみが気になる場合 |
| 局所麻酔成分 | 患部のかゆみなどを和らげる | 症状や製品の適応に応じて使用 |
| 殺菌成分 | 皮膚表面の細菌の増殖を抑える | 掻き壊しへの対応が必要な場合 |
市販薬を使うときの注意点
ステロイド外用薬は、強いものほどよいというわけではありません。
年齢、塗る部位、炎症の程度に合った製品を選ぶ必要があります。
第一三共ヘルスケアの医薬品情報では、ステロイド配合外用薬について、5〜6日使用しても改善しない場合は使用を中止するよう案内しています。また、目の周囲や粘膜を避けること、顔面の広範囲に使用しないことなども注意事項として挙げています。
製品ごとに使用条件は異なるため、必ず添付文書を確認してください。子どもや乳幼児、顔面への使用については薬剤師に相談するのが安心です。
なお、膿が出ている、傷口がジュクジュクしている、赤みが広がっているといった場合は、自己判断で薬を塗り続けず、皮膚科を受診してください。
【アブとブヨはどう違う?】刺された跡と症状の見分け方
アブとブヨ(ブユ)は、どちらも吸血する昆虫です。
山や川、キャンプ場などで被害に遭いやすく、症状も似ているため、混同されることがあります。
しかし、体の大きさや吸血の仕方、痛みが現れるタイミングには違いがあります。
アブとブヨの違いを比較
| 比較項目 | アブ | ブヨ(ブユ) | 蚊 |
|---|---|---|---|
| 大きさ | 比較的大きい。横浜市は9〜15mmと紹介 | 約2〜4mm | 約5mm前後の種類が代表的 |
| 吸血方法 | 口器で皮膚を傷つけて吸血 | 皮膚を傷つけて吸血 | 針状の口器で吸血 |
| 刺された瞬間 | 強い痛みが出やすい | 気づかないことも多い | 痛みは比較的軽い |
| 出血 | 小さな出血を伴うことがある | 小さな出血点が特徴 | 通常は目立った出血がない |
| 腫れ | 赤く大きく腫れることがある | 半日ほどして腫れが目立つことがある | すぐ、または時間がたってから腫れる |
| かゆみ | 強くなることがある | 強いかゆみが続くことがある | かゆみが出る |
| 主な特徴 | 刺された瞬間の痛み | 遅れて出てくる強いかゆみ | 身近な場所でも被害に遭いやすい |
アブに刺された場合の特徴
アブは比較的大きな吸血昆虫で、刺された瞬間に痛みを感じやすいのが特徴です。
皮膚に小さな傷ができ、出血を伴う場合もあります。その後、赤みや腫れ、かゆみが現れます。
ブヨに刺された場合の特徴
ブヨは体長2〜4mm程度の小さな昆虫です。
公益社団法人日本皮膚科学会によると、ブヨは高原や山間部の渓流沿いなどに多く、朝夕に活動する傾向があります。
刺されている最中は痛みやかゆみをほとんど感じず、吸血部に小さな出血点が残ることがあります。
その後、半日ほどして赤く腫れ、強いかゆみが生じるのが特徴です。
掻きむしることで、かゆみを伴う赤いしこりが長期間残る慢性痒疹につながる場合もあります。
見分けるときに重要なのは刺された瞬間の感覚
アブとブヨを見分ける際には、次の点を確認しましょう。
- 刺された瞬間に強い痛みがあったか。
- 患部に小さな出血点があるか。
- かゆみや腫れがすぐに出たか、半日ほど経過してから出たか。
- 川辺や渓流沿い、草むらなど、どのような場所にいたか。
ただし、これらはあくまで判断材料です。虫を直接見ていない場合は、症状だけで種類を確定できません。
スマートフォンで患部や虫の写真を撮っておくと、診察時の参考になります。
【病院に行くべき?】アブに刺されたら何科を受診するか、危険な症状を解説
アブに刺された場合、基本的には皮膚科が受診先になります。
皮膚の腫れや炎症の程度を診察し、必要に応じてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などによる治療を行います。
皮膚科を受診したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。
- 腫れが大きく、範囲が広がっている。
- 強い痛みが続いている。
- 患部が熱を持っている。
- 水ぶくれができている。
- 膿が出ている。
- 発熱を伴っている。
- かゆみが強く、睡眠や日常生活に支障がある。
- 市販薬を使用しても5〜6日程度で改善しない。
特に、赤みが広がり、熱感や痛み、発熱が重なる場合は、細菌感染など別の問題が起きている可能性もあります。
こんな場合は小児科も選択肢
子どもが刺された場合、皮膚症状が中心なら皮膚科、小児の全身状態も含めて診てもらいたい場合は小児科が受診先になります。
顔や目の周囲、口の中などを刺された場合や、広範囲に腫れている場合も早めに医療機関へ相談してください。
アブ刺されとアナフィラキシーの症状は?
最も注意したいのが、全身に現れる強いアレルギー反応です。
虫刺されでは、患部だけでなく全身にアレルギー症状が現れる場合があります。
公益社団法人日本皮膚科学会も、虫刺されによる全身のじんましん、腹痛、呼吸困難、意識消失などをアナフィラキシーの症状として紹介しています。特にハチ刺されには注意が必要です。
次の症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼んでください。
アナフィラキシーを疑う危険なサイン
呼吸器の症状
息苦しさ、ゼーゼーする呼吸、喉が締め付けられる感覚、声のかすれ。
皮膚・粘膜の症状
全身に広がるじんましん、唇や顔の腫れ、強いかゆみ。
消化器の症状
強い腹痛、繰り返す嘔吐。
全身状態の異常
強いめまい、ぐったりする、意識がもうろうとする、失神。
これらの症状が一つでも現れた場合は、直ちに119番へ。
2026年8月27日掲載の埼玉県アレルギー疾患相談室の案内でも、息苦しさ、声のかすれ、ぐったりする、意識障害、持続する強い腹痛、繰り返す嘔吐などを緊急サインとして挙げています。
これらの症状が一つでもあれば緊急性が高く、処方済みのアドレナリン自己注射薬(エピペン)や自己点鼻薬(ネフィー)がある場合は指示どおり使用し、119番通報するよう案内されています。
重要なのは、アブに刺された場所だけが腫れている状態と、全身に症状が広がる状態を区別することです。
局所的な腫れが大きいからといって、それだけでアナフィラキシーとは限りません。一方、呼吸や意識に異常が出た場合は、患部の大きさにかかわらず救急対応が必要です。
【子どもがアブに刺されたら?】大人とは違う注意点と予防策
子どもはかゆみを我慢できず、患部を繰り返しかいてしまうことがあります。
掻き壊しによって皮膚に傷ができると、とびひなどの二次感染につながる可能性があります。
子どもが刺されたときの対処法
基本的な応急処置は大人と同じです。
1. 安全な場所へ移動する。
2. 患部を流水で洗う。
3. 冷たいタオルなどで冷やす。
4. かきむしらないようにする。
5. 腫れや全身状態の変化を観察する。
子どもの場合は、患部を冷やす際に冷たすぎないよう注意してください。
また、爪を短く切り、患部を傷つけにくくすることも大切です。
子どもに市販薬を使っても大丈夫?
子どもに虫刺され用の薬を使う場合は、必ず対象年齢を確認しましょう。
成人向けの製品をそのまま使うのではなく、年齢に適した製品を選び、用法・用量を守る必要があります。
特に注意したいのは次の点です。
- 乳幼児への使用が認められているか。
- ステロイドの配合量や使用部位に問題がないか。
- 顔や目の周囲に使用できる製品か。
- 傷口や化膿している部分に使用してよいか。
判断に迷った場合は薬剤師や小児科医に相談してください。
かゆみが強い場合や腫れが広範囲に及ぶ場合は、早めに皮膚科または小児科で診察を受けることをおすすめします。
アブに刺されないための予防策
アブによる被害を防ぐには、吸血されやすい場所で肌の露出を減らすことが基本です。
- 草むらや水辺では長袖・長ズボンを着用する。
- 足首や首などの露出部分をできるだけ減らす。
- 虫よけ剤を適切に使用する。
- アブが多い場所では長時間立ち止まらない。
- 子どもを草むらや水辺で遊ばせる際は、虫の飛来に注意する。
虫よけ剤にはディートやイカリジンなどの成分があります。
日本皮膚科学会によると、いずれも虫よけ成分として使用されており、製品の濃度や使用条件に応じた使い方が必要です。
特にディートには年齢に応じた使用制限があるため、子どもに使用する場合は添付文書を確認しましょう。
【アブに刺されたら】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アブに刺されたら、すぐに病院に行く必要がありますか?
通常、患部だけの軽い痛みや腫れであれば、流水で洗って冷やし、市販薬などで経過を見ることができます。ただし、腫れや痛みが強い場合、水ぶくれや膿がある場合、症状が悪化する場合は皮膚科を受診してください。息苦しさや意識障害などがあれば119番通報が必要です。
Q2:アブに刺された跡が大きく腫れているのですが大丈夫ですか?
アブに刺されると、体質や炎症反応によって患部が大きく腫れることがあります。ただし、腫れが急速に拡大する、熱感や強い痛みがある、発熱するなどの場合は医療機関で診てもらいましょう。
Q3:アブに刺されたら何日で治りますか?
一般的な虫刺されは1〜2週間以内に改善することが多いとされています。アブ刺されも症状の程度によって異なり、軽い場合は比較的早く落ち着きますが、炎症や掻き壊しがあると長引くことがあります。
Q4:アブに刺されたらムヒなどの市販薬を塗ってもよいですか?
虫刺され用の市販薬は選択肢になります。ただし、商品によって有効成分や対象年齢、使用できる部位が異なります。かゆみには抗ヒスタミン成分、強い炎症にはステロイド外用薬などが選択肢です。製品の添付文書を確認してください。
Q5:アブとブヨはどちらのほうが腫れますか?
どちらも強い腫れやかゆみが出る場合があります。アブは刺された瞬間の痛みが特徴的で、ブヨは刺されたときに気づきにくく、半日ほど経過してから強い腫れやかゆみが出やすい傾向があります。症状には個人差があります。
Q6:アブに刺された後、かゆみが続くのはなぜですか?
アブの唾液成分などに対して、体の免疫反応が起こるためです。炎症が続くと、赤みや腫れとともにかゆみが長引くことがあります。掻き壊すと症状が悪化する可能性があるため、冷却や適切な外用薬で対処しましょう。
まとめ:アブに刺されたら早めの洗浄・冷却と症状に応じた受診が大切
アブに刺された場合、最初に行うべきことは患部を流水で洗い、冷やすことです。
アブは皮膚を傷つけて吸血するため、蚊に刺されたときよりも強い痛みや腫れが現れることがあります。
今回解説したポイントを整理します。
- 応急処置:患部を流水で洗い、タオルで包んだ保冷剤などで冷やす。
- 腫れ・かゆみ:炎症やかゆみの程度に応じて適切な市販薬を使用する。
- 治るまでの期間:一般的な虫刺されは1〜2週間以内に改善することが多い。
- 病院の受診先:局所の症状が強い場合は皮膚科、子どもは小児科も選択肢。
- 緊急症状:息苦しさ、声のかすれ、意識障害などがあれば直ちに119番。
- 子どもの対処:掻き壊しを防ぎ、年齢に適した薬を使用する。
特に気をつけたいのは、患部の腫れだけで判断しないことです。局所的な炎症と、全身に広がるアレルギー反応では対応が大きく異なります。
アブに刺されたときは、まず洗って冷やす。症状が強ければ皮膚科へ。そして呼吸や意識に異常があれば迷わず救急車を呼ぶ。
この3つを覚えておけば、突然のアブ刺されにも落ち着いて対応できます。 (出典: アブ に 刺され たら(Yahoo!ニュース))