DJ SODA騒動を理解するうえで参考になるのが、韓国政府が実施した「2022年性暴力安全実態調査」だ。
当時の女性家族部が2023年6月21日に公表した調査では、性暴力に関する社会の認識や被害後の対応などが調べられた。
この調査は、2022年3月から12月にかけて、韓国国内の19~64歳の男女1万20人を対象に実施されたものだ。
性暴力と服装を結び付ける回答が46.1%
特に注目されたのが、性暴力の原因について尋ねた質問である。
| 調査項目 | 回答割合 |
|---|---|
| 性暴力は露出の多い服装が原因で起きる | 46.1% |
| 性暴力の虚偽申告をする人も多い | 39.7% |
| 酔った状態で性暴力を受けた被害者にも責任がある | 32.1% |
| 性暴力被害者は直後に警察へ届け出るはずだ | 52.6% |
| 実際に被害経験者が警察に届け出たことがある | 2.6% |
出典:韓国女性家族部「2022年性暴力安全実態調査」、2023年6月21日付ニュース1報道。
この数字で重要なのは、回答者の46.1%が、露出の多い服装と性暴力の発生を結び付ける認識を示したことだ。
また、被害者が酒に酔っていた場合にも本人に責任があると考える回答が32.1%あった。
こうした回答は、性暴力の原因や責任を加害行為ではなく、被害者側の服装や行動に求める考え方が社会に残っていることを示す。
46.1%は韓国国民全員の意見ではない
ただし、この46.1%という数字の読み方には注意が必要だ。
これは2022年に実施された社会意識調査の結果であり、2023年のDJ SODA騒動について尋ねた調査ではない。
また、2026年現在の韓国人全体の意識を示す最新値でもない。
この数字から分かるのは、DJ SODAの事件が起きる前から、韓国社会に性暴力と服装を結び付ける認識が一定程度存在していたという背景だ。
さらに、被害後に警察へ届け出た経験がある人の割合は2.6%にとどまった。被害を受けても、すぐに公的機関へ相談・申告できるとは限らない現実も浮かび上がっている。
こうした状況を踏まえると、DJ SODAの告発に対して本人の服装を問題にする反応が現れたことは、韓国社会で議論されてきた被害者非難の問題とも重なる。
ただし、同じ社会のなかには、そうした考え方に反対し、被害者の権利を擁護する人々もいる。46.1%という数字だけで韓国社会全体を評価することはできない。
【DJ SODAの現在】2026年も海外を中心に活動を継続
では、2023年の騒動を経て、DJ SODAは現在どのような活動をしているのだろうか。
2026年11月現在、確認できる活動情報からは、DJとしての国際的な活動を継続していることが分かる。
2026年もシンガポールなど海外で出演
シンガポールの報道機関Channel NewsAsia(CNA)は、2026年2月19日、DJ SODAの現地活動を報じた。
記事によると、DJ SODAは同月、シンガポールのナイトクラブMarqueeでパフォーマンスを行い、2月22日にはMedusa Osteria Romanaでファンとの交流イベントを開催する予定だった。
記事では、Ultra Music FestivalやS2O Songkran Music Festivalなどの大型イベントへの出演実績にも触れられている。
2026年11月には東京での出演も予定
QUEENS feat. DJ SODA
会場: RAISE GINZA TOKYO
日程: 2026年11月9日
出演者: DJ SODA
時間: 21時~翌4時
主催会場の公式イベント告知に掲載された情報。
このイベントは、女性の自由や個性をテーマにしたパーティー「QUEENS」のローンチイベントとして告知されている。DJ SODAはその出演者として発表された。
2023年の騒動後も、日本を含む海外のイベントに出演する機会が続いていることは確認できる。
韓国での評判は回復したのか?
ここは慎重に考える必要がある。
2023年当時、韓国メディアは衣装批判や二次加害を大きく取り上げた。しかし、2026年の韓国世論がDJ SODAをどの程度支持しているのかを示す、個人を対象とした全国規模の世論調査は公表資料から確認できない。
一方、DJとしての活動や海外での出演が続いていることは、騒動によって音楽活動そのものが終わったわけではないことを示している。
つまり、次の3点は分けて評価する必要がある。
- 韓国での社会的評価: 2023年には批判と支持の双方が存在した。
- アーティストとしての活動: 2026年も海外公演やイベント出演が続いている。
- 現在の韓国世論: 全国的な支持率や批判率を示す客観的な数字は確認できない。
騒動が起きたことと、アーティストとしての現在の評価は、必ずしも同じではない。
【よくある質問】DJ SODAと韓国世論に関するFAQ
Q1:DJ SODAは韓国で嫌われているのですか?
A1:韓国で批判的な意見が出たことは事実だが、支持する声も存在した。韓国メディアは衣装批判や二次加害を問題視する報道も行っている。韓国国民全体がDJ SODAを嫌っていると判断できる調査結果はない。
Q2:DJ SODAの大阪公演の性被害告発は取り下げられたのですか?
A2:2023年11月、被疑者3人から謝罪文を受け取って和解が成立し、TryHard Japanは11月1日に提出済みの告発を取り下げた。さらに同年12月には、大阪地検が3人を不起訴(起訴猶予)としたと報道されている。
Q3:DJ SODAは2026年現在もDJとして活動していますか?
A3:活動を継続している。2026年2月にはシンガポールでの出演やファン交流イベントが報じられ、11月9日には東京・銀座のRAISEでの出演が公式告知されている。
まとめ:【プロの結論】DJ SODA騒動から読み解く韓国世論の本質
DJ SODAと韓国世論をめぐる騒動は、2023年8月の大阪公演での性被害告発を出発点に、服装批判、二次加害、性暴力に対する社会的認識へと議論が広がった出来事だった。
今回の経緯から押さえておきたいポイントは5つある。
1. 2023年8月13日: MUSIC CIRCUS'23大阪公演でDJ SODAが観客から身体を触られたと告発した。
2. 韓国世論: 露出衣装への批判があった一方、被害者を支持し、二次加害を批判する意見もあった。
3. 社会的背景: 2022年の韓国政府調査では、46.1%が性暴力と露出の多い服装を結び付ける認識を示した。
4. 法的な結末: 被疑者3人との和解が成立し、告発は取り下げられた。その後、大阪地検は3人を起訴猶予としたと報じられた。
5. 2026年の現在: DJ SODAは海外での音楽活動を続けており、東京での出演も予定されている。
本当に見るべきなのは「服装」ではなく「同意」
この騒動の本質は、DJ SODAがどのような衣装を着ていたかではない。
アーティストが観客との距離を縮めてパフォーマンスすることと、観客が本人の身体に無断で触れることは、まったく別の問題である。
また、被害を訴えた人物の外見や職業、国籍を持ち出して批判することは、被害そのものへの適切な議論を妨げる。
韓国世論を理解するうえでも、批判的なSNS投稿だけを取り出して国民全体の意見とするのではなく、メディア報道、社会調査、実際の法的経緯を区別することが欠かせない。
DJ SODA騒動は、性暴力の責任を被害者の服装に転嫁してはならないという問題を、国境を越えて考えるきっかけとなった。
2026年現在も、彼女の活動は続いている。今後の評価を考える際にも、過去の騒動だけで人物やアーティストとしての価値を決め付けない視点が必要だ。 (出典: dj soda 韓国世論(Yahoo!ニュース))