「そろりそろり」とは、動作をゆっくり、静かに、慎重に行う様子を表す日本語の副詞です。足音を立てないように歩くときや、周囲に気づかれないように近づくときなどに使われます。実は、この言葉は室町時代の文献にも登場しており、チョコレートプラネットの長田庄平さんが生み出した流行語ではありません。
一方、テレビやSNSで「そろりそろり」と聞いて、狂言師の和泉元彌さんを思い浮かべる人も多いはずです。長田さんの独特な顔つきや手の動き、着物姿のものまねによって、この言葉はお笑いの決めフレーズとして広く知られるようになりました。2026年現在、言葉本来の意味から歴史、元ネタ、使い方、類語、ゲーム、本人との共演エピソードまで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 本来の意味: ゆっくりと静かに、慎重に動く様子を表す副詞。室町時代の文献にも用例がある。
- 芸能界での元ネタ: チョコレートプラネットの長田庄平さんによる狂言師・和泉元彌さんのものまね。
- 覚えておきたい違い: 「そろりそろり」は動作の様子、「そろそろ」は動作の様子に加えて、時期が近づく意味でも使われる。
【1】そろりそろりの意味とは?辞書で分かる本来の意味と歴史
そろりそろりは「ゆっくり静かに動く様子」
「そろりそろり」は、動作がゆっくりと静かに行われる様子を表す副詞です。
単に動作が遅いというだけではなく、周囲に気を配りながら、音を立てず、慎重に動くニュアンスを含みます。
例えば、寝ている人を起こさないように部屋を出るときや、壊れやすいものを運ぶときなどが典型的な使用場面です。
「そろりそろりと」という形で、後ろに動作を表す言葉を続ける使い方が一般的です。
辞書ではどのように説明されている?
精選版日本国語大辞典では、「そろりそろり」を副詞として扱い、多くの場合「と」を伴って使う言葉と説明しています。
また、語義を確認するうえで興味深いのが、辞書に掲載されている初出の実例です。
同辞典では、1458~1460年の『漢書列伝竺桃抄』に登場する用例を紹介しています。
つまり、少なくとも室町時代には、この言葉が文章の中で使われていたことが分かります。
ここで注意したいのは、辞書に記録された初出と、言葉が実際に生まれた時期は同じではないという点です。1458~1460年は現存する文献で確認できる初出の年代であり、それ以前に口頭で使われていなかったことを意味するわけではありません。
そろりそろりの語源・由来は?
「そろりそろり」は、同じ音を繰り返すことで動作の様子を表す日本語の表現です。
言語学的には、音や状態を模して表現する擬態語・オノマトペの仲間として理解できます。
ただし、語源については、特定の人物が作った言葉であるとか、チョコレートプラネットのネタから生まれた言葉であるといった説明は正しくありません。
古い文献に記録が残ることからも、現代のお笑いとは別の歴史を持つ日本語であることが分かります。
【2】そろりそろりの元ネタは狂言?和泉元彌とチョコプラの関係
狂言師・和泉元彌のものまねが広く知られるきっかけに
「そろりそろり」というフレーズを芸能ネタとして定着させた存在が、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平さんです。
長田さんは、狂言師で俳優の和泉元彌さんの顔つきや衣装、独特の姿勢、手の動きを取り入れたものまねを披露しました。
その際に繰り返される「そろりそろり」という言葉と、ゆっくり進むような動作が組み合わさり、強い印象を残しました。
相方の松尾駿さんが美容家IKKOさんのものまねで「どんだけ~!」を披露する一方、長田さんは和泉元彌さんのものまねで存在感を発揮。2人の異なるキャラクターが、チョコレートプラネットの知名度を押し上げる要素になりました。
そもそも和泉元彌の狂言に「そろりそろり」は登場する?
答えはYESです。
2024年5月11日公開の文春オンラインのインタビューで、和泉元彌さん本人は「そろりそろり」がもともとある言葉であり、狂言のせりふの一部にも登場すると説明しています。
ただし、長田さんのものまねのように何度も繰り返すわけではありません。
和泉さんによると、「そろりそろりと参ろう」などの表現は、長いせりふの一部分です。実際の狂言で同じ言葉を何度も連呼するという理解は正確ではありません。
この違いが、伝統芸能とテレビのお笑いを比較するうえで面白いポイントです。
長田庄平のものまねは和泉流の正式な型なのか?
ここも誤解されやすい部分です。
和泉元彌さんは、長田さんのものまねを見た際、顔や雰囲気には似ているところがある一方、構えや抑揚、手の形などに違いを感じたと2024年のインタビューで振り返っています。
2018年12月28日放送のテレビ朝日系『金曜★ロンドンハーツ』では、2人の初対面が実現しました。
この企画では、和泉さんが長田さんに直接、和泉流の手の形や姿勢などを指導。長田さんが本格的な狂言の稽古を受ける展開になりました。
本人がものまねを認めているかどうかについても、単純に公認と理解することはできません。
和泉元彌さんは2024年のインタビューで、長田さんのものまねについて「正式に非公認」と説明しています。
ただし、これはものまねそのものを一切否定しているという意味ではありません。本人も楽しんで見ていたことや、実際に指導の機会を設けたことを語っています。
【3】そろりそろりの歴史・初出とチョコプラの関連年表
言葉の歴史と芸能界での広まりを分けて見ると、そろりそろりの成り立ちが理解しやすくなります。
| 時期 | 出来事・関連人物 | 意味・注目ポイント |
|---|---|---|
| 1458~1460年 | 『漢書列伝竺桃抄』 | 精選版日本国語大辞典に掲載された初出の実例 |
| 2018年4月23日 | チョコレートプラネット公式YouTube | 「そろりそろり」というオリジナルゲームの動画を公開 |
| 2018年ごろ | 長田庄平さん | 和泉元彌さんのものまねが広く知られるようになる |
| 2018年12月25日 | 日本テレビ『ウチのガヤがすみません!』 | チョコプラが考案した「そろりそろりゲーム」を紹介 |
| 2018年12月28日 | テレビ朝日『金曜★ロンドンハーツ』 | 長田さんと和泉元彌さんが初対面。狂言の直接指導も実施 |
| 2019年3月 | 『ダウンタウンDX』関連放送 | 羽野晶紀さんが、学校公演で和泉さんの登場に観客が反応するエピソードを紹介 |
| 2024年5月11日 | 文春オンライン | 和泉元彌さんがものまねの印象や正式な非公認という立場を説明 |
| 2025年3月30日 | テレビ朝日『チョコプランナー』 | チョコプラ結成20周年企画に和泉さんが出演。過去の「許さない」投稿の真意を説明 |
| 2026年11月 | 現在 | 言葉本来の意味と、チョコプラの決めフレーズを区別して理解することがポイント |
特に注目したいのは、2018年12月の初対面企画です。
テレビ朝日の番組紹介記事によると、和泉さんは長田さんのものまねを見て、和泉流の型との違いを感じていました。
そのため、単なる芸人と本人の共演ではなく、実際に狂言の所作を教える企画へと発展しています。
また、2025年3月30日放送の『チョコプランナー』では、和泉さんがチョコプラ結成20周年企画に登場しました。
2024年正月に放送された長田さんのキスネタをめぐり、和泉さんがXに投稿した「許さない」という言葉の真意を説明。夫婦を題材にしたものまねへの反応だったことを明かし、その後は和解していることも伝えられました。
このように、2018年のブレイクから2025年の再共演まで、両者の関係は単純なものまねの対象と芸人という枠にとどまらず、テレビ企画を通じた交流へと発展しています。
【4】そろりそろりの使い方と例文!類語との違いも解説
「そろりそろり」は、日常会話でも自然に使える言葉です。
ただし、どんな場面でも使えるわけではありません。基本的には、動作の速度だけでなく、静かさや慎重さが感じられる状況に適しています。
日常会話で使える例文5選
例文1:静かに歩くとき
子どもが昼寝をしていたので、起こさないようにそろりそろりと部屋を出た。
例文2:慎重に近づくとき
警戒している猫に気づかれないよう、そろりそろりと近づいた。
例文3:壊れやすいものを扱うとき
大切な陶器を棚に戻すため、両手で支えながらそろりそろりと動かした。
例文4:隠れて移動するとき
会議中に遅れて到着したため、目立たないようにそろりそろりと後ろの席に座った。
例文5:緊張している場面
初めて入る暗い部屋に、懐中電灯を持ってそろりそろりと足を踏み入れた。
いずれも、動作を急がず、慎重に進めている様子が伝わります。
そろりそろりの類語・言い換え表現
| 類語 | 意味・ニュアンス | 使用例 |
|---|---|---|
| そっと | 音や刺激を立てないようにする | そっとドアを閉める |
| ゆっくり | 動作や進行の速度が遅い | ゆっくり歩く |
| しずしず | 静かで落ち着いた動作 | しずしずと入場する |
| のろのろ | 動きが遅く、もどかしい印象 | のろのろ進む |
| こっそり | 人に知られないようにする | こっそり抜け出す |
| おもむろに | 落ち着いて、ゆったりと動作を始める | おもむろに立ち上がる |
使い分けのポイントは、何を強調したいかです。
静かさを伝えるなら「そっと」、速度を伝えるなら「ゆっくり」、人に気づかれないことを伝えるなら「こっそり」が適しています。
一方、「そろりそろり」は、ゆっくりした動きと慎重な様子をまとめて表現できる点が特徴です。
そろりそろりとそろそろの違いは?
この2つは似ていますが、意味には明確な違いがあります。
「そろりそろり」は、動作の様子を描写する表現です。
対して「そろそろ」には、動作が静かにゆっくり行われる意味のほか、ある時期やタイミングが近づいていることを表す意味もあります。
例えば、次の2つを比較してください。
- そろりそろりと歩く:静かに慎重に歩く。
- そろそろ帰ろう:帰る時間が近づいているので、帰ることにしよう。
「そろそろ」には時間的な意味があるのに対し、「そろりそろり」にはその意味が基本的にありません。
ただし、「そろそろと歩く」のように、動作の様子を表す場合には意味が重なることもあります。
小学館のデジタル大辞泉でも、「そろそろ」には動作の緩やかさと、時期が近づくことの両方が掲載されています。
【5】そろりそろりが流行した理由は?チョコプラのゲームも紹介
なぜ長田庄平のものまねは印象に残ったのか
長田さんのものまねが広く認知された背景には、複数の要素があります。
1. 短く覚えやすいフレーズ
「そろりそろり」は、同じ音を繰り返すため、聞いたときにリズムが残りやすい言葉です。
長いせりふを覚えなくても、短い言葉だけでキャラクターを再現できます。
2. 言葉と動きがセットになっている
長田さんのものまねは、声だけではなく、表情や姿勢、手の動き、歩き方まで組み合わさっています。
視聴者は言葉を聞くだけでなく、身体表現を見て笑うことができます。
3. 伝統芸能と現代のお笑いのギャップ
狂言という伝統芸能のイメージと、テレビバラエティーのテンポの速い笑いとの対比も、印象を強くする要因です。
実際、2019年3月の『ダウンタウンDX』関連の報道では、羽野晶紀さんが、学校公演で和泉さんが登場すると観客がチョコプラのものまねを連想して反応するようになったというエピソードを紹介しています。
これは、テレビのものまねが本来の狂言師の舞台にも影響を与えた事例です。
そろりそろりゲームとは?
実は「そろりそろりゲーム」には、チョコレートプラネットが考案したオリジナルゲームという別の側面もあります。
チョコレートプラネット公式YouTubeチャンネルでは、2018年4月23日に「【オリジナルゲーム】そろりそろり」という動画が公開されています。
さらに、2018年12月25日放送の日本テレビ『ウチのガヤがすみません!』でも、このゲームが紹介されました。
番組公式ページによると、基本ルールは次のとおりです。
- お題が提示される。
- お題から連想する「○○り」という言葉を考える。
- リズムに合わせて言葉を出していく。
つまり、静かに歩く動作を競うゲームではなく、言葉をリズムに乗せて答えていく言葉遊びです。
ここは、長田さんのものまねネタと混同されやすいポイントです。
同じ「そろりそろり」という名前でも、ゲームとものまねは別のコンテンツとして理解すると分かりやすくなります。
2026年現在も知っておきたい言葉の二つの顔
2026年11月現在、「そろりそろり」を理解するうえで押さえておきたいのは、古くから存在する日本語としての意味と、チョコレートプラネットによって広く知られた芸能ネタとしての意味です。
言葉そのものは室町時代の文献に記録され、狂言でも使われてきました。
一方、2018年以降は長田さんのものまねによって、テレビのお決まりのフレーズとして認識されるようになりました。
さらに2025年には、和泉さんがチョコプラの番組に出演し、過去のエピソードを振り返っています。
昔からある言葉が、伝統芸能、テレビ、ゲーム、SNSという異なる場面で新しい意味合いを持つようになったことが、この表現の興味深いところです。
【6】そろりそろりに関するよくある質問(FAQ)
Q1:そろりそろりの意味を簡単に説明すると?
「ゆっくり静かに、慎重に動く様子」です。例えば、寝ている人を起こさないように歩くときなどに使います。
Q2:そろりそろりの元ネタは誰ですか?
お笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平さんによる、狂言師・和泉元彌さんのものまねです。2018年ごろから広く知られるようになりました。
Q3:そろりそろりは狂言が語源ですか?
狂言でも使用される表現ですが、狂言から生まれた言葉というわけではありません。精選版日本国語大辞典には、1458~1460年の文献における使用例が掲載されています。
Q4:そろりそろりとそろそろは同じ意味ですか?
完全に同じではありません。「そろりそろり」は慎重で静かな動作を表します。「そろそろ」には動作の緩やかさに加えて、何かを始める時期が近づいているという意味があります。
Q5:長田庄平さんのものまねは和泉元彌さん公認ですか?
2024年の文春オンラインのインタビューで、和泉さんは正式には非公認と説明しています。ただし、本人との共演や狂言指導も実現しており、2025年にはチョコプラの番組で再び交流しています。
Q6:そろりそろりゲームのルールは?
お題から連想する「○○り」という言葉を、リズムに合わせて言っていく言葉遊びです。チョコレートプラネットが考案し、日本テレビの番組でも紹介されました。
まとめ:そろりそろりは古くからある日本語と現代のお笑いが融合した言葉
「そろりそろり」は、ゆっくりと静かに動く様子を表す日本語です。
その歴史は古く、精選版日本国語大辞典では1458~1460年の文献に初出の実例が確認されています。狂言でも使われてきた表現であり、チョコレートプラネットが作った新語ではありません。
一方、長田庄平さんが和泉元彌さんのものまねで繰り返したことにより、テレビのお笑いを代表する印象的なフレーズとして広まりました。
今回のポイントを整理すると、次の3つです。
- 言葉本来の意味: ゆっくり静かに、慎重に動く様子。
- 芸能界での元ネタ: 長田庄平さんによる和泉元彌さんのものまね。
- 正しい使い分け: 動作の様子を伝えるなら「そろりそろり」、時期が近いことを伝えるなら「そろそろ」。
何気なく使っている言葉にも、長い歴史や文化的な背景があります。「そろりそろり」という短いフレーズも、辞書に残る日本語の歴史と狂言の伝統、そして現代のお笑いをつなぐ興味深い表現なのです。
主な参照資料・確認できる記録
- 精選版日本国語大辞典・コトバンク(意味と初出)
- 小学館デジタル大辞泉・コトバンク(類語と「そろそろ」との違い)
- 日本テレビ『ウチのガヤがすみません!』番組公式バックナンバー(ゲームのルール)
- テレ朝POST(2018年の本人との初共演・狂言指導)
- 文春オンライン(2024年5月11日、和泉元彌さん本人へのインタビュー)
- スポニチアネックス(2025年3月31日、チョコプランナー出演と過去の投稿の真意)
(出典: そろ り そろ り(Yahoo!ニュース))