日本における馬と人間の歴史や文化を語る上で欠かせないのが「愛馬の日」です。現代では、毎年秋分の日に日本中央競馬会(JRA)が主催する大規模なイベントとして広く親しまれていますが、その歴史を遡ると戦前である昭和14年(1939年)にまで到達します。
本記事では、政府主導で始まった初代の起源から、戦後の変遷を経て現在のJRA馬事公苑での開催に至るまでの経緯、そして一般市民と馬の交流の歴史やイベントの背景まで、分かりやすく徹底的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:愛馬の日は1939年(昭和14年)に政府主導の国民的行事として4月7日に制定されたのが起源である。
- 要点2:戦後の変遷を経て、1968年(昭和43年)からは毎年秋分の日にJRA馬事公苑で開催される現在の形が定着した。
- 要点3:現在では全国の乗馬クラブなどでも独自にイベントが開催され、一般市民が馬と深く親しむ機会となっている。
愛馬の日はいつ?現代における開催日とJRA馬事公苑での位置づけ
現代における愛馬の日は、国民の祝日である「秋分の日」に開催されるのが定例となっています。東京都世田谷区にあるJRA馬事公苑をメイン会場として、馬に親しむための多彩なイベントやパフォーマンスが繰り広げられる、馬事文化の祭典として広く知られています。
秋分の日は年によって日付が前後するため、開催日も毎年カレンダーを確認する必要がありますが、気候が爽やかになる秋の行楽シーズンということもあり、例年多くの家族連れや馬術ファンが訪れます。JRA馬事公苑におけるこの催しは、単なる娯楽イベントに留まらず、人と馬との歴史的な絆を次世代に継承する重要な役割を担っています。
1939年(昭和14年)の誕生:政府主導による初代「愛馬の日」の歴史
愛馬の日の歴史の原点は、昭和14年(1939年)に遡ります。当時の政府主導のもと、馬に対する感謝の気持ちを表し、馬匹の保護や資質向上、そして国民的な愛馬思想の普及を図る目的で制定されました。
当初の開催日は、毎年4月7日とされていました。これは春の農繁期を前にして、農作業や軍事、輸送などあらゆる場面で人間を支えてきた馬の労をねぎり、その恩に報いるための国民的行事として位置づけられていたためです。昭和14年から第二次世界大戦終戦間際の1945年(昭和20年)に至るまで、国を挙げた様々な行事が実施されましたが、戦後の社会情勢の激変に伴い、一旦その歴史の幕を閉じました。
愛馬の日をめぐる歴史的変遷と1968年(昭和43年)の復活・再定義
戦前の国家行事としての役割を終えた愛馬の日でしたが、高度経済成長期を迎えた昭和40年代に入り、モータリーゼーションの進展によって生活の足や労働の主役が馬から自動車や機械へと大きく移行していきました。その結果、一般市民が日常的に馬と触れ合う機会が急速に失われていくことになります。
こうした背景のもと、人と馬の文化的なつながりを取り戻し、馬への感謝と理解を深め直すため、1968年(昭和43年)に日本中央競馬会(JRA)の主催によって「愛馬の日」が復活・再定義されました。この時から開催地がJRA馬事公苑となり、日付も現在の「秋分の日」に変更されたことで、一般市民が気軽に参加できる国民的行事として新たな歴史を歩み始めました。
| 時期・年号 | 出来事・制度 | 概要と特徴 |
|---|---|---|
| 1939年(昭和14年) | 初代「愛馬の日」の制定 | 政府主導の国民的行事として毎年4月7日にスタート。馬の労をねぎらう目的。 |
| 1939年〜1945年 | 戦時期の実施 | 軍事・農業を支える馬の保護と愛馬思想の普及が図られたが、終戦に伴い中断。 |
| 1968年(昭和43年) | JRA主催による復活 | 舞台をJRA馬事公苑に移し、開催日を「秋分の日」に変更して一般市民向けに刷新。 |
| 現代(2026年現在) | 全国的な馬と親しむ日へ | JRA馬事公苑をはじめ、各地の乗馬クラブでも独自イベントが開催される文化に。 |
JRA馬事公苑でのイベント内容と一般市民と馬の交流の歴史
1968年以降、JRA馬事公苑で開催される愛馬の日は、単に馬を見るだけでなく「馬と親しむ」ことを主眼に置いた多彩なプログラムが展開されてきました。伝統的な馬事芸能の披露や、馬術競技の実演、さらには子供たちが実際にポニーに乗馬できる体験コーナーなど、都市部において生きた馬と直接触れ合える貴重な機会を提供し続けています。
また、こうしたJRA主催のメインイベントの動きに呼応する形で、日本各地の乗馬クラブや牧場などでも独自に愛馬の日を設ける動きが広がりました。これにより、特定の関係者だけでなく、広く一般の市民層にも馬事文化が浸透し、乗馬やホースセラピーといった現代的な馬との関わり方への土壌が作られていきました。
「馬と親しむ日」としての現代的意義とこれからの展望
愛馬の日は、単なるレジャーイベントではなく、人間社会の近代化を陰で支え続けた馬という存在へのリスペクトを形にする日です。車社会となり日常から馬の姿が消えた現代において、動物福祉やアニマルウェルフェアの視点も含め、命あるパートナーとしての馬とどう向き合うかを考える契機となっています。
近年では、SNSなどを通じた情報発信や、子どもたちの情操教育の場としても注目を集めており、時代が移り変わっても「馬と人間との豊かな共生」という本質的なテーマは変わらずに受け継がれています。
【愛馬の日】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:愛馬の日はいつ開催されますか?
A1:1968年以降は毎年「秋分の日」に、JRA馬事公苑などを中心に開催されています。
Q2:戦前の愛馬の日はいつ行われていましたか?
A2:1939年(昭和14年)の制定当初から1945年までは、毎年4月7日に政府主導の国民的行事として行われていました。
Q3:JRA馬事公苑以外の場所でもイベントは行われますか?
A3:はい。JRA馬事公苑での大規模な催しのほか、全国各地の乗馬クラブなどでも独自に愛馬の日を設けて一般市民との交流イベントが開催されています。
まとめ:歴史を背景に受け継がれる馬への感謝と交流
愛馬の日は、1939年の政府主導による誕生から、戦後の変を経て1968年にJRA馬事公苑で「秋分の日」の行事として再出発するという、深い歴史的経緯を持っています。時代とともにその形態や目的は変化してきましたが、馬に対する感謝の念を持ち、人間と馬が健やかに共生する文化を育むという根底の精神は、今なお現代にしっかりと息づいています。