埼玉西武ライオンズ・レディースは、埼玉西武ライオンズの公認・支援を受けて活動する女子硬式野球クラブチームです。
2020年1月16日に株式会社西武ライオンズが発足と支援を発表しました。当時、プロ野球12球団の球団名を冠し、公認を受けて活動する女子硬式野球チームとして初めての取り組みでした。
ただし、ここで押さえておきたいのが、NPBの女子プロ球団や埼玉西武ライオンズの二軍・三軍ではないという点です。
両者の関係は、次のように整理できます。
- 埼玉西武ライオンズ:チーム名の使用を公認し、野球振興の観点から支援するプロ野球球団。
- 埼玉西武ライオンズ・レディース:女子選手が硬式野球を続けるための独立したクラブチーム。
- 関東女子硬式野球連盟:女子野球のリーグ戦や大会を運営する競技団体。
- 加須市:チームの本拠地として、女子野球の普及と地域振興を支える自治体。
発足時には、ライオンズと同仕様のユニフォームやキャップ、野球用具などが提供されました。練習環境についても球団施設の活用を含めた支援が発表されています。
つまり、プロ球団のブランド力と支援体制を女子野球の発展につなげる仕組みです。プロ野球の名前を借りただけのチームではなく、女子選手の競技継続を支えるという明確な目的を持っています。
【発足経緯と本拠地】尚美学園大学から加須市へ移った理由
新谷博氏が目指した女子野球選手の受け皿
チーム発足の背景には、女子選手が大学卒業後も野球を続けられる環境を整備したいという問題意識がありました。
当時の女子野球界では、競技を続けたい選手が所属先を見つけられず、引退を選ばざるを得ないケースがありました。
2019年には女子プロ野球リーグ所属選手71人のうち36人が退団することが発表されており、女子野球の競技環境をどう維持するかが課題になっていました。
そこで関係者が進めたのが、企業やプロ野球球団の支援を受けながら競技を続けられるクラブチームの設立です。
初代監督に就任したのが、元西武ライオンズの投手である新谷博氏でした。
新谷氏は女子野球の指導にも長く携わってきた人物です。2012年には女子野球ワールドカップの日本代表監督を務め、チームを優勝に導いています。
発足時には、六角彩子選手と出口彩香選手の加入も発表されました。いずれも女子野球日本代表に選ばれた実績を持つ選手です。
尚美学園大学との関係は?
発足当初の活動拠点は、埼玉県川越市の尚美学園大学野球部グラウンドでした。
ただし、埼玉西武ライオンズ・レディースそのものが尚美学園大学の女子野球部だったわけではありません。
尚美学園大学には、2006年に本格始動した女子硬式野球部があります。当時、その監督を務めていたのが新谷博氏です。
大学の女子野球部で培われた指導経験や競技環境が、新しいクラブチームの発足につながったことは、両者の関係を理解するうえで重要です。
大学卒業後の選手にも競技を続ける道を用意するという点で、大学女子野球と社会人クラブチームは、女子野球のキャリア形成を支える関係にあります。
2020年7月から加須市を本拠地に
チームは発足後、活動拠点を川越市から加須市へ移しました。
2020年7月17日、加須市はチームが市を本拠地として活動を開始したことを発表。運営法人である一般社団法人埼玉レディースベースボールと、女子野球の普及・発展や地域活性化に関する連携協定を締結しました。
現在の主な練習場所は次の2か所です。
- 加須きずなスタジアム:埼玉県加須市下三俣590
- 田ヶ谷サン・スポーツランド:埼玉県加須市上崎1850-1
加須市は女子野球の普及を地域政策としても推進しています。チームの活動は、単なる競技成績だけでなく、地域のスポーツ振興や子どもたちへの野球普及にもつながっています。
【関係者・組織一覧】新谷博代表と出口彩香監督の役割
2026年の埼玉西武ライオンズ・レディースを理解するうえで、特に重要なのが新谷博氏と出口彩香氏の役割の違いです。
発足当初は新谷氏が監督でしたが、現在は出口氏が監督を務め、新谷氏はチーム代表として掲載されています。
関東女子硬式野球連盟の公式チーム紹介に基づく関係者と役割は以下のとおりです。
出口彩香監督とはどのような人物?
女子野球日本代表経験者・指導者
埼玉西武ライオンズ・レディースの選手として発足時から名前が挙がり、その後、チームを率いる立場になりました。
出口監督の注目すべき実績は、チームの指導だけにとどまりません。
2026年の侍ジャパン女子日本代表では、コーチングスタッフにも選出されています。
これは、同チームの指導者が国内女子野球の代表強化にも携わっていることを示す動きです。
新谷氏がチームの代表として組織を支え、出口氏が現場の指揮を執るという体制は、発足時からの継続性と新しい指導体制の両方を反映しています。
【2026年最新】埼玉西武ライオンズ・レディースの選手一覧
公式メンバー欄に掲載されている2026年の選手を、守備位置別に整理しました。
現在の選手構成は、投手7人、捕手3人、内野手10人、外野手7人の計27人です。
投手
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 1 | 望月音羽 |
| 3 | 伊藤優雅 |
| 11 | 館彩花 |
| 13 | 村川祐月 |
| 18 | 里綾実 |
| 45 | 小松圭保 |
| 47 | 成岡妃紗良 |
捕手
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 6 | 山本一花 |
| 10 | 反頭瑚桜 |
| 21 | 英菜々子 |
内野手
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 2 | 中村朱里 |
| 4 | 小坂未羽 |
| 5 | 小櫃莉央 |
| 14 | 有馬雅妃 |
| 16 | 富田彩加 |
| 19 | 千葉愛希 |
| 24 | 三浦帆菜 |
| 35 | 川中もも |
| 55 | 新谷早琴 |
| 84 | 下田芽音 |
外野手
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 7 | 関思音 |
| 8 | 山崎紗綾 |
| 9 | 村田凪佐 |
| 15 | 米谷奈月 |
| 17 | 高田爽矢 |
| 20 | 石垣麻弥乃 |
| 88 | 清水優花 |
選手構成から見えるチームの特徴
選手の最終学歴を見ると、尚美学園大学、平成国際大学、日本大学、札幌国際大学など、女子硬式野球に力を入れる大学の出身者が複数在籍しています。
一方、福知山成美高校や履正社高校など、高校卒業後に加入した選手もいます。
この構成は、大学女子野球から社会人クラブへ進む選手だけでなく、高校卒業後も競技を継続したい選手にとっても選択肢があることを示しています。
また、里綾実選手のように経験豊富な選手と、成岡妃紗良選手や下田芽音選手のような若い世代が同じチームに所属している点も特徴です。
経験と若さを組み合わせた選手構成は、長期的なチームづくりにおいても注目できます。
※選手の所属や背番号は変更される場合があります。試合出場メンバーは公式発表を確認してください。
【試合日程・結果】ヴィーナスリーグと歴代成績を検証
ヴィーナスリーグとは?
埼玉西武ライオンズ・レディースが参加する主要大会の一つが、関東女子硬式野球連盟主催のヴィーナスリーグです。
2026年の主要カテゴリーには、リポビタン杯争奪プレミアヴィーナスリーグがあります。
女子の企業・クラブチームや大学チームなどが参加し、シーズンを通して順位を競います。
リーグ戦の基本的なポイント制度は以下のとおりです。
- 勝利:3ポイント
- 引き分け:1ポイント
- 敗戦:0ポイント
勝ち点が並んだ場合は、直接対決の結果や得失点差などを基準に順位を決めます。
単発のトーナメントとは異なり、シーズンを通して安定した成績を残すことが求められる大会です。
2026年の試合日程・主な結果
2026年度のヴィーナスリーグは、4月11日に開幕しました。
埼玉西武ライオンズ・レディースの試合は、加須市内の球場をはじめ、千葉県や東京都などの球場でも行われています。
公式試合結果と関東女子硬式野球連盟の掲載情報から、主な試合を整理します。
| 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 4月11日 | エイジェック | 3-4で敗戦 |
| 4月12日 | 茨城ゴールデンゴールズ | 9-1で勝利 |
| 4月18日 | ZENKO BEAMS | 5-0で勝利 |
| 4月19日 | ゴールドジム | 15-0で勝利 |
| 4月29日 | 日本大学 | 14-0で勝利 |
| 5月4日 | ゴールドジム | 10-2で勝利 |
| 6月20日 | 秀明大学 | 2-0で勝利 |
| 10月31日 | ZENKO BEAMS | 7-2で勝利 |
特に注目したいのが、10月31日のZENKO BEAMS戦です。
関東女子硬式野球連盟の公式試合結果では、ZENKO BEAMSが2点、埼玉西武ライオンズ・レディースが7点を記録しています。
強豪チームとの対戦で5点差をつけたことは、シーズン終盤の注目結果です。
2026年のKAZOきずなカップで優勝
もう一つの注目実績が、5月2日から5日まで開催された「女子野球タウン加須市長杯 第2回KAZOきずなカップ」です。
大会には企業・クラブ、大学、高校から計24チームが参加しました。
会場は以下の3か所です。
- 加須きずなスタジアム
- 田ヶ谷サン・スポーツランド野球場
- 大利根運動公園野球場
関東女子硬式野球連盟の大会成績では、埼玉西武ライオンズ・レディースが優勝。準優勝はエイジェック、3位は平成国際大学と新潟医療福祉大学でした。
地元加須市で開催される大会を制したことは、チームにとって競技面でも地域との関係という面でも大きな成果です。
2023年・2024年の歴代成績
過去のプレミアヴィーナスリーグでも、同チームは上位争いに加わっています。
| 年度 | リポビタン杯争奪プレミアヴィーナスリーグの結果 |
|---|---|
| 2023年 | 3位 |
| 2024年 | 2位・28勝5敗 |
| 2025年 | 優勝は読売ジャイアンツ、準優勝はZENKO BEAMS、3位はエイジェック |
| 2026年 | シーズン進行中。最終順位は未確定 |
2023年はエイジェックが優勝、読売ジャイアンツが準優勝、埼玉西武ライオンズ・レディースが3位でした。
2024年には28勝5敗、勝ち点84を記録して2位に浮上しています。優勝したZENKO BEAMSとは勝ち点4の差でした。
2025年の大会では上位3チームに入っていません。2026年はKAZOきずなカップで優勝し、10月31日にはZENKO BEAMSにも勝利しています。
こうした結果を並べると、同チームは一時的な話題性だけでなく、継続して上位を狙う競技力を備えたクラブであることが分かります。
2026年11月以降の予定は?
2026年11月3日時点で、関東女子硬式野球連盟が公表している今後の主な予定には、次の大会関連行事があります。
- 11月21日:加須きずなスタジアムでU16チャレンジの決勝戦などを開催。
- 11月28日:加須きずなスタジアムでオールスターゲームとリポビタン杯・アスパト杯の閉会式。
- 11月29日:同球場でオールスターゲームと他カテゴリーの閉会式。
これらはリーグ全体の予定であり、すべてが埼玉西武ライオンズ・レディースの公式戦という意味ではありません。
同チームの次の公式戦やオールスター出場者については、選手選考・日程変更を含めた最新の公式発表を確認する必要があります。
【2026年の活動と評判】侍ジャパン選出が示すチームの実力
埼玉西武ライオンズ・レディースの2026年を語るうえで見逃せないのが、侍ジャパン女子日本代表への選手選出です。
侍ジャパン女子代表に2選手が選出
捕手
2026年の侍ジャパン女子日本代表に選出。捕手として代表メンバーに名を連ねました。
外野手
2026年の侍ジャパン女子日本代表に選出。チームを代表する選手の一人です。
さらに、出口彩香監督も女子日本代表のコーチングスタッフに選出されました。
2026年8月には台湾・台南で女子野球ワールドカップのグループステージが開催されており、同チームから選手と指導者の双方が代表活動に参加したことは、注目すべき実績です。
2026年のチームスローガンは「執念~喰らいつけ~」
チームが2026年に掲げたスローガンは、「執念~喰らいつけ~」です。
公式チーム紹介では、強い執念を持って勝ちにこだわり、挑戦を続けるという方針が示されています。
また、試合だけではなく地域に向けた活動も展開しています。
2026年6月にはJALカードとのコラボレーションによる応援ハリセンの無料配布を告知。地域イベントや野球教室などにも選手・スタッフが参加しています。
こうした取り組みは、女子野球を知るきっかけを増やし、子どもたちが将来の競技継続を考える際のモデルにもなります。
現在の評判をどう評価すべきか
同チームの評判を考える際には、次の3点が客観的な判断材料になります。
1. 競技実績
2023年のプレミアヴィーナスリーグ3位、2024年の同リーグ2位、2026年KAZOきずなカップ優勝など、上位進出の実績があります。
2. 選手育成と代表への貢献
2026年には英菜々子選手、村田凪佐選手が侍ジャパン女子日本代表に選出され、出口監督も代表コーチを務めました。チーム内で培われた競技力や指導経験が、代表レベルにもつながっています。
3. 地域との結びつき
加須市を本拠地とし、地元の球場で大会を開催するだけでなく、野球普及活動にも取り組んでいます。
SNS上の個別の感想だけで人気を判断するよりも、こうした競技実績、代表選出、地域活動を合わせて評価する方が、チームの現在地を正確に把握できます。
【入団セレクション】2027年度のトライアウトと応募条件
埼玉西武ライオンズ・レディースへの入団を希望する選手にとって重要なのが、公式トライアウトです。
2026年には、2027年度加入を目指す選手向けに2回のトライアウトが告知されました。
2027年度トライアウトの実施内容
公式発表によると、募集は次の2回に分けて実施されました。
| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| 対象 | クラブ連盟非加盟の選手 | 18歳以上 |
| 高校生 | 2027年3月卒業予定者 | 2027年3月卒業予定者 |
| 実施日 | 2026年9月5日 | 2026年11月7日 |
| 予備日 | 9月6日 | 11月8日 |
| 受付状況 | 終了 | 10月30日受付終了 |
第1回は、全日本女子硬式野球クラブ連盟に加盟するクラブチームに所属していない選手が対象でした。
第2回は18歳以上が対象で、既存のクラブチームに所属していた選手については、円満に退団していることが条件として設けられています。
選考内容は、チームの練習日に参加して実技テストを受ける方式です。
また、個人の野球用具一式を持参する必要があり、交通費・昼食費・宿泊費などは各自負担とされています。
2026年11月3日現在、第2回の応募受付は終了していますが、実技選考は11月7日に予定されています。
どのような選手に向いているチームなのか
入団を検討する場合、特に確認したいのは次のポイントです。
- 高校・大学卒業後も女子硬式野球を本格的に続けたい。
- クラブチームで高い競技レベルを目指したい。
- チームの活動拠点である加須市への通いやすさを確保できる。
- 練習や試合に継続的に参加できる。
- チームの方針や選考条件に適合している。
一方、プロ野球の選手契約やNPB所属を希望している場合は、入団の目的とチームの位置付けを区別する必要があります。
同チームは女子硬式野球のクラブチームであり、NPBの男子プロ選手になるための契約制度とは異なります。
入団を考えている選手は、募集年度、応募資格、所属チームの退団条件、練習環境などを公式発表で確認することが大切です。
【埼玉西武ライオンズ・レディースに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:埼玉西武ライオンズ・レディースはプロ野球チームですか?
A1:NPBのプロ野球チームではありません。埼玉西武ライオンズの公認・支援を受けて活動する女子硬式野球クラブチームです。ヴィーナスリーグなどの女子野球大会に参加しています。
Q2:2026年の監督とチーム代表は誰ですか?
A2:監督は出口彩香氏、チーム代表は新谷博氏です。新谷氏は2020年の発足時には初代監督を務めていました。
Q3:埼玉西武ライオンズ・レディースの本拠地はどこですか?
A3:埼玉県加須市です。主な練習場所は加須きずなスタジアムと田ヶ谷サン・スポーツランドです。
Q4:2026年の選手一覧はどこで確認できますか?
A4:チーム公式サイトのメンバー欄で確認できます。投手、捕手、内野手、外野手に分けて選手名と背番号が掲載されています。
Q5:2026年の主な大会実績は何ですか?
A5:5月開催の女子野球タウン加須市長杯第2回KAZOきずなカップで優勝しています。また、10月31日のヴィーナスリーグではZENKO BEAMSに7-2で勝利しました。
Q6:入団するにはどうすればよいですか?
A6:チームが実施するトライアウトに参加する必要があります。2027年度向けの2026年募集は第1回・第2回とも受付終了しています。次年度の募集条件は公式発表を確認してください。
まとめ:埼玉西武ライオンズ・レディースは女子野球の未来を支える存在
埼玉西武ライオンズ・レディースは、プロ球団の公認・支援という強みを持ちながら、女子選手が競技を続けられる環境を提供するクラブチームです。
2020年の発足から、尚美学園大学を活動拠点とした時期を経て、現在は加須市を本拠地として活動しています。
2026年の注目ポイントを整理すると、次のようになります。
- 組織体制:新谷博氏が代表、出口彩香氏が監督。
- 選手構成:投手・捕手・内野手・外野手の計27人。
- 競技活動:リポビタン杯争奪プレミアヴィーナスリーグに参加。
- 大会実績:2026年KAZOきずなカップ優勝。
- 代表活動:英菜々子選手、村田凪佐選手が侍ジャパン女子代表に選出。
- 地域活動:加須市を拠点に女子野球の普及活動を展開。
特に重要なのは、同チームが単にプロ野球の名前を冠した存在ではないということです。
大学卒業後も野球を続けたい選手、高校から次のステージを目指す選手、そして女子野球の指導や普及に携わる人たちにとって、競技をつなぐ役割を果たしています。
2026年は大会優勝や日本代表選出という成果もあり、競技面での存在感が際立ったシーズンになっています。
今後はヴィーナスリーグでの順位争いに加え、若手選手の育成、代表選手の輩出、加須市を中心とする地域活動の広がりにも注目したいところです。
埼玉西武ライオンズ・レディースの価値は、試合の勝敗だけでは測れません。女子選手が野球を続けられる環境を実際に形にしていることこそ、このチームの大きな存在意義です。 (出典: 埼玉 西武 ライオンズ レディース(Yahoo!ニュース))