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2026年11月04日 更新
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日本警察の拳銃は何種類?携帯ルール・発砲条件・歴代モデルと2026年最新制度を徹底解説

目次
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    日本の警察官が携帯する拳銃には、どのような種類があり、どんな状況で使用が認められるのか。街中の交番や警察署、警備活動などで目にする警察官の拳銃は、単なる装備品ではない。市民の生命と安全を守るために携帯され、使用・管理・保管のそれぞれに法律と厳格な内部規範が設けられている。

    2026年11月現在、日本警察の拳銃制度を理解するうえで重要なのが、警察官職務執行法第7条と、昭和37年国家公安委員会規則第7号「警察官等拳銃使用及び取扱い規範」だ。同規範は2025年6月1日にも改正規定が施行されている。拳銃を携帯する原則、威嚇射撃と人に向けた発砲の違い、使用後の報告、訓練や保管の仕組みまで、現行制度を軸に整理する。

    📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

    • 携帯の原則:制服で勤務する警察官は原則として拳銃を携帯するが、職務内容などによる例外もある。
    • 使用の法的根拠:警察官職務執行法第7条が武器使用の基本条件を定め、人に危害を与える使用にはさらに厳しい制限がある。
    • 管理制度:拳銃の使用後には報告義務があり、訓練・保管・点検も国家公安委員会規則によって管理されている。

    【まず知りたい】日本警察の拳銃は何種類?代表的なモデルと特徴

    日本警察拳銃
    【画像】日本 警察 拳銃 関連ショット

    日本警察の拳銃は、全国の警察官に同一のモデルが一律配備されているわけではない。一般的な制服警察官の装備として知られる回転式拳銃に加え、刑事警察や警備部門などでは自動式拳銃も使用されてきた。

    警察官の所属、担当する職務、配備方針などによって装備は異なる。公開されている専門誌の装備解説では、次のような拳銃が日本警察の代表的なモデルとして紹介されている。

    1. ニューナンブM60

    日本警察拳銃
    【写真】日本 警察 拳銃 近影・注目カット

    ニューナンブM60は、日本警察の拳銃を語るうえで欠かせない代表的な回転式拳銃だ。新中央工業によって開発され、1959年から配備が始まったとされる。

    長年にわたって警察官の標準的な装備として知られ、日本製の警察用拳銃を象徴する存在になった。製造は1990年まで続いたと専門誌は伝えている。

    警察官の装備として広く認知されている理由は、長期にわたる運用実績にある。現在の日本警察の拳銃を理解するうえでも、歴史的な基準点となるモデルだ。

    2. S&W M37エアウェイト

    日本警察拳銃
    【資料】日本 警察 拳銃 報道・メディア記録

    スミス&ウェッソン社のM37エアウェイトは、ニューナンブM60などの後継モデルとして1997年ごろから配備が始まったと報じられている。

    海外メーカーの製品を採用することで、警察装備の選択肢が広がった時期を象徴するモデルでもある。

    3. S&W M360J SAKURA

    M360J SAKURA(サクラ)は、2006年から配備が進められたとされる日本警察向けの回転式拳銃だ。

    日本警察の拳銃として知られるモデルの一つであり、ニューナンブM60から続く回転式拳銃の系譜に位置付けられる。

    4. SIG SAUER P230

    SIG SAUER P230は、自動式拳銃の代表例として知られる。専門誌の装備解説では、刑事警察を中心に配備されてきたモデルとして紹介されている。

    制服警察官が携帯する回転式拳銃とは異なり、担当業務に応じた装備の多様化を示す存在だ。

    5. H&K SFP9

    H&K SFP9も、日本警察の装備として紹介されている自動式拳銃の一つだ。専門誌では、警備警察を中心とした装備例として取り上げられている。

    ただし、これらのモデルが2026年現在、全国すべての警察本部で同じ割合で使用されているという意味ではない。警察庁が一般向けに公開している法令と、個別の装備配備情報は別の情報であり、全国一律の最新配備リストとして扱うことはできない。

    モデルの種類を知る際には、歴代の採用例と現在の配備状況を区別することが大切だ。

    参考となる装備史は、専門誌「アームズマガジンWEB」の日本警察の銃器に関する解説でも紹介されている。

    【歴代モデルを整理】日本警察の拳銃はどのように変わってきたのか

    日本警察の拳銃の歴史は、警察組織の再編や社会情勢、犯罪への対応、装備の近代化とともに変化してきた。

    特に第二次世界大戦後は、米国から供与された拳銃などが使用され、その後、日本製のニューナンブM60が登場したことで装備の方向性が大きく変わった。

    戦後から現代までの主な変遷

    戦後の警察では、米国から供与されたM1917やS&Wミリタリー&ポリスなどの拳銃が使用された。南部十四年式拳銃やM1911も歴史上の装備例として知られている。

    その後、一般警察官の拳銃として回転式拳銃が主流となり、ニューナンブM60の開発と配備が進んだ。

    • 戦後:米国から供与された拳銃などを使用。
    • 1959年:ニューナンブM60の配備が始まる。
    • 1990年:ニューナンブM60の生産が終了したとされる。
    • 1997年:S&W M37エアウェイトの配備が始まったと報じられる。
    • 2006年:S&W M360J SAKURAの配備が始まったとされる。
    • 2026年:回転式拳銃を中心とする一般警察官の装備に加え、職務に応じた自動式拳銃などの存在も公開情報から確認できる。

    この歴史から分かるのは、日本警察の拳銃が単純に古いモデルから新しいモデルへ置き換わったわけではないという点だ。一般警察官の装備と、特定の任務を担当する警察官の装備は、異なる目的に沿って運用されている。

    また、拳銃のモデルが変更されても、使用の法的条件がモデルごとに自由に変わるわけではない。警察官の拳銃使用には、共通する法令上の枠組みが存在する。

    【制度の全体像】警察官職務執行法第7条と国家公安委員会規則第7号の関係

    日本警察の拳銃制度を理解するためには、二つの法令を区別する必要がある。

    一つは、警察官が職務上どのような場合に武器を使用できるかを定める法律。もう一つは、拳銃の取り扱い、携帯、訓練、保管、報告などを具体化した国家公安委員会規則だ。

    警察官職務執行法第7条が定める基本原則

    警察官職務執行法第7条は、警察官による武器使用の基本的な法的根拠である。

    同条によれば、警察官は次のような目的で必要があると認められる相当な理由がある場合、事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用できる。

    • 犯人の逮捕
    • 犯人の逃走防止
    • 警察官自身や他人の防護
    • 公務執行に対する抵抗の抑止

    ただし、武器を使用できることと、人に危害を与えてよいことは同じではない。

    同条ただし書では、原則として人に危害を与えてはならないと定め、正当防衛や緊急避難に該当する場合、さらに一定の重大犯罪に関する厳格な条件を満たす場合などを例外としている。

    重大犯罪に関する例外では、対象者が該当する犯罪を現に犯している、または犯したと疑うに足りる十分な理由があり、警察官の職務執行に抵抗したり逃亡しようとしたりする状況で、ほかに手段がないと信じる相当な理由が求められる。

    逮捕状などに基づく逮捕や勾留状等の執行に際して抵抗・逃亡が生じた場合にも、同様に他の手段がないことが条件となる。

    つまり、単に相手が逃げた、警察官の指示に従わなかった、という理由だけで自由に拳銃を発砲できる制度ではない。

    この点は、警察官の武器使用を理解するうえで最も重要な原則だ。

    国家公安委員会規則第7号の役割

    もう一つの重要な法令が、1962年に制定された「警察官等拳銃使用及び取扱い規範」だ。

    正式には昭和37年国家公安委員会規則第7号であり、警察官と皇宮護衛官が拳銃を適正かつ的確に使用・管理するための具体的なルールを定めている。

    規範は、使用、携帯、訓練、保管、手入れ、検査など、拳銃に関する業務全体を対象としている。

    主要な制度と関係機関の相関表

    エンティティ・制度法令上の役割関連する運用
    警察官職務執行法第7条武器使用の基本条件を規定逮捕、防護、抵抗抑止など
    国家公安委員会規則第7号拳銃の使用・取扱いの具体的基準を規定携帯、予告、威嚇射撃、報告、保管
    国家公安委員会拳銃規範を規則として制定全国共通の制度的枠組み
    警察庁・都道府県警察所属する警察官の管理・監督訓練責任者や管理責任者の指定
    所属長・管理責任者現場の拳銃管理と報告体制を担う使用報告、保管、点検など
    皇宮警察本部・皇宮護衛官拳銃規範の適用対象皇室関係施設などの警護に伴う携帯・管理

    この関係を整理すると、警察官職務執行法第7条が武器使用の大枠を決め、国家公安委員会規則第7号が拳銃の具体的な取り扱いを定める構造になっている。

    したがって、拳銃を携帯している警察官の行動は、現場の判断だけで完結するものではない。法律、規則、組織内の管理責任が重なり合う制度によって統制されている。

    根拠資料は、e-Gov法令検索に掲載された警察官職務執行法および警察官等拳銃使用及び取扱い規範で確認できる。

    【携帯・使用基準】警察官はいつ拳銃を携帯し、いつ使用できるのか

    警察官の拳銃携帯については、規範第11条と第12条が重要になる。

    制服勤務では原則として携帯する

    規範第11条第1項では、警察官が制服を着用して勤務するときは、原則として拳銃を携帯するものと定めている。

    交番で勤務する警察官や、街頭で警察活動に従事する警察官が拳銃を携帯しているのは、この規定が基本になっているためだ。

    ただし、制服勤務なら例外なく全員が常に携帯するというわけではない。規範には、次のような例外が列挙されている。

    • 室内で勤務するとき。ただし、交番や駐在所などで公衆から見える場所に勤務するときは除く。
    • 会議や事務打ち合わせに出席するとき。
    • 儀式に出席するとき。
    • 音楽隊員が演奏に従事するとき。
    • 留置施設で看守勤務に従事するとき。
    • 交通整理、交通取り締まり、交通事故処理などに従事するとき。
    • 災害応急対策のための活動に従事するとき。
    • 雑踏警備などで、拳銃携帯が職務遂行上特に支障になると所属長が認めるとき。
    • その他、所轄庁の長が携帯を不適当と認めるとき。

    このように、拳銃携帯は制服勤務の原則でありながら、職務の安全性や現場環境に応じて調整される。

    私服勤務の警察官も携帯する場合がある

    規範第11条第2項では、特殊な被服や私服で勤務する場合でも、拳銃を使用する可能性がある職務に従事するときは携帯するものと定めている。

    刑事警察など、制服を着用しない警察官がすべて拳銃を携帯しないという理解は正しくない。職務の性質によっては、私服勤務でも携帯が必要になる。

    拳銃の携帯方法にも規定がある

    規範第12条は携帯方法を定めている。

    制服や特殊な被服を着用する場合は、原則として拳銃入れに収納して帯革に装着する。職務の性質上、特に必要がある場合には、所属長の指示による別の方法も認められる。

    私服の場合には、拳銃が目立たないように携帯することが規定されている。ただし、職務の執行において拳銃の使用が予想されることが前提だ。

    拳銃を構えることと発砲することは別の判断

    規範第5条は、警察官職務執行法第7条本文に該当する状況で、相手に向けて拳銃を構えることを認めている。

    しかし、拳銃を構えることが認められたからといって、そのまま発砲が認められるわけではない。

    さらに規範第6条では、発砲しようとするときには、原則として相手に発砲することを予告すると定めている。

    ただし、事態が急迫して予告する時間がない場合や、予告によって相手の違法行為などを誘発するおそれがある場合は例外となる。

    拳銃の携帯、構えること、発砲することは、それぞれ異なる法的判断に基づく行為なのだ。

    【威嚇射撃と発砲】警察官の拳銃使用条件はどこまで認められる?

    拳銃使用に関して、特に誤解されやすいのが威嚇射撃の位置付けだ。

    映画やドラマでは、警察官が犯人の頭上に向けて発砲し、相手を制止する場面が描かれる。しかし、現実の日本警察では、威嚇射撃にも明確な条件がある。

    威嚇射撃は常に必要な手順ではない

    規範第7条は、警察官職務執行法第7条本文に該当する状況において、次のような場合に威嚇射撃を認めている。

    • 多数の相手を対象としている場合。
    • 相手に向けて拳銃を構えても行為を中止しないと認められる場合。
    • 威嚇射撃が相手の行為を制止する手段として適当と認められる場合。

    規範は、威嚇射撃を行う場合、人に危害を与えたり物的損害を生じさせたりしないように配慮し、回数も必要最小限にとどめることを求めている。

    また、重要なのは、威嚇射撃が必ず先に行われなければならないわけではないという点だ。

    事態が急迫している場合、威嚇射撃をしても相手が行為を中止しないと判断される場合、周囲の状況から人への危害や損害のおそれがある場合には、威嚇射撃を先行させる必要はない。

    つまり、威嚇射撃は発砲に必ず付随する義務的な段階ではなく、状況に応じて判断される手段である。

    相手に向けて撃つことができる条件

    規範第8条は、警察官職務執行法第7条ただし書に規定する場合に、相手に向けて拳銃を撃つことができると定めている。

    中心となるのは、正当防衛や緊急避難に該当する場合、または法律が定める重大犯罪に関する厳格な条件を満たす場合だ。

    このときも、相手以外の人に危害を及ぼさないよう、事態の急迫性や周囲の状況などに応じた注意が必要とされる。

    さらに、威嚇射撃をする時間がない場合や、威嚇射撃をしても相手が行為を中止しないと認められる場合には、先に威嚇射撃をする必要はない。

    2025年6月の改正で何が変わったのか

    2025年6月1日に施行された改正は、現行制度を理解するうえで押さえておきたいポイントだ。

    この改正は、刑法等の一部改正に伴い、従来の懲役・禁錮という刑罰の区分が拘禁刑へ移行したことに対応する法令整備の一環である。

    国家公安委員会規則第10号として2025年5月26日に公布され、刑法改正法の施行日に合わせて6月1日から適用された。

    拳銃規範では、第2条第2項の重大犯罪に関する例示などにおける刑罰の表記が、従来の懲役・禁錮から拘禁刑に対応する形へ整理された。

    ここで注意したいのは、2025年6月の改正を、警察官の発砲条件を全面的に緩和した改正と捉えるのは正確ではないという点だ。改正の中心は刑法改正に伴う用語・法令上の整合性であり、警察官職務執行法第7条の基本的な武器使用原則そのものが新設されたわけではない。

    e-Gov法令検索の改正履歴と、e-Govパブリック・コメントに掲載された国家公安委員会規則の改正資料から、この経緯を確認できる。

    【発砲後の手続き】拳銃使用時の報告義務と警察庁の管理制度

    拳銃の使用は、発砲した瞬間に手続きが終わるものではない。規範第10条は、拳銃を撃った警察官に対し、所属長への報告を義務付けている。

    発砲した場合は直ちに報告する

    規範第10条では、警察官が拳銃を撃った場合、盲発した場合も含めて、直ちに所定の事項を所属長へ報告しなければならないと定めている。

    報告の対象となるのは、主に次の事項だ。

    • 拳銃を使用した日時と場所。
    • 使用した警察官の所属、官職、氏名。
    • 人に危害を与えた場合の危害の内容と程度。
    • 拳銃を使用した理由と状況。
    • 事案に対して行った処置。
    • 使用した拳銃に関する参考事項。

    人に危害を与えていない場合にも、使用日時・場所、使用者、使用理由・状況に関する報告が必要になる。

    ただし、訓練の場合はこの報告規定の例外となる。

    また、所属長は報告を受けた後、所轄庁の長へ報告する。人に危害を与えた事案については、警察庁長官への報告につながる仕組みも定められている。

    これは、拳銃の使用を個々の警察官の判断だけに委ねず、組織として状況を把握し、適正な使用だったかを確認するための制度である。

    拳銃の管理責任者と取扱責任者

    規範第17条と第18条は、拳銃や弾薬などの管理責任者、取扱責任者について定めている。

    所轄庁の長は、所属する警察官の中から管理責任者を指定する。管理責任者は、担当する部署の拳銃等の管理と監督を担う。

    さらに、管理責任者は取扱責任者を指定し、日常的な保管や授受などの実務を管理させる。

    このように、拳銃は貸与された警察官だけが単独で管理するものではなく、組織的な責任体制のもとに置かれている。

    個人の保管責任と返納制度

    規範第19条では、警察官は貸与された拳銃等の保管責任を負うと定められている。

    携帯しない場合には、取扱責任者に保管を依頼することもできる。取扱責任者側にも、保管の依頼を受けた際に慎重な授受と異常の有無の確認を行う義務がある。

    また、離職、他の所轄庁への転任や配置換え、休職などの場合には、規範第20条に基づき拳銃等を返納しなければならない。

    第21条では、拳銃の放置、盗難、遺失、奪取を防ぐための注意義務も規定されている。

    このほか、拳銃の記録票、亡失・損傷時の報告、亡失時の処置などについても、規範第22条から第25条に定められている。

    拳銃の管理は、単に保管場所を決めるだけではなく、貸与から返納、異常発生時の報告までを含む一連の制度として設計されている。

    【訓練・皇宮護衛官】2026年の日本警察における拳銃運用実態

    拳銃を安全かつ適正に取り扱うためには、日頃の訓練と管理が欠かせない。

    日本警察の拳銃制度では、訓練、保管、手入れ、検査までを一体的に規定している。また、一般の警察官だけでなく、皇宮護衛官にも関連規定が適用される。

    拳銃訓練は規範上の義務

    規範第15条では、所轄庁の長は、拳銃の適正かつ的確な使用・取扱いを図るため、所属する警察官の拳銃訓練を行わなければならないと定めている。

    また、第16条では訓練責任者を指定し、担当部署における訓練の実施責任を負わせる仕組みになっている。

    ここで重要なのは、拳銃訓練が単なる個人の技能向上にとどまらない点だ。組織として訓練を実施し、責任者を置くことで、使用基準や安全管理の徹底を図っている。

    なお、規範本文からは、すべての警察官について全国一律の具体的な年間訓練回数までは読み取れない。訓練の実施義務と、実際の訓練スケジュールは区別して理解する必要がある。

    保管・手入れ・検査の仕組み

    拳銃規範は、第17条から第25条までを保管に関する規定、第26条から第29条までを手入れと検査に関する規定として構成している。

    第26条では手入れの種類を定め、第27条では通常の手入れ、第28条では精密な手入れ、第29条では拳銃等の検査を規定している。

    さらに、携帯中の拳銃についても、日常的な手入れを行うことが求められている。使用した場合や雨雪にさらされた場合などについても、適切な手入れが必要とされる。

    保管中の拳銃については、管理責任者や取扱責任者が関与する仕組みが設けられ、紛失や盗難を防ぐことが重視されている。

    皇宮護衛官も拳銃規範の対象

    日本警察の拳銃制度を語る際に忘れてはならないのが、皇宮護衛官の存在だ。

    皇宮護衛官は皇宮警察本部に所属し、皇居や御所など皇室関係施設の警備・護衛を担当する警察職員である。

    規範第1条は警察官と皇宮護衛官の双方を対象としており、第3条では第2章から第6章までの規定を皇宮護衛官の拳銃使用・取扱いにも準用すると定めている。

    そのため、皇宮護衛官についても、拳銃の使用条件、携帯、訓練、保管、手入れ、検査に関する基本的な制度が適用される。

    ただし、皇宮護衛官の具体的な警護配置や個別の装備内容については、一般警察官の制度と同じ情報公開の範囲で一律に判断することはできない。

    2026年の運用実態をどう理解するべきか

    2026年時点の日本警察の拳銃運用を理解するには、法律上の基準と、実際の装備配備を分けて考えることが重要だ。

    法令面では、警察官職務執行法第7条と国家公安委員会規則第7号による全国共通の枠組みが存在する。一方、拳銃のモデルや所属ごとの装備の詳細については、一般向けに公開されている情報だけで全国の状況を完全に把握することは難しい。

    警察庁が公表する2026年版警察白書の統計資料には、2025年の銃砲使用事件の検挙状況など、銃器犯罪に関するデータが掲載されている。ただし、こうした数字は犯罪における銃器使用の統計であり、警察官自身による拳銃使用件数とは別の指標だ。

    銃器犯罪の発生状況と警察官の発砲件数を混同すると、日本警察の拳銃運用実態を誤って理解することになる。

    実際の運用を評価する際には、拳銃の配備モデルだけではなく、使用基準、報告義務、訓練体制、管理責任がどのように組み合わされているかを見る必要がある。

    【プロの結論】日本警察の拳銃制度で押さえるべき5つの判断基準

    日本警察の拳銃制度を読み解くと、単純な装備の新旧比較では分からない、制度上の特徴が浮かび上がる。

    特に重要なのは、次の5点だ。

    • 携帯と使用は別問題:拳銃を携帯していることは、自由に使用できる権限を意味しない。
    • 武器使用には必要性と合理性が必要:警察官職務執行法第7条の原則が、使用判断の基礎となる。
    • 威嚇射撃は必須ではない:状況によっては、威嚇射撃を先行させずに対応できる場合がある。
    • 発砲後にも組織的な責任がある:直ちに報告し、所属長から上位組織へ情報が伝達される。
    • 訓練・保管・検査も制度の一部:拳銃の適正使用は、現場での判断だけでなく日常の管理体制によって支えられている。

    また、2025年6月の法令改正をめぐっては、拘禁刑への移行に伴う規定の整理と、拳銃使用基準そのものの変更を混同しないことが大切だ。

    日本警察の拳銃制度は、警察官に必要な装備を持たせる一方、その使用を法律と組織的な管理によって制限する仕組みである。

    拳銃の種類を知ることは装備の歴史を理解する入口になる。しかし、制度の本質を理解するためには、警察官職務執行法第7条、国家公安委員会規則第7号、報告・保管・訓練の各制度を一体として捉える必要がある。

    【日本警察の拳銃】に関するよくある質問(FAQ)

    Q1:日本の警察官が持っている拳銃は何ですか?
    A1:一般警察官の代表的な装備として、ニューナンブM60やS&W M37、M360J SAKURAなどの回転式拳銃が知られています。また、刑事警察や警備部門などではSIG SAUER P230やH&K SFP9などの自動式拳銃も公開情報で紹介されています。

    Q2:警察官は勤務中いつも拳銃を携帯していますか?
    A2:制服勤務では原則として携帯します。ただし、室内勤務、会議、儀式、交通業務、災害応急対策など、規範第11条に定められた例外があります。

    Q3:警察官は逃げる犯人に拳銃を撃てますか?
    A3:逃走したという事実だけで発砲が認められるわけではありません。警察官職務執行法第7条に定める必要性や合理性が求められ、人に危害を与える使用にはさらに厳しい条件があります。

    Q4:警察官は必ず威嚇射撃をしてから発砲するのですか?
    A4:必ずしもそうではありません。事態が急迫している場合や、威嚇射撃が効果を持たないと判断される場合、周囲に危害を与えるおそれがある場合には、威嚇射撃を先行させる必要はありません。

    Q5:警察官が拳銃を発砲した場合、報告は必要ですか?
    A5:必要です。規範第10条により、訓練の場合を除き、拳銃を撃ったときや盲発したときには、直ちに所属長へ報告しなければなりません。

    Q6:皇宮護衛官も拳銃を携帯しますか?
    A6:皇宮護衛官も拳銃規範の適用対象です。規範第1条と第3条によって、拳銃の使用、携帯、訓練、保管などの基本的な規定が適用されます。

    Q7:2025年6月の改正で警察官の発砲条件は変わりましたか?
    A7:2025年6月1日の改正は、主として刑法改正に伴う拘禁刑への用語・規定の整理です。警察官職務執行法第7条の基本的な武器使用原則が、この改正によって全面的に緩和されたわけではありません。

    まとめ:日本警察の拳銃は法律・訓練・管理の三本柱で運用される

    日本警察の拳銃は、ニューナンブM60やM360J SAKURAなどの歴代モデルに代表されるように、時代とともに装備が変化してきた。一方、拳銃を携帯・使用するための基本的な制度は、法律と国家公安委員会規則によって統制されている。

    2026年11月現在、最も重要な法的根拠は警察官職務執行法第7条であり、具体的な取り扱いを定めるのが昭和37年国家公安委員会規則第7号「警察官等拳銃使用及び取扱い規範」だ。

    制服勤務における携帯の原則と例外、威嚇射撃の条件、発砲前の予告、使用後の報告、訓練と保管まで、制度は多方面にわたっている。

    2025年6月1日の改正も含め、最新情報を確認する際には、警察官職務執行法と現行の拳銃規範を基準にすることが重要だ。拳銃のモデルだけに注目するのではなく、使用を制限する法律と、適正な運用を支える管理制度まで理解することが、日本警察の拳銃を正しく知るための判断基準となる。

    主な公的資料:警察庁、e-Gov法令検索、e-Govパブリック・コメント、令和8年警察白書。拳銃の歴代モデルについては、アームズマガジンWEBの装備解説を参考資料としている。 (出典: 日本 警察 拳銃(Yahoo!ニュース))

    田中 葵 (Aoi Tanaka)
    田中 葵 (Aoi Tanaka) トレンドリサーチャー

    最新のトレンドや話題のニュースをわかりやすく解説するWebライターです。読者の皆様に役立つ情報を日々お届けしています。