今回のメンバーは、GK3人、DF7人、MF10人、FW3人の合計23人です。JFAが9月22日に公表した招集時点の背番号と所属クラブをまとめました。
注目すべきは、23人中22人が海外クラブに所属していることです。国内クラブから選ばれたのは、三菱重工浦和レッズレディースの高橋はな選手のみでした。以下は追加招集や負傷離脱が発生する前の、当初発表された23人の一覧です。
GK(ゴールキーパー)3人
| 背番号 | 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|---|
| 1 | 山下杏也加 | マンチェスター・シティ(イングランド) |
| 12 | 松本真未子 | マインツ05(ドイツ) |
| 23 | 大熊茜 | アストン・ビラ(イングランド) |
GKの中心として注目されるのは、マンチェスター・シティ所属の山下杏也加です。国際経験を持つ守護神として、強豪国との試合での対応力が期待されます。
松本真未子は、2017年以来の代表メンバー入りを果たした選手です。ただし、後述するように、遠征前の負傷によって不参加となりました。
DF(ディフェンダー)7人
| 背番号 | 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|---|
| 4 | 守屋都弥 | ユタ・ロイヤルズ(アメリカ) |
| 13 | 北川ひかる | エバートン(イングランド) |
| 5 | 高橋はな | 三菱重工浦和レッズレディース |
| 16 | 山本柚月 | デンバー・サミットFC(アメリカ) |
| 2 | 石川璃音 | エバートン(イングランド) |
| 21 | 白垣うの | ノースカロライナ・カレッジ(アメリカ) |
| 6 | 古賀塔子 | トッテナム・ホットスパー(イングランド) |
DF陣はイングランド、アメリカ、日本のクラブに所属する選手で構成されています。
特に注目したいのが、エバートン所属の北川ひかると石川璃音です。同じクラブでプレーする選手が代表でも連係を深められるかは、守備組織を考えるうえで興味深いポイントです。
また、高橋はなは今回の23人で唯一の国内クラブ所属選手。海外組が大半を占めるチームにおいて、国内リーグで培った経験をどう生かすかにも注目が集まります。
MF(ミッドフィルダー)10人
| 背番号 | 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|---|
| 8 | 清家貴子 | ブライトン(イングランド) |
| 14 | 長谷川唯 | マンチェスター・シティ(イングランド) |
| 20 | 三浦成美 | ユタ・ロイヤルズ(アメリカ) |
| 18 | 林穂之香 | エバートン(イングランド) |
| 10 | 長野風花 | リバプールFC(イングランド) |
| 22 | 千葉玲海菜 | ユベントス(イタリア) |
| 7 | 宮澤ひなた | マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) |
| 15 | 藤野あおば | マンチェスター・シティ(イングランド) |
| 17 | 浜野まいか | チェルシー(イングランド) |
| 19 | 谷川萌々子 | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) |
MFは今回のチームで最も人数が多いポジションです。長谷川唯、長野風花、谷川萌々子という異なる特徴を持つ選手がそろっている点が大きな魅力です。
長谷川唯はマンチェスター・シティでプレーする日本代表の中盤の中心選手。ボールを保持しながら相手の守備を動かし、攻撃の起点を作る役割が期待されます。
長野風花はリバプールFC所属。中盤の底からパスを配給し、攻守のバランスを整える役割に注目です。
一方、バイエルン・ミュンヘンの谷川萌々子は、攻撃面で違いを生み出せる選手です。中盤から前線へ飛び出す動きや、ゴール前での判断力が武器になります。
FW(フォワード)3人
| 背番号 | 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|---|
| 11 | 田中美南 | ユタ・ロイヤルズ(アメリカ) |
| 9 | 植木理子 | ウェストハム・ユナイテッド(イングランド) |
| 24 | 島田芽依 | ヴェルダー・ブレーメン(ドイツ) |
FWでは、田中美南と植木理子に加え、島田芽依が初めてA代表に選ばれました。
前線の人数は3人ですが、MF登録の選手にも攻撃的な役割を担える選手が多く、試合展開に応じて前線の組み合わせを変更できる構成です。
なお、背番号と所属クラブは9月22日の当初発表に基づいています。遠征前後の変更を反映した最終的な登録状況とは異なるため、次の選考経緯も確認してください。
【選考の注目点】島田芽依・松本真未子・海外組の関係を整理
今回の選考を理解するうえで重要なのは、単純に23人の名前を覚えることではありません。初招集の島田芽依、代表復帰を果たした松本真未子、そして欧州の強豪クラブでプレーする主力選手が、チーム内でどのような役割を担うのかという点です。
それぞれの選手の立場と、今回の代表活動での意味を整理します。
島田芽依が初招集された理由は?
島田芽依の選出は、今回のメンバー発表における最大のトピックの一つです。
所属先はドイツのヴェルダー・ブレーメン。JFAの発表によると、狩野倫久監督は島田について、前線でターゲットを張れる力強さを以前から評価していました。
「前線でのフィニッシャーとしての役割を担ってほしい」
このコメントから読み取れるのは、島田に単なる若手枠としての経験を積ませるだけでなく、得点に直結する仕事を期待していることです。
日本の女子サッカーは、細かなパス交換や連動したポジショニングを武器にしてきました。一方、世界の強豪と対戦する場合には、相手DFを背負ってボールを収める力や、ゴール前で競り合う強さも必要になります。
島田の起用は、こうした攻撃の選択肢を増やす狙いとも結びつきます。長谷川や谷川らが作ったチャンスを、前線で確実に得点へつなげられるかが今後の評価ポイントです。
松本真未子の代表復帰はなぜ注目された?
松本真未子は、マインツ05に所属するGKです。今回の23人に選ばれたことで、2017年以来となる代表メンバー入りを果たしました。
長期間にわたって代表から離れていた選手が再び招集されたことは、GKの選考に新たな選択肢が加わったという意味でも注目されます。
ただし、遠征への参加については重要な変更がありました。JFAは2026年9月29日、松本が負傷のため不参加となったことを発表。10月3日には、代わるGKとしてスコットランドのレンジャーズFCに所属する大場朱羽が追加招集されました。
つまり、松本は当初の23人に選ばれたものの、実際の欧州遠征には参加していません。「代表復帰を果たした」という選考上の事実と「遠征に参加した」という事実は分けて理解する必要があります。
【狩野倫久監督の選考方針】海外組22人を招集した狙いとは
今回の23人のうち22人が海外クラブ所属という構成は、2026年のなでしこジャパンを象徴する特徴です。
イングランドの女子スーパーリーグを中心に、アメリカ、ドイツ、イタリア、スコットランドなど、異なるサッカー文化の中でプレーする選手が集まりました。
長谷川唯と長野風花が担う中盤の軸
マンチェスター・シティの長谷川唯とリバプールFCの長野風花は、今回のチームを考えるうえで欠かせない存在です。
長谷川は相手のプレスをかわしながら前線へボールを運ぶ技術に優れ、長野は中盤の底から攻守をつなぐ役割を担います。
2人が同時に出場する場合、相手の守備配置に応じてポジションを入れ替えたり、前後の距離を調整したりすることで、攻撃の形を変えられます。
さらに、谷川萌々子や宮澤ひなた、藤野あおば、浜野まいかといった攻撃的な選手が加わることで、中盤から前線への選択肢が増えます。
狩野監督が重視する「ダイナミック」と「アグレッシブ」
JFAの発表資料によると、狩野監督は6月の南アフリカとの試合で、ダイナミックでアグレッシブなサッカーという基本コンセプトを選手と共有していました。
今回の欧州遠征では、その大きな方向性を実際の試合でさらに具体化することがテーマでした。
特に重要なのは、相手によって攻守の方法を変えられるかどうかです。ハイチのように身体能力と推進力を生かして前から圧力をかけるチームと、ドイツのように組織力やフィジカルを備えた強豪では、求められる対応が異なります。
狩野監督が目指すのは、単にボールを保持するチームではなく、相手の特徴を読み、攻撃と守備の細部まで調整できるチームです。
また、今回の遠征では石井正忠コーチとテクニカルスタッフの太田圭輔氏が新たに加わりました。経験豊富な指導スタッフを組み合わせ、戦術面と分析面の強化を進める体制も整えられています。
アジア競技大会のメンバーとは別編成だった
今回の欧州遠征を理解するうえで、見落とされがちなのが2026年9月の第20回アジア競技大会との関係です。
JFAは欧州遠征メンバーを発表した際、アジア競技大会に参加するメンバーは今回の23人に含めていないと説明しました。
狩野監督は、アジア競技大会でタフに戦い、欧州遠征のメンバーに匹敵する力を示した選手がいれば、追加招集の可能性もあると話しています。
この方針は、海外組だけを固定メンバーとして扱うのではなく、国内のWEリーグでプレーする選手にも代表入りの機会を残す考え方です。
実際、今回の選考では海外組22人という構成になりましたが、国内でプレーする選手の評価を打ち切ったわけではありません。代表の競争力を維持するためには、異なる環境でプレーする選手を継続的に比較することが重要です。
【欧州遠征の結果】ハイチ女子代表戦とドイツ女子代表戦を振り返る
2026年10月の欧州遠征では、ハイチ女子代表とドイツ女子代表の2試合が行われました。結果は1勝1敗。異なる特徴を持つ相手との対戦は、チームの現在地を測る機会となりました。
10月9日・ハイチ女子代表戦は5対1で勝利
ハイチ女子代表 1-5 日本
2026年10月9日/フランス・サン=トゥアン
日本は4-3-3のシステムで試合に入りました。得点者は次の5人です。
- 26分:清家貴子
- 33分:浜野まいか
- 38分:長谷川唯
- 57分:千葉玲海菜
- 82分:土方麻椰
前半に3得点を挙げた日本は、後半にも2点を追加。初対戦となったハイチを5対1で下しました。
この試合で注目したいのは、清家、浜野、長谷川という異なるタイプの選手が得点を記録したことです。中盤での連係からゴールを生み出すだけでなく、サイドや前線の選手がフィニッシュに絡めることを示しました。
また、途中出場の千葉と土方も得点。選手交代によって攻撃の勢いを維持できたことも収穫です。
10月13日・ドイツ女子代表戦は1対2で敗戦
ドイツ女子代表 2-1 日本
2026年10月13日/ドイツ・ブレーメン
ドイツ戦では、谷川萌々子が15分に先制ゴールを記録しました。しかし、その後ドイツに2点を奪われ、1対2で敗れています。
ドイツはボールを保持する力に加え、パススピードや空中戦でも強さを見せました。日本は組織的な守備と連係で対抗しましたが、最後までリードを守り切ることはできませんでした。
この試合は、単純な技術力だけでなく、相手のプレッシャーを受けた際の判断、セカンドボールへの反応、試合終盤の守備対応など、世界トップレベルで戦うための課題を浮き彫りにしました。
ハイチ戦の5得点とドイツ戦の敗戦は、対照的な結果です。しかし、強豪との試合で見つかった課題を修正することこそ、代表活動の大きな目的です。
なお、今回の欧州遠征はハイチ戦の勝利とドイツ戦の敗戦で終了し、2試合を通じて1勝1敗となりました。
【歴代メンバーと比較】2011年の世界一から2026年のアジア王者へ
現在のなでしこジャパンを理解するには、過去の代表チームとの比較も欠かせません。
日本女子代表は2011年のFIFA女子ワールドカップで世界一に輝きました。その後、2023年大会では準々決勝に進出。2026年にはAFC女子アジアカップで優勝し、再びアジアの頂点に立っています。
2011年・2023年・2026年の代表の違い
2011年:世界一を達成
澤穂希、宮間あや、大野忍らを中心に、アメリカとの決勝をPK戦で制して初優勝。
2023年:ベスト8
長谷川唯、宮澤ひなたらを擁し、グループステージを全勝・無失点で突破。
2026年:アジア王者
オーストラリアとの決勝を1対0で制し、2大会ぶり3度目の優勝。
2011年大会では、澤穂希や宮間あやを中心に、国内クラブと海外クラブでプレーする選手がチームを構成していました。
2023年大会では、海外でプレーする選手が増え、長谷川唯や長野風花など、現在の代表にもつながる選手たちが重要な役割を担いました。
そして2026年10月の欧州遠征では、当初の23人中22人が海外クラブ所属という構成になっています。
この変化は、女子サッカー選手が海外のプロリーグで経験を積み、その経験を日本代表に持ち帰る流れが定着してきたことを示しています。
ただし、海外組の人数が多ければ自動的に強くなるわけではありません。クラブでの役割や戦術が異なる選手同士を、短期間の代表活動でどう融合させるかが監督の腕の見せどころです。
2026年3月のAFC女子アジアカップでは、日本は決勝でオーストラリアを1対0で下して優勝。2014年、2018年に続く3度目のアジア制覇を達成しました。2027年女子W杯の出場権も、この大会で獲得しています。
【2027年女子ワールドカップ】なでしこジャパンの展望と課題
2027年にブラジルで開催されるFIFA女子ワールドカップは、なでしこジャパンにとって次の大きな目標です。
日本は2026年3月のAFC女子アジアカップで優勝し、すでに本大会出場権を獲得しています。2027年大会は6月24日から7月25日まで開催され、参加国は32チームです。
課題1:ドイツのような強豪に対する対応力
10月のドイツ戦で明らかになったのは、ボールを保持する相手に対して守備をどう整えるかという課題です。
日本は技術力と連係に優れていますが、フィジカルの強い相手から激しいプレッシャーを受けた場合、攻撃の組み立てが難しくなることがあります。
2027年大会では、欧州や南米の強豪との対戦も想定されます。ドイツ戦の経験を生かし、守備から攻撃へ切り替える速度や、相手のプレスを回避する方法を増やす必要があります。
課題2:島田芽依ら新戦力の定着
島田芽依の初招集は、攻撃の選択肢を増やす意味で興味深い選考でした。
今後は島田のような新戦力が、代表の戦術にどれだけ適応できるかが重要になります。既存の主力選手との連係を深め、限られた出場時間でも結果を残せる選手が増えれば、チームの選手層は厚くなります。
また、GKについても山下杏也加、大熊茜、大場朱羽など複数の選手が競争する環境が生まれています。負傷からの復帰を目指す松本真未子を含め、ポジションごとの競争は今後も注目点です。
課題3:ブラジルとの連戦でチームの完成度を高める
11月4日時点でJFAが発表している今後の注目カードが、ブラジル女子代表との国内親善試合です。
第1戦
広島・エディオンピースウイング広島
日本 vs ブラジル
第2戦
岡山・JFE晴れの国スタジアム
日本 vs ブラジル
ブラジルは2027年女子ワールドカップの開催国です。南米の強豪との連戦は、欧州遠征とは異なるスタイルへの対応を確認できる機会になります。
特に注目したいのは、中盤の主導権争いと、相手の個人技に対する守備です。長谷川唯や長野風花が試合をコントロールできるか、谷川萌々子や藤野あおばが攻撃で違いを作れるかが見どころになります。
これらの試合で代表メンバーがどのように組み替えられるかも、2027年大会に向けた選考を考える重要な材料となります。
【サッカー女子日本代表メンバー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月のなでしこジャパンの招集メンバーは誰ですか? A1:JFAが9月22日に発表した当初の23人は、GK3人、DF7人、MF10人、FW3人です。長谷川唯、長野風花、谷川萌々子、島田芽依らが選ばれました。その後、負傷による離脱や追加招集が行われています。
Q2:島田芽依はなぜ女子日本代表に初招集されたのですか? A2:ヴェルダー・ブレーメンでプレーする島田は、前線でターゲットになれる力強さとフィニッシュ能力を評価されました。狩野倫久監督は、前線でフィニッシャーとしての役割を期待していると説明しています。
Q3:松本真未子は代表復帰したのですか? A3:はい。2017年以来となる代表メンバー入りを果たしました。ただし、2026年9月29日に負傷による遠征不参加が発表され、実際の10月欧州遠征には参加していません。
Q4:なでしこジャパンの海外組で特に注目される選手は誰ですか? A4:マンチェスター・シティの長谷川唯、リバプールFCの長野風花、バイエルン・ミュンヘンの谷川萌々子が代表的です。それぞれ中盤の組み立て、攻守のバランス、攻撃面での創造性が注目されます。
Q5:日本女子代表は2027年女子ワールドカップに出場できますか? A5:出場権をすでに獲得しています。2026年3月のAFC女子アジアカップで優勝し、2027年ブラジル大会への出場を決めました。本大会は2027年6月24日から7月25日まで開催されます。
まとめ:なでしこジャパンは2027年ブラジル大会へ
2026年10月の欧州遠征に向けて発表された女子日本代表メンバーは、海外組22人、国内組1人という国際色豊かな23人でした。
今回の選考で特に注目されたのは、次の3点です。
- 島田芽依:ブレーメン所属のFWとしてA代表初招集。前線の新たな選択肢として期待。
- 松本真未子:2017年以来の代表メンバー入り。ただし負傷で欧州遠征は不参加。
- 海外組22人:欧州やアメリカのプロリーグで経験を積んだ選手を中心に構成。
遠征結果はハイチに5対1で勝利、ドイツに1対2で敗戦という1勝1敗でした。勝利だけでなく、ドイツ戦で露呈した課題をどう修正するかが、今後のチーム強化を左右します。
【プロの結論】2026年のなでしこジャパンを見る際に大切なのは、招集された選手の知名度や所属クラブだけで評価しないことです。代表で求められる役割を果たせるか、異なるクラブで身につけた戦術や技術をチーム全体の力に変えられるかが、本当の評価基準になります。
2011年の世界一、2026年のアジア制覇を経て、日本女子代表は2027年のブラジル大会へ向かいます。長谷川唯や長野風花らの経験に、島田芽依のような新戦力が加わり、どのようなチームが完成するのか。11月・12月のブラジル戦も含め、なでしこジャパンの進化から目が離せません。