2026年9月4日、クラブは2026-27シーズンの新体制を正式発表した。新キャプテンに選ばれたのは、背番号10のミドルブロッカー、山口真季。副キャプテンには金田莉実、依田茉衣子、中山夏菜子の3人が就任した。
前シーズンまでチームを率いた中村安里の引退を受け、山口が新たなリーダーシップを担う体制となった。
チームスローガンは「共に輝く」
今季のスローガンは「共に輝く」。
クラブ公式発表では、選手やスタッフだけでなく、ファンや地域社会も含めて一緒に歩み、黒部のまちを盛り上げる存在を目指すという思いが説明されている。
目標として掲げたのは、レギュラーシーズン東地区3位以内、チャンピオンシップ出場、そしてリーグ優勝だ。
このスローガンには、地域密着型クラブとしての伝統と、プロクラブとして競技力を高めていく新しい方向性が重なっている。
2026-27シーズンの主な新加入選手
今シーズンは、複数のポジションで新しい戦力を迎えた。
- オング佳奈美:セッター
- リャシュコ・アナスタシア:ミドルブロッカー
- 吉村優花:アウトサイドヒッター
- 矢田和香:ミドルブロッカー
- 小園瞳:ミドルブロッカー
- ジョバンナ・デイ:アウトサイドヒッター
- 龔翔宇(ゴン・シアンユ):アウトサイドヒッター/オポジット
特に注目されるのが、9月23日に追加加入が発表された龔翔宇だ。中国代表のキャプテンを務めた経験を持ち、前所属は米国のLOVB Madison。身長189cmの国際経験豊かなアタッカーである。
9月4日の新体制発表後にも補強が続いたことから、2026-27シーズンのチーム編成は段階的に強化されたことが分かる。
なお、山口が背番号10、小園が15、中山が24を着用するなど、背番号の変更も行われている。
【2026-27選手一覧】安田美南・浦山絢妃・龔翔宇の注目ポイント
KUROBEアクアフェアリーズ富山の2026-27シーズンの登録選手は19人。セッター、アウトサイドヒッター、ミドルブロッカー、リベロをバランスよく配置した陣容だ。
KUROBEアクアフェアリーズ富山の選手一覧
公式選手紹介ページに掲載された背番号とポジションを整理した。
OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット。選手登録やポジション表記は変更される場合がある。
安田美南は高さを生かしたトスワークが持ち味
- 背番号:4
- 身長:179cm
- ポジション:セッター
- 生年月日:2001年12月12日
- 出身地:愛知県岡崎市
安田美南は、攻撃の組み立てを担うセッターだ。
公式プロフィールでは、得意なプレーとして「高さのあるセットアップ」を挙げている。179cmという身長も特徴で、一般的なセッターのイメージにとどまらない高さを生かしたプレーが期待される。
セッターは単純にボールを上げるだけのポジションではない。相手ブロックの位置、味方アタッカーの状態、ラリーの流れを判断し、攻撃の選択肢を組み立てる司令塔である。
今季は新加入のオング佳奈美も同じポジションに加わった。経験豊富なセッターと安田の競争、そして連携がチームの攻撃力を左右するポイントになる。
浦山絢妃はサーブレシーブを支える守備の要
- 背番号:17
- 身長:165cm
- ポジション:リベロ
- 生年月日:2001年7月1日
- 出身地:山口県防府市
浦山絢妃の強みとして公式プロフィールに記載されているのが、レセプションだ。
レセプションとは、相手のサーブを受けて攻撃につなげる最初のプレー。サーブレシーブの精度が高ければ、セッターは複数の攻撃パターンを選びやすくなる。
浦山自身も今季の注目ポイントとして「1本目の精度」を挙げている。
このコメントは、チームの攻撃力を考えるうえでも重要だ。強力なアタッカーを獲得しても、最初のレシーブが乱れれば十分な攻撃機会を作れないからだ。
浦山の守備と安田のトスワークは、チームの攻撃を支える重要な関係にある。
龔翔宇(ゴン・シアンユ)は世界レベルの経験を持つ補強選手
- 背番号:16
- 身長:189cm
- 生年月日:1997年4月21日
- 出身地:中国・江蘇省
- ポジション:OH/OP
- 前所属:LOVB Madison
2026年の中国代表キャプテンを務めた龔翔宇は、今季の補強の中でも特に注目度が高い選手だ。
189cmの高さと国際舞台で培った経験は、チームに新たな攻撃オプションをもたらす。
特にオポジットとしての起用は、セッター対角から得点を狙う攻撃の強化につながる。相手ブロックに対して複数の攻撃手段を持てることは、長いシーズンを戦ううえで大きな意味を持つ。
一方、海外選手の加入は、既存選手とのコンビネーションを作る時間も必要になる。安田やオングとの連携がどこまで深まるかが、今後の見どころだ。
【SVリーグ女子の順位・成績】開幕6試合で5勝1敗の好スタート
2026-27シーズンのKUROBEアクアフェアリーズ富山は、開幕から安定した結果を残している。
11月3日時点で確認できる成績は次のとおりだ。
試合数
勝敗
勝ち点
セット率
11月3日更新の順位表では、東地区の首位に掲載されている。同じ5勝1敗の群馬グリーンウイングスとは勝ち点も16で並ぶが、セット率はKUROBEが4.25、群馬が2.13となっている。
シーズン序盤の段階ではあるものの、勝ち数だけでなくセットの取り方でも優位性を示している。
開幕から6試合の試合日程・結果
公式試合日程によると、最初の6試合は以下の結果だった。
| 日程 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 10月17日 | アランマーレ秋田庄内 | 3-0 勝利 |
| 10月18日 | アランマーレ秋田庄内 | 3-0 勝利 |
| 10月24日 | 東レアローズ滋賀 | 2-3 敗戦 |
| 10月25日 | 東レアローズ滋賀 | 3-0 勝利 |
| 10月30日 | NECレッドロケッツ川崎 | 3-0 勝利 |
| 10月31日 | NECレッドロケッツ川崎 | 3-1 勝利 |
最初の秋田戦では連続ストレート勝ちを記録。その後、東レ滋賀との初戦ではフルセットの末に敗れたものの、翌日は3-0で勝利した。
さらに、強豪NECレッドロケッツ川崎とのアウェー2連戦でも連勝。特に10月30日の3-0という結果は、攻守の安定感を示すものだった。
6試合のうち5試合で勝利したことに加え、セットを大きく落とさずに勝ち点を積み重ねている点が注目される。
チームスタッツから見える強みと課題
Japan Volleyball Data Bankが掲載する2026-27シーズンのチームデータでは、KUROBEは次の数字を記録している。
| 指標 | 数値 | リーグ順位 |
|---|---|---|
| アタック決定率 | 40.1% | 3位 |
| ブロック決定本数/セット | 2.57本 | 3位 |
| サーブ効果率 | 14.5% | 1位 |
| サーブレシーブ成功率 | 41.1% | 7位 |
この数字から読み取れるのは、サーブとブロックが序盤の好成績を支える大きな武器になっていることだ。
サーブ効果率がリーグ1位という点は見逃せない。相手の攻撃を組み立てにくくし、ブロックで対応しやすい状況を作ることができるからだ。
一方、サーブレシーブ成功率は7位。上位を目指すためには、サーブで圧力をかけ続けるだけでなく、相手から強いサーブを受けたときの攻撃の安定性も求められる。
山口のブロック、浦山のレセプション、安田のトスワーク、龔翔宇らアタッカーの決定力。この4つの要素がかみ合えば、チームの完成度はさらに高まる可能性がある。
次の注目試合は11月7日・8日の埼玉上尾戦
公式日程に掲載されている次のホームゲームは以下のとおり。
- 2026年11月7日(土)14時05分:埼玉上尾メディックス戦
- 2026年11月8日(日)14時05分:埼玉上尾メディックス戦
- 会場:黒部市総合体育センター
開幕6試合で積み上げた5勝1敗を、次のホームゲームでも維持できるかが焦点となる。
シーズン序盤の好調を一時的なものにしないためにも、連戦での選手起用やレシーブの安定性が重要になる。
【歴代成績・沿革と運営会社】2026年の株式会社化で何が変わった?
KUROBEアクアフェアリーズ富山の特徴は、特定の大企業を親会社に持たず、地域の企業や自治体、ファンの支援を受けながら活動してきた点にある。
その歴史を振り返ると、2026年の株式会社化は単なる法人形態の変更ではなく、クラブの運営モデルを転換する大きな節目だったことが分かる。
1998年の創部からSVリーグ参入まで
クラブの起源は、2000年富山国体に向けた強化チームとして1998年に創部されたことにある。
国体終了後も活動を続け、地域企業や関係者の支援を受けながら競技活動を発展させてきた。
主な沿革は次のとおり。
- 1998年: 2000年富山国体強化チームとして創部
- 1999年: 全国実業団優勝大会で優勝。Vリーグ2部へ参入
- 2000年: 富山国体成年女子6人制で準優勝
- 2004年: V1リーグ初優勝
- 2017年: 運営母体強化のため一般社団法人を設立
- 2018年: V.LEAGUE DIVISION1に昇格
- 2024年: SVライセンス交付承認、SV.LEAGUE参入決定。チーム名をKUROBEアクアフェアリーズ富山に変更
- 2026年: 運営会社を株式会社KUROBEアクアフェアリーズ富山へ移行
過去のリーグ成績を見ると、2024-25シーズンはSVリーグ女子レギュラーシーズン12位、2025-26シーズンは11位だった。
つまり、2026-27シーズンの開幕6試合5勝1敗という結果は、過去2シーズンの順位からの巻き返しを期待させるものでもある。
2026年7月1日の株式会社化とプロ化
2026年6月29日、クラブは運営会社を株式会社へ移行すると発表した。
実際の移行日は2026年7月1日。一般社団法人KUROBEアクアフェアリーズから、株式会社KUROBEアクアフェアリーズ富山へ事業を移した。
株式会社化の背景には、SVリーグで継続的に競争するための経営基盤強化がある。
10月16日公開のバレーボール専門メディア「SPIKE!」の記事では、株式会社化に際して地元自治体や企業、放送局など21の株主から合計約8,000万円の出資を受け、全選手がプロ契約を結んだと紹介されている。
従来はスポンサー企業などが選手を社員として雇用する仕組みだったが、新体制では選手がバレーボールに専念しやすい環境を整えた。
この変更は、選手の競技力向上だけでなく、クラブの事業としての成長にも関わる重要な改革だ。
財務問題とSVリーグからの制裁も公表されている
株式会社化を理解するうえで、財務面の経緯も押さえておきたい。
クラブが2026年7月2日に公表した説明によると、旧運営法人は2025年度決算(2026年3月期)で債務超過状態となり、2026年6月17日のSVリーグ理事会でクラブSVライセンス交付規則の純資産基準に抵触したと判断された。
制裁内容は次の2点だった。
- 譴責
- 改善報告書など追加資料の提出
ただし、同じ公式発表では、7月1日の事業譲渡によって債務超過が解消され、SVリーグ側も短期的な財務改善を確認したと説明されている。
また、新しい株式会社体制では地域企業や自治体などが株主として参加し、ガバナンスと財務基盤の強化を進めるとしている。
したがって、株式会社化には競技面のプロ化と、財務・経営面の立て直しという2つの意味がある。
今後の評価では、リーグ戦の順位だけでなく、健全なクラブ運営を継続できるかも重要な判断材料になる。
新ロゴとブランドステートメントも刷新
2026年の変革は、経営体制だけではない。
クラブはロゴやチームカラーも刷新した。新ロゴのデザインは、デザイナー奥山清行氏が手がけた。
新しいブランドステートメントは、
DIG DEEP, RISE HIGH. つながる力で、心を動かせ。
というもの。
「AQUA」のAをモチーフに、バレーボールのラリーをつなぐようなリボン状の流れを取り入れたデザインとなっている。
カラーは次の3色が中心だ。
- AQUA BLUE:従来から愛されてきた水の透明感と輝き
- KUROBE BLACK:黒部の歴史と揺るがない強さ
- FAIRY PINK:元気さと親しみやすさ
ここで押さえておきたいのは、「DIG DEEP, RISE HIGH.」がクラブのブランドステートメントであり、「共に輝く」は2026-27シーズンのチームスローガンだという違いだ。
どちらも地域とのつながりを大切にする姿勢を表しているが、用途は異なる。
【ホームアリーナ・チケット購入】黒部市総合体育センターへのアクセス
KUROBEアクアフェアリーズ富山のホームアリーナは、黒部市総合体育センターだ。
所在地は富山県黒部市堀切1142。地域に根差したクラブの本拠地として、ホームゲームが開催されている。
黒部市総合体育センターへのアクセス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 黒部市総合体育センター |
| 住所 | 富山県黒部市堀切1142 |
| 黒部駅から | 車で約5分 |
| 電鉄黒部駅から | 車で約7分 |
| 電話番号 | 0765-57-2300 |
富山県スポーツコミッションの施設案内によると、あいの風とやま鉄道の黒部駅から車で約5分、富山地方鉄道の電鉄黒部駅から車で約7分となっている。
メインアリーナはバレーボール3面に対応し、サブアリーナなども備える総合スポーツ施設だ。
公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅から会場までの移動手段を事前に確認しておくとよい。
KUROBEアクアフェアリーズのチケット購入方法
ホームゲームのチケットは、主に次の2つの方法で購入できる。
1. チケットVで前売券を購入
クラブ公式のチケット案内から、オンライン販売サービス「チケットV」に進んで購入する。
座席を選択して購入できるため、観戦日が決まっている場合は前売券を確認しておきたい。
2. 試合当日に購入
当日券はオンラインのチケットV、またはホームゲーム会場のチケット売場で購入できる。
2026-27シーズンは座席区分や価格体系も見直され、1階指定席はサイド側・エンド側に分けられた。グループシートの配置変更や車いす席の設定も行われている。
また、クラブ公式案内には次の特典も掲載されている。
- 小中高生向けの価格設定
- ファンクラブ会員向けの価格設定
- 小中学生が2階自由席を無料で観戦できる「夢パス」
- 車いす利用者と介助者が利用できる観戦チケット
チケットVでの購入には、1枚につき330円のシステム手数料がかかる。価格は座席や購入条件によって異なるため、試合ごとの販売情報を確認したい。
2026年11月のホームゲーム予定
11月3日時点で公式日程に掲載されている黒部開催の試合は以下のとおり。
- 11月7日(土)14:05 埼玉上尾メディックス戦
- 11月8日(日)14:05 埼玉上尾メディックス戦
両日とも黒部市総合体育センターで開催予定だ。
実際に観戦する場合は、試合日程だけでなくチケット販売状況、座席区分、入場案内も確認しておきたい。
【KUROBEアクアフェアリーズ富山】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:KUROBEアクアフェアリーズ富山の2026-27シーズンの成績は?
A1:2026年11月3日時点で、開幕6試合を終えて5勝1敗、勝ち点16、セット率4.25を記録している。東地区の順位表では首位に掲載されている。
Q2:2026-27シーズンのキャプテンは誰?
A2:ミドルブロッカーの山口真季がキャプテンを務める。副キャプテンは金田莉実、依田茉衣子、中山夏菜子の3人。
Q3:龔翔宇(ゴン・シアンユ)はどんな選手?
A3:中国・江蘇省出身のバレーボール選手で、身長189cm。2026年の中国代表キャプテンを務めた経験があり、2026年9月23日にKUROBEへの加入が発表された。
Q4:安田美南のポジションは?
A4:セッター。身長179cmで、公式プロフィールでは高さのあるセットアップを得意なプレーとして紹介している。
Q5:浦山絢妃の得意なプレーは?
A5:リベロとして活躍し、得意なプレーはレセプション。相手サーブを正確に受け、攻撃につなげる守備面の重要な選手だ。
Q6:ホームアリーナはどこ?
A6:富山県黒部市堀切1142にある黒部市総合体育センター。黒部駅から車で約5分、電鉄黒部駅から車で約7分。
Q7:チケットはどこで購入できる?
A7:チケットVでのオンライン購入と、ホームゲーム当日の会場チケット売場での購入に対応している。小中学生向けの「夢パス」を利用すると、対象条件のもと2階自由席を無料で観戦できる。
Q8:運営会社はいつ株式会社になった?
A8:2026年7月1日。一般社団法人KUROBEアクアフェアリーズから株式会社KUROBEアクアフェアリーズ富山へ事業が移行した。
まとめ:KUROBEアクアフェアリーズ富山は2026年に新たな成長段階へ
2026年のKUROBEアクアフェアリーズ富山は、競技面と経営面の両方で大きな転換期を迎えている。
山口真季を中心とする新体制、中国代表キャプテン経験者の龔翔宇の加入、安田美南と浦山絢妃を軸とした攻守の連携。そして、開幕6試合で5勝1敗という好成績は、新しいチームの可能性を感じさせる。
一方で、2025-26シーズンのレギュラーシーズン11位から本格的に上位進出を目指すには、長いシーズンを通した安定感が欠かせない。サーブとブロックの強みを維持しながら、レセプションの精度を高められるかがポイントになる。
クラブの株式会社化と全選手のプロ契約も、将来を左右する大きな改革だ。財務基盤の改善を継続しながら、地域の支援と競技力を両立できるかが問われる。
今後のKUROBEアクアフェアリーズ富山を評価するなら、次の3点に注目したい。
1. 東地区3位以内とチャンピオンシップ進出を実現できるか。
2. 龔翔宇ら新加入選手と既存選手の連携が深まるか。
3. 株式会社化による経営基盤の強化が長期的な成長につながるか。
「共に輝く」というスローガンが、コート上の勝利だけでなく、地域とクラブの持続的な発展にも結び付くのか。
黒部から全国へ。2026-27シーズンは、アクアフェアリーズにとって新しい歴史を築く重要な一年になりそうだ。 (出典: 黒部 アクア フェアリー ズ(Yahoo!ニュース))