2026年11月現在、足立区の治安は本当に悪いのでしょうか。かつて「東京23区で治安が悪い街」というイメージが定着していた足立区ですが、実際の犯罪発生状況を見ると、過去と現在では大きな変化があります。一方、刑法犯認知件数は2021年を底に増加しており、自転車盗や詐欺など、日常生活に身近な犯罪への警戒は欠かせません。
警視庁が公表する町丁別・罪種別の犯罪統計を中心に、2026年9月累計の公開状況、2025年の年間確定前公表値、2026年8月までの町丁別集計を区別して検証します。北千住、綾瀬、竹ノ塚、西新井の地域差や、犯罪が多い場所と比較的少ない場所、引っ越し前に確認したい防犯情報まで詳しく解説します。
📌 この記事の重要ポイントまとめ - 犯罪件数と人口比は別物: 2025年の足立区の刑法犯認知件数は4,617件。23区で2番目に多い一方、人口1,000人あたりでは11番目です。 - 駅周辺に犯罪が集中: 千住旭町、西新井栄町、竹の塚、綾瀬など、駅前の商業地や駐輪場周辺で件数が多くなっています。 - 特に注意したい犯罪: 自転車盗と詐欺。自転車の施錠や特殊詐欺への対策が日常的な防犯の中心です。
【2026年最新】足立区の治安は本当に悪い?犯罪発生件数から実態を検証
足立区の治安を判断するなら、まず過去のイメージと現在の統計を分けて考える必要があります。
2025年の刑法犯認知件数は4,617件
警視庁の町丁別認知件数を集計した2025年の足立区の刑法犯認知件数は、4,617件でした。
2024年の4,442件と比較すると175件、約3.9%の増加です。
23区内では新宿区に次ぐ2番目の件数となっており、数字だけを見れば犯罪が少ない区とはいえません。
ただし、足立区は人口が多い区でもあります。2026年1月1日時点の人口は703,369人で、23区内でも上位に入ります。
人口を考慮すると、見え方は変わります。
| 比較指標 | 足立区の数値 |
|---|---|
| 2025年刑法犯認知件数 | 4,617件 |
| 2024年刑法犯認知件数 | 4,442件 |
| 前年からの増加 | 175件 |
| 2026年1月1日人口 | 703,369人 |
| 人口1,000人あたり | 約6.56件 |
| 23区内の総件数順位 | 2位 |
| 23区内の人口比順位 | 多い順に11位 |
つまり、足立区は犯罪件数の総数では上位ですが、人口比では23区の中で極端に高い地域というわけではありません。
駅前の商業施設や繁華街に訪れる人による犯罪も、その場所の認知件数に加算されます。居住人口だけを分母にした比較では、駅前の町丁ほど数値が高くなりやすい点にも注意が必要です。
2001年のピークから約80%減少した過去
足立区の治安を考えるうえで、長期的な変化も重要です。
足立区の公式資料によると、刑法犯認知件数は2001年に16,843件を記録しました。
その後、警察や地域住民との連携による防犯活動が進み、2021年には3,212件まで減少しています。
足立区の刑法犯認知件数の推移
ピーク時と2021年を比較すると、約80%の減少です。
この改善を支えてきた施策の一つが、足立区独自の「ビューティフル・ウィンドウズ運動」です。
「美しいまちは安全なまち」という考え方を軸に、地域清掃、花壇の整備、青色防犯パトロール、住民による見守りなどを組み合わせています。
一方、2021年以降は犯罪件数が再び増加。2025年も前年を上回りました。
したがって、過去の悪いイメージだけで足立区を判断するのも、犯罪が大幅に減ったという理由だけで安心するのも適切ではありません。
2026年9月累計の最新データはどう見るべきか
警視庁は2026年10月15日、「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」の2026年9月累計ファイルを公開しました。
この資料には、区市町村だけでなく、個別の町丁や犯罪の種類ごとの認知件数が収録されています。警視庁は公表値について、公開当時の暫定値であり、ほかの統計と異なる場合があると注記しています。
なお、足立区の公式月別犯罪発生状況ページで確認できる2026年の月別数値は6月までです。町丁別の比較については、数値を確認できる2026年8月累計の集計も併記して、異なる期間を混同しないことが大切です。
【町丁別ランキング】足立区で犯罪が多い地域・少ない地域を比較
足立区全体の数字だけでは、実際にどの地域で犯罪が発生しているのか分かりません。
そこで重要になるのが、警視庁の町丁別犯罪発生状況です。
2025年に犯罪認知件数が多かった町丁
2025年の年間データでは、千住旭町が165件で最多でした。
続いて西新井栄町一丁目、千住二丁目、竹の塚六丁目などが上位に入っています。
以下は2025年の年間値と2026年1〜8月累計の比較です。2026年の数字は通年値ではありません。
この表から分かるのは、犯罪件数が足立区全域に均等に分布しているわけではないということです。
北千住、西新井、竹ノ塚、綾瀬など、駅前に商業施設や駐輪場が集まる地域が上位に並んでいます。
千住旭町・北千住周辺はなぜ件数が多い?
JR常磐線、東京メトロ日比谷線・千代田線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスが乗り入れる交通の要所です。
北千住駅周辺で特に件数が目立つのが、千住旭町、千住二丁目、千住三丁目です。
2025年の認知件数は次のとおりでした。
- 千住旭町:165件
- 千住二丁目:106件
- 千住三丁目:94件
この3町丁だけで365件になります。
北千住駅周辺の11町丁をまとめた集計では、2025年の刑法犯認知件数は487件。2026年8月までの累計は407件でした。
ただし、駅前の犯罪件数が多いからといって、周辺の住宅街まで一律に危険という意味ではありません。駅から少し離れた千住五丁目では2025年の認知件数は8件、千住河原町では9件でした。
同じ北千住エリアでも、駅前と住宅地では状況が異なります。
犯罪件数が比較的少ない地域
一方、2025年の年間認知件数が少なかった町丁には、次の地域があります。
- 西綾瀬一丁目:1件
- 西綾瀬四丁目:1件
- 柳原一丁目:2件
- 皿沼一丁目:2件
- 皿沼二丁目:2件
- 神明南二丁目:2件
人口1,000人以上の町丁に絞った比較でも、西綾瀬四丁目は人口1,000人あたり約0.7件でした。
ただし、これらは2025年の犯罪認知件数に基づく比較です。2026年の状況や、個々の住宅周辺の安全性まで保証するものではありません。
また、認知件数が少ない地域でも、不審者情報や自転車盗、侵入窃盗などには注意が必要です。
【犯罪の種類別】足立区で注意したい自転車盗・詐欺の被害状況
足立区の治安を考えるとき、特に注目したいのが窃盗と詐欺です。
犯罪件数の総数だけでなく、どのような被害が多いのかを把握すると、具体的な対策につながります。
足立区で最も多い犯罪は自転車盗
2025年の足立区では、自転車盗が1,311件発生しました。
これは刑法犯認知件数全体の約28.4%に相当します。
| 犯罪の種類 | 2025年の件数 | 2024年との比較 |
|---|---|---|
| 自転車盗 | 1,311件 | 83件減 |
| 万引き | 565件 | 45件増 |
| 詐欺 | 376件 | 108件増 |
| 暴行 | 250件 | 59件増 |
| オートバイ盗 | 160件 | 72件増 |
| 傷害 | 140件 | 20件増 |
自転車盗は依然として最多ですが、2024年からは減少しています。
足立区の公式資料では、自転車盗難の半数以上が無施錠による被害とされています。
2026年6月末時点の自転車盗多発地域では、次の町丁が上位でした。
1. 西新井栄町一丁目:30件
2. 綾瀬二丁目:21件
3. 竹の塚六丁目:21件
4. 綾瀬三丁目:16件
5. 綾瀬四丁目:16件
6. 佐野一丁目:15件
足立区では2018年1月から自転車の施錠を義務付ける条例が施行されています。
被害を防ぐためには、短時間の駐輪でも必ず鍵をかけること、可能なら前輪と後輪を別々に施錠することが基本です。
詐欺・特殊詐欺は増加傾向
もう一つ見逃せないのが詐欺です。
2025年の詐欺認知件数は376件で、2024年の268件から108件増加しました。
足立区が公表した特殊詐欺の件数も、2024年の116件から2025年には173件へ増加しています。
ここで注意したいのは、一般的な詐欺の認知件数と特殊詐欺の認知件数は同じ指標ではないことです。
特殊詐欺は、電話や通信手段を使って被害者をだまし、現金などをだまし取る犯罪を指します。
2026年1〜6月の特殊詐欺は107件でした。前年同期間の89件と比較すると18件の増加です。
特に2026年6月は37件で、前年同月の12件を大きく上回っています。
足立区で実践したい詐欺対策
電話での金銭要求を疑う
警察官、区役所職員、金融機関の職員を名乗る電話でも、すぐに口座情報や暗証番号を伝えないようにします。
知らない番号への対応を慎重に
不審な番号にはすぐに折り返さず、相手が名乗った組織の公式窓口に自分で連絡します。
家族で確認方法を決める
お金の振り込みや電子マネーの購入を求められたときは、必ず家族などに相談するルールを作ります。
警視庁公式の防犯アプリ「デジポリス」には、特殊詐欺に利用された電話番号の着信を遮断する機能があります。
足立区の公式案内によると、国際電話番号のブロック機能も追加されており、Androidでは国際電話番号の着信通知を遮断する機能が利用できます。
【地域別の評判を検証】北千住・綾瀬・竹ノ塚・西新井の治安
足立区の治安について検索すると、北千住、綾瀬、竹ノ塚、西新井などの駅名と一緒に評判を調べる人が多くいます。
しかし、駅周辺の繁華街と、駅から離れた住宅街では犯罪の傾向が異なります。
北千住の治安・評判
北千住は交通アクセスと生活利便性に優れた地域です。
駅前には商業施設や飲食店が集まり、夜まで人通りがあります。一方、飲食店街や繁華街があるため、夜間の雰囲気が気になる人もいます。
2026年9月更新のCHINTAI情報局による北千住駅周辺の住みやすさ分析では、駅から徒歩10分圏内の犯罪状況を「ほどほど」と評価しています。
つまり、北千住全体を危険な地域と決めつけるのは適切ではありません。
住む場所を探す場合は、駅前の商業エリアと住宅地を分けて確認するのがおすすめです。
綾瀬の治安・実態
綾瀬は東京メトロ千代田線とJR常磐線を利用でき、通勤・通学に便利な地域です。
2025年の綾瀬・東綾瀬の10町丁を集計すると、刑法犯認知件数は346件でした。
内訳では、綾瀬三丁目が96件、綾瀬四丁目が94件、綾瀬二丁目が47件となっています。
注目したいのは、10町丁の犯罪件数の約68.5%が、この3町丁に集中していることです。
一方、駅から離れた東綾瀬一丁目は17件、綾瀬六丁目は12件でした。
綾瀬という駅名だけで地域全体の治安を判断せず、駅からの距離や住宅地の環境を確認することが大切です。
竹ノ塚の治安・評判
竹ノ塚は東武スカイツリーライン沿線の生活拠点です。
駅周辺には商店街や飲食店があり、住宅地も広がっています。
2025年の竹の塚・西竹の塚の9町丁の刑法犯認知件数は395件でした。
特に件数が多かったのは次の3町丁です。
- 竹の塚六丁目:97件
- 竹の塚一丁目:84件
- 西竹の塚二丁目:52件
この3町丁だけで9町丁全体の約59%を占めています。
また、2026年8月までの累計では、竹の塚六丁目が63件、西竹の塚二丁目が39件でした。
自転車盗や万引きなど、駅前や商業施設周辺で発生しやすい犯罪の影響も考慮する必要があります。
西新井栄町の治安
西新井駅周辺では、西新井栄町一丁目が2025年に152件を記録しました。
2026年8月までの累計も97件となっています。
自転車盗についても、西新井栄町一丁目は2025年に49件で、区内の町丁別集計で最多でした。
ただし、駅前の犯罪認知件数と住宅への侵入被害は別の問題です。
西新井栄町という町名だけで危険と判断するのではなく、駅からの帰宅経路、駐輪場、建物の防犯設備などを確認しましょう。
【住む前に確認】足立区で治安が良い地域を選ぶ方法と防犯対策
足立区で住む場所を選ぶ際、犯罪件数の少なさだけを基準にするのはおすすめできません。
実際の暮らしやすさには、街灯、人通り、建物の管理状況、交番までの距離なども関係します。
治安を確認するときの5つのポイント
1. 駅から自宅までの道
昼間だけでなく、夜間にも歩いてみましょう。街灯が少ない道路や、人通りの途切れる場所がないか確認します。
2. 駐輪場の防犯状況
自転車盗が多い足立区では、駐輪場の管理状況も重要です。防犯カメラの有無や、外部から簡単に入れない構造かどうかを確認します。
3. 建物の防犯設備
オートロックだけでなく、玄関の補助錠、防犯カメラ、共用部分の照明などを確認します。
4. 交番・警察署までの距離
自宅周辺に交番があるか、夜間の帰宅経路からアクセスしやすいかを調べます。
5. 地域の犯罪情報
過去の年間件数だけでなく、最近発生した事件や不審者情報も確認します。
警視庁の犯罪情報マップを活用する
足立区の治安を調べる際に役立つのが、警視庁の犯罪情報マップです。
地図上で犯罪発生情報や不審者情報などを確認できるため、住みたい町丁や駅周辺の状況を調べる際に便利です。
特に次のような人に向いています。
- 足立区への引っ越しを検討している人
- 子どもの通学路の安全を確認したい人
- 女性の一人暮らしを検討している人
- 自転車盗や侵入窃盗が気になる人
- 夜間の帰宅経路を確認したい人
足立区の公式犯罪発生状況ページでも、警視庁の犯罪情報マップが案内されています。
また、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」では、防犯情報を確認したり、特殊詐欺対策機能を利用したりできます。
足立区の防犯活動「ビューティフル・ウィンドウズ運動」
足立区は、犯罪件数を減らすだけでなく、住民が安心して暮らせる街づくりにも取り組んでいます。
代表的な施策が「ビューティフル・ウィンドウズ運動」です。
具体的には、次のような活動があります。
- 花のあるまちかどづくり
- ソロクリーン活動
- 青色防犯パトロール
- 地域住民によるながら見守り
- 通学路や公園周辺の防犯活動
興味深いのは、足立区民の評価と区外の人のイメージに差があることです。
足立区が公表した世論調査では、区民の約6割が「足立区は治安が良い」と感じていました。
一方、足立区近隣の住民を対象にしたイメージ調査では、足立区を治安が良いと思う人は1割未満でした。
過去の犯罪報道や地域イメージが、実際の生活環境とは異なる印象を残している可能性があります。
【プロの結論】足立区の治安を判断するなら犯罪件数だけでは不十分
足立区の治安を調べて分かるのは、区全体の犯罪件数と、実際に注意したい地域・犯罪の種類には違いがあるということです。
特に重要なのは、次の3点です。
第一に、足立区は過去と比較して大きく改善していること。
2001年の16,843件から2021年には3,212件まで減少しました。長期的な防犯活動には明確な成果があります。
第二に、現在も犯罪件数は増加傾向にあること。
2025年の刑法犯認知件数は4,617件で、2024年を上回りました。2026年上半期も前年同期より534件多く、改善が続いているとは言い切れません。
第三に、駅前と住宅街を分けて判断すること。
千住旭町や西新井栄町一丁目など、犯罪件数が多い地域には駅前の商業施設や駐輪場があります。件数だけで居住環境の安全性を判断するのは危険です。
足立区での生活を検討しているなら、犯罪統計を参考に候補地を絞り込み、最終的には現地を歩いて判断することをおすすめします。
足立区の治安に関するよくある質問(FAQ)
Q1:足立区は東京23区で一番治安が悪いですか?
A1:いいえ。2025年の刑法犯認知件数は4,617件で23区中2番目に多いものの、人口1,000人あたりでは多い順に11番目です。総件数だけで最も危険な区と判断することはできません。
Q2:足立区で犯罪が多い地域はどこですか?
A2:2025年の年間認知件数では、千住旭町が165件で最多でした。西新井栄町一丁目が152件、千住二丁目が106件と続きます。いずれも駅周辺の町丁です。
Q3:足立区で比較的治安が良い地域はどこですか?
A3:2025年の認知件数が少なかった町丁には、西綾瀬一丁目、西綾瀬四丁目、柳原一丁目などがあります。ただし、犯罪件数が少ないことは安全を保証するものではありません。夜道や建物の防犯設備も確認しましょう。
まとめ:足立区の治安は地域差を理解して判断しよう
2026年の足立区は、かつての「治安が悪い街」というイメージだけでは実態を説明できません。
刑法犯認知件数は2001年のピークから大幅に減少した一方、2021年以降は増加傾向にあります。特に自転車盗と詐欺は、現在も注意すべき犯罪です。
住む場所を選ぶ際は、北千住、綾瀬、竹ノ塚、西新井といった駅名だけで判断せず、町丁単位の犯罪発生状況や生活道路の環境まで確認しましょう。
足立区の治安を正しく判断するために、次の3つを意識してください。
- 最新の警視庁犯罪統計で町丁別の状況を確認する
- 犯罪の総数だけでなく、自転車盗や詐欺など罪種別に比較する
- 昼と夜の両方で現地を歩き、実際の生活環境を確かめる
過去のイメージに左右されず、現在の数字と自分の目で確かめた街の様子を組み合わせることが、足立区で安心して暮らせる場所を選ぶ近道です。
主な参考資料:警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」、足立区「令和8年区内の犯罪発生状況」「刑法犯認知件数の減少」「ビューティフル・ウィンドウズ運動」、東京都住民基本台帳人口統計。 (出典: 足立 区 治安(Yahoo!ニュース))