2026年の新語流行語大賞は、例年の開催スケジュールを踏まえると、11月上旬にノミネート30語、12月初めにトップテンと年間大賞が発表される見通しだ。
2025年は11月5日にノミネート語が公表され、12月1日に年間大賞とトップテンが発表された。2026年も同じ時期に開催される可能性が高い。ただし、昨年の日程をそのまま今年の確定日として扱うことはできない。
2026年の発表スケジュール予測
ノミネート30語
木曜日・過去の発表傾向と書籍発売日を踏まえた予測
年間大賞・トップテン
火曜日・例年の発表日程から見た予測
公式確定情報
2026年11月3日時点では、両日程とも主催者による正式な告知を確認できない。
2026年の発表日を11月5日、12月1日とする予測は、2026年11月2日時点の調査を掲載したニュースサイトでも紹介されている。特に『現代用語の基礎知識 2027』の発売予定日が11月5日であることは、ノミネート発表時期を考える手掛かりになる。
2026年のノミネート予想で注目したい言葉
2026年の候補を考えるうえで注目したいのは、若者のSNS文化、音楽発のフレーズ、社会問題に関連する用語だ。
2026年の若年層向け調査やトレンド調査では、次の言葉が目立っている。
「〇〇すぎて滅」
M!LKの楽曲「好きすぎて滅!」から広がった表現。好きなものへの強い感情を表すフレーズとして若者の間で浸透している。
メロい
メロメロになるほど魅力的という意味。外見だけでなく、仕草や性格などにも使われる褒め言葉として広がった。
ドパガキ
短い動画やSNS、ゲームなどの強い刺激に慣れた状態を自虐的に表すネットスラング。若者文化を象徴する言葉として注目される。
フレネミー
友人のように接しながら、実際には敵対的な感情を持つ相手を指す言葉。若者の会話やSNSでの使用が見られる。
上等界隈
恋愛リアリティーショーをきっかけに広がった若者言葉。2026年11月2日には、ギャル雑誌『egg』の流行語大賞で1位に選ばれた。
ナフサ不足
石油化学産業や生活用品の供給に関係する経済・産業用語。若者向けトレンド調査でも候補に挙がった。
これらの候補には、調査対象の年齢や媒体による偏りがある。例えば、2026年10月31日公表の女子高校生94人を対象にした調査では、「今年一番使った流行語」の1位が「滅」で30.9%。新語・流行語大賞の予想でも「滅」が27.7%で最多だった。一方、「ドパガキ」はSNSで見るものの実際には使わない言葉としても上位に入っている。
また、2026年秋の渋谷トレンドリサーチでは「メロい」が1位、「ドパガキ」が2位、「フレネミー」が3位となった。若者向け調査の結果が一致する部分はあるものの、全国的な認知度や全年齢層への浸透度とは区別して考える必要がある。
2026年の年間大賞はどのジャンルから生まれる?
過去の受賞実績を見ると、スポーツ、政治、社会問題、テレビ番組、映画、SNSなど、特定のジャンルに限定されていない。
2026年については、次の3つの方向性に注目したい。
- SNS・若者文化:「〇〇すぎて滅」「メロい」など、日常会話に入り込んだ言葉。
- 社会・経済: 物価やエネルギー、生活コストなど、国民の関心が高いテーマに結びつく用語。
- エンタメ・スポーツ: 音楽、映像作品、競技の話題から生まれ、世代を超えて認知されたフレーズ。
重要なのは、一時的に検索数が増えた言葉と、1年を象徴する言葉は必ずしも一致しないことだ。年間大賞には、話題性に加え、その年の社会をどれだけ端的に表しているかという視点も求められる。
【選考方法を解説】新語流行語大賞は誰がどうやって決める?
新語流行語大賞は、インターネット上の人気投票で最多得票を獲得した言葉が自動的に年間大賞になる制度ではない。
主催する自由国民社の編集部と選考委員会が、『現代用語の基礎知識』に掲載された用語を土台に候補を集め、議論を経てノミネート30語と受賞語を決める。選考の舞台裏は、2025年12月の文春オンラインによる主催者取材でも明らかになっている。
ノミネート30語が決まるまでの流れ
年間の新語・流行語を収集
前年12月から当年11月までに話題になった言葉を対象とする。
編集部が候補を抽出
『現代用語の基礎知識』に掲載された用語などを基に、およそ100語を選考委員会に提示する。
選考委員会で30語に絞り込む
各委員の専門性や視点を踏まえて議論し、ノミネート語を決定する。
ノミネート30語を公表
例年11月第1週に候補語が発表される。
トップテンと年間大賞を決定
選考委員が事前に候補を採点し、選考会で意見を交わして最終決定する。
12月初めに授賞式・発表
トップテンと年間大賞、受賞者が発表される。
この流れは、自由国民社側の説明を取材した文春オンラインの記事で紹介されている。特に注目したいのは、選考委員が年間大賞だけでなく、ノミネート30語の選定段階から関わっている点だ。
年間大賞の選考基準は何?
選考対象となるのは、単純に新しく誕生した言葉だけではない。前年12月から当年11月までに、世相を捉えた表現として広く人々の目、口、耳をにぎわせた新語・流行語が対象になる。
そのため、以前から存在していた言葉が、その年に大きく普及した場合も候補になり得る。2025年の「ミャクミャク」は2022年に登場したキャラクターの名前だが、大阪・関西万博の開催を通じて人気が高まったことが受賞の背景にある。
選考を理解するうえで押さえたいポイントは次のとおりだ。
- その年の社会現象や世相を象徴しているか。
- 一部の人だけでなく、広く話題になったか。
- 新しい概念や社会の変化を表現しているか。
- その年に新たな意味や認知を獲得したか。
- 言葉として記録する意義があるか。
2026年の選考委員一覧は?
2026年11月3日時点で、2026年大会の選考委員の正式な全員名簿は確認できない。直近の2025年大会では、次の6人が選考を担当した。
- 神田伯山:講談師
- 辛酸なめ子:漫画家・コラムニスト
- パトリック・ハーラン:お笑い芸人
- 室井滋:俳優・エッセイスト
- やくみつる:漫画家
- 大塚陽子:『現代用語の基礎知識』編集長
2025年には神田伯山が新たに選考委員に加わった。言葉を扱う専門家だけでなく、芸能、文化、社会に幅広く接する人物が参加していることも特徴だ。
【関係図で理解】自由国民社・現代用語の基礎知識・選考委員の役割
新語流行語大賞を理解するには、賞の主催者、用語の収集基盤、選考委員会、協賛企業の役割を区別する必要がある。特に、賞の名前に協賛企業の名称が含まれていても、主催者と協賛企業は同じではない。
新語流行語大賞の関係者・組織と役割
2025年大会からは、21年間続いたユーキャンの特別協賛が終了し、T&D保険グループに交代した。賞の主催者である自由国民社は変わっていない。したがって、検索時に「ユーキャン新語・流行語大賞」と表示される過去記事と、現在の大会名称を混同しないことが大切だ。
トップテンに順位はある?
意外に知られていないのが、トップテンは1位から10位までを決めるランキングではないという点だ。
選ばれた10語は、それぞれがその年を代表する言葉として扱われる。年間大賞は、その10語の中から特に象徴的な言葉として選ばれる。主催者側の説明では、トップテン自体も受賞という位置付けで、年間大賞は報道上の分かりやすさも踏まえて設けられている。
【1984年から2025年まで】歴代年間大賞一覧と時代の変化
新語流行語大賞の歴史は、1984年の第1回から始まった。現在まで42回にわたって開催され、政治、スポーツ、経済、テレビ、映画、社会問題など、日本の変化を言葉で記録してきた。
ただし、1984年から1990年までは現在のような年間大賞制度ではなく、新語部門と流行語部門に分かれていた。1991年に年間大賞が設けられ、1994年からは両部門を統合したトップテン形式へ移行している。
1984~1990年:第1回から第7回まで
- 1984年(第1回): 新語「オシンドローム」、流行語「まるきん・まるび」
- 1985年: 新語「分衆」、流行語「イッキ!イッキ!」
- 1986年: 新語「究極」、流行語「新人類」
- 1987年: 新語「マルサ」、流行語「懲りない○○」
- 1988年: 新語「ペレストロイカ」、流行語「今宵はここまでに(いたしとうござりまする)」
- 1989年: 新語「セクシャル・ハラスメント」、流行語「オバタリアン」
- 1990年: 新語「ファジィ」、流行語「ちびまる子ちゃん(現象)」
1984年の「オシンドローム」は、NHK連続テレビ小説『おしん』の社会的な反響を背景に生まれた言葉だ。ドラマの人気が一つの新語を生み出した点は、現在のSNS発の流行語とも通じるものがある。
また、1989年の「セクシャル・ハラスメント」は、今日の職場環境や人権意識にもつながる社会用語として記憶されている。単なる一時的な流行ではなく、その後の社会の変化を先取りする言葉も選ばれてきた。
1991~2000年:年間大賞制度の定着
- 1991年: …じゃあ~りませんか
- 1992年: 「うれしいような、かなしいような」「はだかのおつきあい」
- 1993年: Jリーグ
- 1994年: すったもんだがありました、イチロー(効果)、同情するならカネをくれ
- 1995年: 無党派、NOMO、がんばろうKOBE
- 1996年: 自分で自分をほめたい、友愛/排除の論理、メークドラマ
- 1997年: 失楽園(する)
- 1998年: ハマの大魔神、凡人・軍人・変人、だっちゅーの
- 1999年: ブッチホン、リベンジ、雑草魂
- 2000年: おっはー、IT革命
この時代は、政治家の発言やスポーツ選手の活躍、テレビ番組や映画の影響が強く表れた。特に1993年の「Jリーグ」は、日本のプロサッカー文化が大きく広がった時期を象徴する言葉だ。
1995年の「がんばろうKOBE」は阪神・淡路大震災後の復興への思いと結びつき、1996年の「自分で自分をほめたい」はアトランタ五輪で活躍した有森裕子の言葉として広く知られるようになった。
2001~2010年:政治・スポーツ・テレビの影響
- 2001年: 小泉語録
- 2002年: タマちゃん、W杯(中津江村)
- 2003年: 毒まんじゅう、なんでだろう~、マニフェスト
- 2004年: チョー気持ちいい
- 2005年: 小泉劇場、想定内(外)
- 2006年: イナバウアー、品格
- 2007年: (宮崎を)どげんかせんといかん、ハニカミ王子
- 2008年: グ~!、アラフォー
- 2009年: 政権交代
- 2010年: ゲゲゲの~
この時期には、政治ニュースだけでなく、オリンピックやスポーツの快挙、ドラマ、バラエティー番組からも数多くの受賞語が生まれた。
2004年の「チョー気持ちいい」は競泳の北島康介、2006年の「イナバウアー」はフィギュアスケートの荒川静香の活躍と結びついている。2008年の「アラフォー」は、女性の年齢やライフスタイルに関する社会的な関心を反映した言葉だった。
2011~2020年:震災・SNS・社会問題
- 2011年: なでしこジャパン
- 2012年: ワイルドだろぉ
- 2013年: 今でしょ!、お・も・て・な・し、じぇじぇじぇ、倍返し
- 2014年: ダメよ~ダメダメ、集団的自衛権
- 2015年: 爆買い、トリプルスリー
- 2016年: 神ってる
- 2017年: インスタ映え、忖度
- 2018年: そだねー
- 2019年: ONE TEAM
- 2020年: 3密
2011年の「なでしこジャパン」は、女子サッカー日本代表がワールドカップで初優勝した年の象徴的な言葉だ。東日本大震災後の日本に明るい話題をもたらした。
2013年は年間大賞が4語選ばれた特異な年でもある。「今でしょ!」は予備校講師の林修、「お・も・て・な・し」は東京五輪招致活動、「じぇじぇじぇ」はNHK連続テレビ小説『あまちゃん』、「倍返し」はドラマ『半沢直樹』から広がった。
2017年にはSNS文化を象徴する「インスタ映え」と、政治・社会で頻繁に使われた「忖度」が同時に受賞。2019年の「ONE TEAM」はラグビー日本代表の活躍、2020年の「3密」は新型コロナウイルス感染症への対応と結びついている。
2021~2025年:ネット文化と社会の変化
- 2021年: リアル二刀流/ショータイム
- 2022年: 村神様
- 2023年: アレ(A.R.E.)
- 2024年: ふてほど
- 2025年: 働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
2021年の「リアル二刀流/ショータイム」は大谷翔平の二刀流での活躍、2022年の「村神様」はプロ野球の村上宗隆、2023年の「アレ(A.R.E.)」は阪神タイガースを率いた岡田彰布監督に由来する。
2024年の「ふてほど」はテレビドラマ『不適切にもほどがある!』から生まれた略称。2025年は高市早苗首相の発言と初の女性首相という歴史的な出来事を組み合わせた言葉が年間大賞に選ばれた。
【2025年の年間大賞を検証】トップテンと受賞語から見える選考の特徴
2026年の選考を予測するうえで、直近の2025年大会は重要な比較材料になる。
2025年12月1日に発表された年間大賞は、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」。政治的な発言と、日本初の女性首相という歴史的な出来事を組み合わせた受賞語だった。
また、2025年は従来のユーキャンに代わってT&D保険グループが特別協賛となった大会でもある。
2025年のトップテン全10語
働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
受賞者:高市早苗首相
そのほかのトップテン9語
出典:2025年12月1日 ORICON NEWS掲載の受賞結果
この10語を見渡すと、政治、国際経済、自然災害、食料価格、映画、SNS、気候変動、万博と、幅広い分野が選ばれていることが分かる。特定の業界や世代だけで流行した言葉に偏っていない点も特徴だ。
「流行っていない言葉が選ばれる」という疑問
新語流行語大賞には、毎年「その言葉は本当に流行したのか」という疑問が寄せられる。
この疑問が生まれる理由の一つは、SNSで目にする言葉、テレビで繰り返される言葉、職場や家庭の日常会話で使われる言葉が必ずしも一致しないためだ。
2025年の選考過程について大塚陽子編集長は、若い世代やSNSに親しんでいる層の言葉が増えたことで、世代によって認知に差が出る可能性を説明している。また、昔から存在していた言葉でも、特定の年に一気に浸透した場合には候補となる。
漫画家のやくみつるも、2026年2月の文藝春秋PLUS掲載記事で、選考委員としての言葉の収集方法を明かしている。事務局が提示する候補だけでなく、自身で気になった言葉を記録し、新しい概念を表す言葉を積極的に探しているという。
この点からも、流行語大賞は単なる人気ランキングではなく、言葉の広がり方や社会的な意味を記録する賞として理解するのが適切だ。
【新語流行語大賞のよくある質問(FAQ)】
Q1:新語流行語大賞2026のノミネート30語はいつ発表されますか?
A1:2026年11月3日時点では公式確定日が確認できない。過去の傾向や『現代用語の基礎知識 2027』の発売予定日から、11月5日前後が予想されている。
Q2:2026年の年間大賞とトップテンの発表日はいつですか?
A2:12月1日が有力な予測日だ。2025年は12月1日に発表された。ただし、2026年の日程は主催者の正式発表が基準となる。
Q3:新語流行語大賞は誰が決めていますか?
A3:主催者の自由国民社と『現代用語の基礎知識』編集部、選考委員会が関わって決定する。ノミネート30語の選定にも選考委員が参加する。
Q4:一般人の投票で年間大賞が決まるのですか?
A4:一般投票の最多得票がそのまま年間大賞になる制度ではない。選考委員による事前評価と選考会での議論を経て受賞語が決まる。
Q5:1984年の第1回年間大賞は何ですか?
A5:1984年は現在の年間大賞制度ではなく、新語部門の「オシンドローム」と流行語部門の「まるきん・まるび」が金賞に選ばれた。
Q6:2025年の年間大賞は何でしたか?
A6:「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」。高市早苗首相が受賞者となった。
Q7:2026年の選考委員は誰ですか?
A7:11月3日時点で2026年大会の正式な全員名簿は確認できない。直近の2025年大会では神田伯山、辛酸なめ子、パトリック・ハーラン、室井滋、やくみつる、大塚陽子の6人が務めた。
まとめ:2026年の新語流行語大賞は発表日と選考基準に注目
新語流行語大賞は、1984年に始まった日本の年末恒例の言葉のアワードだ。自由国民社が主催し、『現代用語の基礎知識』を基盤に、編集部と選考委員会が候補語を選び、トップテンと年間大賞を決めている。
2026年11月3日時点では、ノミネート30語と年間大賞の正式発表日は未確定。11月上旬の候補発表、12月1日の年間大賞発表が有力な予測となっている。
候補語としては「〇〇すぎて滅」「メロい」「ドパガキ」などの若者言葉が目立つ一方、社会・経済分野の用語も見逃せない。若年層の調査結果だけでなく、幅広い世代にどこまで浸透したかが注目される。
2026年の受賞語を見極める際には、SNSでの瞬間的な話題性だけで判断せず、年間を通じた社会的影響、言葉の普及度、時代を象徴する力を考えることが大切だ。ノミネート30語の公表後は、候補の背景と過去の受賞傾向を照らし合わせることで、年間大賞の行方をより深く楽しめる。 (出典: 新語 流行 語 大賞(Yahoo!ニュース))