Cat's Meow Booksは、東京都世田谷区若林にある独立系書店だ。三軒茶屋駅周辺の住宅街に位置し、一般的な書店とは異なり、猫が何らかの形で登場する本を専門に取り扱っている。
2026年5月のZEN PLACEによる取材記事では、店内に並ぶ本は新刊・古書を合わせて約3,500冊。漫画、絵本、写真集、小説、エッセイ、実用書、ノンフィクションまで、幅広いジャンルを取りそろえている。
猫が少しでも登場すれば「猫本」になる
この書店の面白さは、猫本の定義にある。
猫の写真集や飼育本だけを扱っているわけではない。小説の登場人物として猫が出てくる作品や、挿絵に猫が描かれている本、本文に猫という言葉が登場する本も選書対象だ。
一見すると猫とは無関係に見える文学作品や一般書も、ページをめくると思いがけない猫との出会いがある。
開店当初は店主の安村さん夫妻が実際に書店を巡り、ページを確認しながら本を選んでいたという。その後、出版社や読者からも推薦が寄せられるようになり、現在の品ぞろえにつながった。
キャッツミャウブックスの店舗情報
| 項目 | 店舗情報 |
|---|---|
| 店名 | Cat's Meow Books |
| 日本語表記 | キャッツミャウブックス |
| 所在地 | 東京都世田谷区若林1-6-15 |
| 郵便番号 | 〒154-0023 |
| 電話番号 | 03-6326-3633 |
| 営業時間 | 11:00~19:00 |
| 定休日 | 月曜日・火曜日 |
| 最寄り駅 | 東急世田谷線・西太子堂駅 |
| 駅からの距離 | 西太子堂駅から徒歩約2分 |
| 三軒茶屋駅から | 徒歩約8~10分 |
アクセスは西太子堂駅を利用するのが便利だ。三軒茶屋駅からも徒歩圏内で、世田谷線沿いを散策しながら訪れることができる。
営業時間は通常11時から19時。祝日やイベント開催時には変更される可能性があるため、来店当日は公式Xの営業案内を確認したい。
【猫店員と売上10%寄付】保護猫がいる本屋の仕組みとは?
Cat's Meow Booksを語るうえで欠かせないのが、元保護猫たちの存在だ。
一般的な書店では人間のスタッフが接客するが、この店では保護猫出身の猫たちが「猫店員」として店内で暮らしている。
ただし、猫カフェとは異なる。猫と遊ぶことを目的とした施設ではなく、あくまで本を販売する書店だ。
猫店員はどのように過ごしている?
猫たちは店内の専用スペースやキャットウォークなどで、自由に昼寝をしたり、周囲を眺めたりしている。
本棚の上部には猫が移動できる通路が設けられ、猫専用の居場所も用意されている。
人間の接客スタッフのように決まった時間に働くわけではない。猫のペースを優先し、来店者がその自然な姿を見守る仕組みになっている。
2026年7月の取材記事では、次の猫たちが紹介されている。
- なつめさん:サビ猫。来店者がいても落ち着いて過ごすベテラン。
- あおいさん:長毛の猫。店内の本棚の下などでくつろぐ。
- かりんさん:三毛猫。新しく加わった猫で、当時は店頭デビュー前だった。
猫の体調や成長に応じて状況は変わるため、訪問すれば必ず全員に会えるわけではない。
なぜ元保護猫を店員にしているのか
この取り組みには、保護猫に対する社会的な理解を広げたいという目的がある。
安村さんは、里親が見つかりにくい猫や、病気を抱えた猫にも安心して暮らせる場所があることを知ってほしいと考えてきた。
過去には猫エイズウイルスのキャリアである猫たちも店員として迎え入れている。
猫をかわいい存在として見てもらうだけではなく、保護猫にもさまざまな個性があり、適切な環境で元気に暮らせることを伝える役割があるのだ。
売上の10%を保護猫活動へ寄付する仕組み
同店の大きな特徴は、店舗とオンラインショップでの売上の10%を保護猫活動団体へ寄付することだ。
ここで重要なのは、寄付の基準が利益ではなく売上である点。
書店は本の仕入れ代金や運営費などが必要な事業だが、Cat's Meow Booksでは売上に対する一定割合を保護猫支援に充てる仕組みを採用している。
2026年3月のfreee公式インタビューでは、安村さんが寄付を始めた当初、継続できるか不安を感じていたことも語っている。
それでも書店を続けることが社会貢献につながるという考えから、寄付を継続してきた。
この仕組みには、猫を飼っていない人でも参加できるというメリットがある。
- 猫本を1冊購入する。
- 書店の売上につながる。
- 売上の10%が保護猫活動団体への寄付に回る。
- 購入者は読書を楽しみながら保護猫支援にも参加できる。
猫を飼えない事情がある人や、直接保護活動に参加する時間がない人にとっても、書籍購入が支援の入り口になる。
【安村正也の開業経緯】救えなかった子猫とクラウドファンディング
店主の安村正也さんが猫本専門店を開いた背景には、個人的な猫との出会いがあった。
2025年12月28日配信のFNNプライムオンラインの取材記事によると、安村さんの家の中庭で、野良猫が3匹の子猫を産んだことがきっかけだった。
ところが、母猫が育児放棄をしてしまい、子猫2匹が命を落としてしまう。
残された1匹はまだ目も開いていない状態だった。安村さんはその子猫を保護し、「三郎」と名付けて育てることを決めた。
当時は保護猫という言葉も今ほど一般的ではなく、助けを求める方法や相談先について十分な情報を得られなかったという。
この経験が、保護猫活動を支援したいという思いにつながった。
会社員から猫本屋の店主へ
安村さんは外資系マーケティングリサーチ会社に勤めていた。
定年まで会社員として働く将来像が描けず、自分の好きな本と猫を組み合わせた店を開きたいと考えるようになった。
開業準備の過程では、書店づくりの講座にも参加。内沼晋太郎さんの講座でコンセプトを練り、「猫と助け合う本屋」という方向性が固まっていった。
当初から考えていたのは、単に猫を店に置くことではない。
- 猫が登場する本だけを扱う。
- 元保護猫を店員として迎える。
- 売上の一部を保護猫団体に寄付する。
- 猫を通じて保護活動を知る人を増やす。
こうした複数の要素を組み合わせた事業モデルだった。
開業資金820万円のうち220万円をクラウドファンディングで調達
2026年3月のfreee公式インタビューでは、開業資金についても具体的な数字が明かされている。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 開業資金の総額 | 約820万円 |
| 自己資金 | 約600万円 |
| クラウドファンディング | 約220万円 |
| 開業日 | 2017年8月8日 |
| 開業形態 | 自宅兼店舗 |
| 開業当初の主な商品 | 古本中心 |
クラウドファンディングは資金調達だけでなく、開店前から店の存在を知ってもらうための宣伝としても機能した。
安村さんは会社員として収入を確保しながら、書店の経営を軌道に乗せる道を選んだ。支援者から猫たちの将来を心配する声が寄せられたことも、安定収入を維持する判断につながったという。
Cat's Meow Booksの開業から2026年までの歩み
| 時期 | 関係者・出来事 | 内容 |
|---|---|---|
| 開業前 | 安村正也さん・三郎 | 保護した子猫との出会いが構想の原点に |
| 2017年 | クラウドファンディング | 開業資金の一部約220万円を調達 |
| 2017年8月8日 | Cat's Meow Books | 世界猫の日に開業 |
| 2018年7月 | 井上理津子さん | 開業の経緯をまとめた書籍を刊行 |
| コロナ禍 | 店舗・オンラインショップ | 通販を開始し販売経路を拡大 |
| 2023年前後 | 安村正也さん | 会社員を退職し、本屋専業へ移行 |
| 2025年 | 出版事業 | 絵本『くろねこノロのたび』を刊行 |
| 2026年 | 店舗・通販 | 約3,500冊の選書、通販、イベントなどを展開 |
開業物語を知るなら『夢の猫本屋ができるまで』
- 著者:井上理津子
- 協力:安村正也
- 発売日:2018年7月26日
- 出版社:ホーム社
- 内容:開業計画、具体的な準備、開店後の経営、書店の進化
この本は、Cat's Meow Booksがどのように生まれたのかを知るための重要な資料だ。
単なる猫好き店主の成功談ではない。書店業界未経験の会社員が、資金調達や物件探し、仕入れ、店舗づくりなどの課題に向き合いながら、自分の理想を形にしていく過程が描かれている。
集英社の書籍紹介でも、本屋の開業やソーシャルビジネス、クラウドファンディングなどを考える読者に向けた作品として紹介されている。
【2026年最新】キャッツミャウブックスのオンラインショップと通販の現状
実店舗が東京にあるため、遠方の人にとって気になるのがオンライン販売の状況だ。
結論からいえば、2026年11月現在も公式オンラインショップは運営されている。
ショップ名は「Cat's Meow Books Virtual Shop β」。店舗に足を運べない人でも、猫本や関連商品を購入できる販売窓口だ。
オンラインショップはコロナ禍にスタート
開業当初、安村さんは通販を積極的に行う考えではなかった。
しかし、コロナ禍で実店舗への来店が難しくなったことを受け、オンライン販売を開始した。
特徴は、本だけを掲載するのではなく、猫店員と一緒に本を紹介するスタイルだ。
猫の写真が本への興味を引き出し、オンラインショップを訪れるきっかけにもなっているという。
また、購入した本にはオリジナルの紙製ブックカバーを付けて発送する取り組みも紹介されている。
どんな商品が買える?
公式オンラインショップには、幅広いカテゴリーが設けられている。
- 猫にまつわる小説・読み物
- エッセイ・紀行
- 絵本・児童書
- 漫画・コミック
- 写真集・アート関連書籍
- ノンフィクション
- 直筆サイン入り書籍
- オリジナルグッズ
- 予約商品・限定特典付き商品
店主や猫店員が紹介する本を探せるカテゴリーもあり、一般的な通販サイトとは違った選書の楽しさがある。
2026年11月の公式ショップにも新しい紹介本の掲載が確認でき、販売活動が継続している。
猫が登場しない本も注文できる?
ここは意外と知られていないポイントだ。
実店舗では猫が登場する本を基本的に取り扱っているが、公式オンラインショップの案内では、取り寄せの場合は猫が出てこない本でも注文を受け付けている。
つまり、猫本専門店というコンセプトを守りながら、利用者の個別の希望にも対応している。
売上構成から見るオンライン販売の重要性
2026年3月のfreee公式インタビューでは、安村さんが売上構成についても説明している。
| 売上の分類 | 構成比 |
|---|---|
| 新刊(実店舗・オンライン) | 約80% |
| 古本 | 約10% |
| グッズなど | 約10% |
新刊の予約販売では、出版社と相談して店舗限定の特典やサイン本を用意することもある。
安村さんが重視しているのは、利益率だけでなく売上全体を伸ばすことだ。売上の10%を寄付する仕組みがあるため、新刊を多く販売することは、出版社や著者への還元と保護猫支援の両方につながる。
2026年秋に発表された猫本サブスクリプション構想
2026年7月19日のcommon編集部による取材では、新しい取り組みとして月額制サービスの構想も紹介された。
名称は「猫本とアイサプリ」。
内容として発表されたのは、次の3つを組み合わせたサービスだ。
- 安村さんが選んだ新刊書籍
- コーヒー
- オリジナルのアイケアサプリメント
読書を長く楽しんでもらうことを目的に考案された企画で、2026年秋の開始予定として紹介されていた。
ただし、2026年11月3日時点で、正式な申込開始日や料金などの詳細を確認できる公開情報は見当たらない。実際に利用を検討する場合は、最新の公式ショップの案内が判断材料になる。
【キャッツミャウブックスの評判】人気の理由と訪問前に知りたい注意点
キャッツミャウブックスは、猫好きだけでなく本好きからも紹介されている書店だ。
日経BOOKプラス、Hanako、SUUMOジャーナル、Time Out Tokyoなど、複数の媒体が取り上げている。
これらの紹介記事に共通する魅力は、猫と本の組み合わせだけではない。独自の選書、保護猫支援、住宅街にある落ち着いた雰囲気が評価のポイントになっている。
評判のポイント1:猫好き以外も楽しめる選書
店内に並ぶのは、猫の写真集や絵本だけではない。
小説やエッセイ、文学作品など、普段は猫本として認識しないジャンルにも出会える。
自分で探していた本とは別の作品に出会えることは、専門書店ならではの魅力だ。
評判のポイント2:保護猫支援が買い物と結び付いている
購入が保護猫活動への支援につながるため、通常の買い物とは違った意義を感じられる。
保護猫を迎えたくても住宅事情や生活環境から難しい人にとっても、書店を通じた支援という選択肢がある。
評判のポイント3:猫と本が生み出す交流
SUUMOジャーナルの取材では、近隣住民や親子連れ、遠方から訪れる常連客など、幅広い人が来店している様子が紹介されている。
猫を亡くした人が思い出を語ることもあり、単なる買い物の場所を超えた交流の場になっている。
訪問前に知っておきたい3つの注意点
一方で、一般的な大型書店や猫カフェと同じ感覚で訪れると、イメージが異なる場合もある。
1. 猫カフェではない
猫と遊ぶための施設ではない。猫たちが眠っている場合もあり、必ず触れ合えるわけではない。
2. 猫への接触は控えめに
猫の写真を撮る場合は店主に声をかけ、触れるのも猫の方から近づいてきた場合を基本とする。猫の安心できる環境を優先したい。
3. 一般書店とは品ぞろえが異なる
猫に関係する本が中心のため、特定の一般書を幅広く探したい人には通常の大型書店の方が便利な場合もある。
ただし、取り寄せでは猫が登場しない本にも対応している。
【cat's meow books】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キャッツミャウブックスはどこにありますか?
東京都世田谷区若林1-6-15にあります。東急世田谷線の西太子堂駅から徒歩約2分、三軒茶屋駅から徒歩約8~10分です。
Q2:キャッツミャウブックスの売上10%寄付は本当に行われていますか?
はい。店主の安村正也さんは2026年3月のインタビューでも、売上の10%を保護猫活動団体に寄付する取り組みについて説明しています。寄付の基準は利益ではなく売上です。
Q3:猫店員には誰でも会えますか?
猫たちは店内で自由に過ごしているため、来店時に姿を見られる可能性があります。ただし、寝ていたり、別の場所で休んでいたりすることもあります。猫の体調や気分を優先して見守りましょう。
Q4:オンラインショップでは猫本以外も購入できますか?
猫本以外の本も、取り寄せで注文できます。公式オンラインショップには新刊、古本、サイン本、グッズなどのカテゴリーがあります。
Q5:『夢の猫本屋ができるまで』はどんな本ですか?
井上理津子さんが執筆し、安村正也さんが協力したノンフィクションです。2018年7月に発売され、Cat's Meow Booksの開業計画から開店後の経営までを紹介しています。
まとめ:キャッツミャウブックスが2026年も支持される理由
Cat's Meow Booksは、単に猫がいる珍しい書店ではない。
2017年8月8日の開業以来、猫と本屋が互いに助け合うというコンセプトを守りながら、実店舗、オンライン販売、出版、イベントなどへ活動を広げてきた。
その根底には、店主・安村正也さんが経験した保護猫との出会いと、救えなかった子猫たちへの思いがある。
2026年の最新取材から見えてくるのは、次の3つの特徴だ。
1. 保護猫と共存する書店経営:猫の安心を第一に考えながら、保護猫への理解を広げている。
2. 売上10%の寄付制度:本を購入することが保護猫活動への支援につながる。
3. 時代に合わせた事業展開:オンラインショップや出版、サブスクリプション構想など、新しい取り組みに挑戦している。
特に注目したいのは、社会貢献と事業継続を別々に考えていない点だ。
書店が売上を伸ばすことは、出版社や著者を支えるだけでなく、保護猫活動への寄付を継続する力にもなる。猫をかわいがるだけで終わらず、書店という事業を通じて支援の循環を生み出している。
東京で猫本を探している人、保護猫活動に関心がある人、個性的な独立系書店を訪ねたい人にとって、訪れる価値のある場所だ。
キャッツミャウブックスの魅力は、猫に会えることだけではない。1冊の本を選ぶことが、別の場所で暮らす猫たちの未来にもつながっている。その仕組みこそが、この小さな猫本屋が9年間続いてきた大きな理由なのである。 (出典: cats meow books(Yahoo!ニュース))