2022年の第64回グラミー賞で、BTSは世界的ヒット曲「Butter」によって、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされました。しかし、授賞式で発表された結果は惜しくも受賞ならず。栄冠を手にしたのは、Doja CatとSZAによる「Kiss Me More」でした。授賞式は2022年4月3日、米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されています。
一方、BTSは受賞を逃したものの、当日の「Butter」のパフォーマンスは、映画『007』を思わせるスパイ映画風の演出で大きな注目を集めました。さらに、2021年の「Dynamite」、2023年の「My Universe」「Yet To Come」など、グラミー賞での挑戦は一度きりではありません。2026年11月現在の公式記録では、グループとしてのノミネートは通算5回、受賞は0回です。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 2022年の結果:「Butter」が最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネート。受賞者はDoja CatとSZAの「Kiss Me More」。
- 授賞式の見どころ:2022年4月3日にラスベガスで開催。BTSはスパイ映画をイメージした演出で「Butter」を披露した。
- 2026年最新の受賞歴:グラミー賞公式アーティスト記録では通算5ノミネート、0受賞。2027年の候補発表は11月16日予定。
【2022年の結果を解説】BTSの「Butter」は何にノミネートされた?
2022年のグラミー賞でBTSが候補となったのは、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞(Best Pop Duo/Group Performance)です。
対象作品は、2021年5月にリリースされた英語シングル「Butter」。世界各国で高い人気を獲得した同曲は、第64回グラミー賞のポップ部門において、5組の候補者の一つに選ばれました。
レコーディング・アカデミーが公表した公式受賞記録によると、このカテゴリーの最終結果は次のとおりです。
- 受賞:「Kiss Me More」/Doja Cat featuring SZA
- ノミネート:「Butter」/BTS
- ノミネート:「Higher Power」/Coldplay
- ノミネート:「Lonely」/Justin Bieber、benny blanco
- ノミネート:「I Get A Kick Out Of You」/Tony Bennett、Lady Gaga
つまり、BTSは最終候補5組の一角に入りながら、受賞には届かなかったという結果です。
受賞したのはDoja CatとSZAの「Kiss Me More」
「Kiss Me More」は、Doja CatとSZAがコラボレーションした楽曲です。2022年の最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を獲得し、Doja Catにとって初めてのグラミー賞受賞となりました。
この賞は、デュオやグループ、コラボレーションによるポップのボーカル・パフォーマンスやインストゥルメンタル・パフォーマンスの芸術性を評価するカテゴリーです。単純な売上ランキングやファン投票ではなく、録音作品としての表現が審査対象になります。
そのため、BTSの世界的な人気や「Butter」のチャート実績だけで受賞が決まるわけではありません。世界的な注目を集めた楽曲同士が、同じカテゴリーで競い合った授賞式だったのです。
【第64回グラミー賞の授賞式】日程・会場とBTSの出演状況
第64回グラミー賞は、当初の開催計画から変更され、2022年4月3日に米国ラスベガスで開催されました。
会場となったのは、MGMグランド・ガーデン・アリーナ。レコーディング・アカデミーの公式発表では、2022年の授賞式は日曜日に開催され、同会場で主要カテゴリーの受賞発表やライブパフォーマンスが行われました。
この年の授賞式は、BTSにとってノミネートされた作品を披露するだけでなく、世界の音楽業界に向けてグループの存在感を示す機会にもなりました。
「Butter」のパフォーマンスは授賞式の注目シーンに
BTSはノミネートされた「Butter」をステージで披露。パフォーマンスは、通常の歌唱ステージとは異なるスパイ映画風のコンセプトで構成されていました。
レコーディング・アカデミーが授賞式の名場面として紹介した内容には、メンバーのJUNG KOOKが上空からステージに降りてくる演出や、Vがオリヴィア・ロドリゴの耳の後ろからカードを取り出すマジックのような場面が含まれています。
その後、黒を基調とした衣装のメンバーが登場し、レーザー光線を避けるような振り付けを展開。ジャケットを使った動きも取り入れられ、映画『007』を連想させるスパイの世界観を表現しました。
特に印象的だったのは、観客席からステージへとつながる演出です。会場全体をパフォーマンスの一部として活用することで、BTSならではの振り付けと演出力を印象づけました。
グラミー賞公式の授賞式振り返り記事でも、BTSのステージはジェームズ・ボンド風の演出を取り入れた名場面として紹介されています。
【BTSがグラミー賞を受賞できなかった理由】投票制度から見える実態
「Butter」は世界的に大きな成功を収めたにもかかわらず、なぜグラミー賞を受賞できなかったのでしょうか。
この疑問を理解するには、グラミー賞の投票制度を知る必要があります。
理由1:グラミー賞はファン投票ではない
グラミー賞は、音楽業界の専門家による投票で受賞者を決める、いわゆるピア・ボーテッド・アワードです。
レコーディング・アカデミーの公式説明によると、投票に参加するのは、アーティスト、ソングライター、プロデューサー、エンジニアなど、音楽制作の現場に関わる投票資格を持った会員です。
選考は大きく2段階に分かれています。
- 第1段階:投票会員による選考でノミネート作品を決定する。
- 第2段階:ノミネート発表後、最終投票によって受賞者を決定する。
投票は専門性を考慮して行われ、集計は独立した会計事務所のDeloitteが担当します。
つまり、SNSのフォロワー数、ファンの投票運動、ストリーミング再生数が、そのまま受賞結果に反映される仕組みではありません。
理由2:同じカテゴリーに強力な競争相手がいた
2022年のカテゴリーには、BTS以外にもColdplay、Justin Bieberとbenny blanco、Tony BennettとLady Gagaなど、国際的な知名度を持つアーティストが並びました。
受賞した「Kiss Me More」も、Doja CatとSZAという2人のアーティストの個性が組み合わさった作品です。
ただし、どのような評価項目が最終投票で決定的な差になったのか、BTSと受賞者の得票差がどれほどだったのかについて、公式の詳細な投票結果は公表されていません。
したがって、特定の楽曲の人気やジャンル、国籍だけを受賞できなかった直接的な原因と断定することはできません。
理由3:ノミネートと受賞は別の評価段階
グラミー賞にノミネートされること自体が、音楽業界の専門家による第1段階の選考を通過したことを意味します。
一方、受賞には最終投票で他の候補を上回る必要があります。候補に選ばれた時点で、作品が一定の評価を獲得していることは間違いありませんが、受賞が保証されるわけではありません。
「BTSは人気があったのに受賞できなかったから評価されていない」という見方は、グラミー賞の制度を十分に反映していません。
むしろ、2021年から2023年にかけて複数の作品が候補に選ばれたことは、BTSの音楽活動が継続してアカデミーの評価対象になっていたことを示しています。
【BTSのグラミー賞歴代ノミネート】DynamiteからYet To Comeまで
BTSのグラミー賞への挑戦は、2022年の「Butter」だけではありません。
公式のアーティスト別受賞・ノミネート記録を確認すると、2021年から2023年まで、3年連続でノミネートされています。2023年には複数カテゴリーに候補作品が登場しました。
これまでの主な記録を時系列で整理すると、次のようになります。
| 開催年 | 作品 | カテゴリー | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2021年・第63回 | Dynamite | 最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞 | ノミネート |
| 2022年・第64回 | Butter | 最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞 | ノミネート |
| 2023年・第65回 | My Universe | 最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞 | ノミネート |
| 2023年・第65回 | Yet To Come | 最優秀ミュージック・ビデオ賞 | ノミネート |
| 2023年・第65回 | Music Of The Spheres(Coldplay) | 最優秀アルバム賞 | Coldplay名義でノミネート |
2021年:BTS初のグラミー賞ノミネート「Dynamite」
BTSが初めてグラミー賞にノミネートされたのは、第63回授賞式です。
対象作品は、2020年に発表された英語シングル「Dynamite」。最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞の候補となりました。
しかし、受賞したのはLady GagaとAriana Grandeの「Rain On Me」でした。
このノミネートは、K-POPグループとしてのBTSがグラミー賞の公式候補に選ばれた大きな転換点でした。
2022年:「Butter」で2年連続ノミネート
翌年は「Butter」が同じカテゴリーにノミネートされました。
2年連続の候補入りは、BTSが一時的な話題性だけでなく、複数年にわたってグラミー賞の評価対象となったことを示す実績です。
ただし、受賞者はDoja CatとSZAの「Kiss Me More」。BTSは再び受賞を逃しました。
2023年:「My Universe」と「Yet To Come」で3年連続ノミネート
2023年の第65回グラミー賞では、BTS関連のノミネートがさらに広がりました。
Coldplayとのコラボレーション楽曲「My Universe」は、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネート。BTSとColdplayの両方が公式記録に掲載されています。
このカテゴリーを受賞したのは、Sam SmithとKim Petrasの「Unholy」でした。
また、BTSの「Yet To Come」は最優秀ミュージック・ビデオ賞にノミネートされましたが、受賞したのはTaylor Swiftの「All Too Well: The Short Film」です。
さらに、Coldplayのアルバム「Music Of The Spheres」も最優秀アルバム賞にノミネートされています。BTSの公式アーティストページにもこの候補が掲載されていますが、アルバムの候補者名義はColdplayです。
このように、2023年はBTSにとって、グループ名義の楽曲だけでなく、コラボレーションや映像作品まで評価対象が広がった年でした。
【2026年最新】BTSのグラミー賞受賞歴と今後の可能性
2026年11月3日現在、レコーディング・アカデミーのBTS公式アーティストページに掲載されている記録は、通算5ノミネート・0受賞です。
内訳は、2021年の「Dynamite」、2022年の「Butter」、2023年の「My Universe」「Yet To Come」、そしてColdplayの「Music Of The Spheres」に関するノミネートです。
2024年、2025年、2026年の各授賞式については、BTSグループ名義の新たなノミネートは公式プロフィールに追加されていません。
2026年の受賞歴を確認する際の注意点
2026年の第68回グラミー賞は、2026年2月1日に開催されました。BTSの公式プロフィールに掲載されている受賞数は引き続き0回です。
なお、2026年の授賞式と2027年のノミネート発表は別の年度です。2027年の候補者発表は2026年11月16日に予定されており、11月3日時点ではまだ正式な候補者リストは公表されていません。
2027年の対象作品の資格期間は、2025年8月31日から2026年8月28日まで。候補者発表前にBTSの次回ノミネートや受賞を確定事項として扱うことはできません。
【プロの結論】受賞数だけではBTSのグラミー賞での実績は測れない
BTSのグラミー賞への挑戦を振り返ると、重要なのは受賞回数だけではありません。
「Dynamite」で初めて候補となり、「Butter」で2年連続のノミネートを達成。さらに「My Universe」と「Yet To Come」では、コラボレーション楽曲やミュージックビデオという異なる分野でも候補入りしました。
この流れは、BTSがグローバルなポップミュージック市場において、作品単位で継続的な評価を受けてきたことを示しています。
グラミー賞を調べる際には、次の3つを区別すると情報を正確に理解できます。
- ノミネート:公式候補に選ばれた実績。受賞とは別。
- 受賞:最終投票でカテゴリーの勝者に選ばれた実績。
- 参加作品のノミネート:コラボレーションやアルバムなど、作品の名義と個々のアーティストの掲載方法を確認する必要がある。
特に「My Universe」と「Music Of The Spheres」のようなコラボレーション関連の記録は、誰が作品の候補者として登録されているのかまで見ることが大切です。
2026年時点で受賞はありませんが、5回のノミネートは公式に確認できる実績です。今後のグラミー賞を追う際も、受賞の有無だけでなく、どの作品がどのカテゴリーで評価されたのかを確認することが、BTSの音楽的な歩みを理解するうえで有効です。
【BTSのグラミー賞2022】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:BTSは2022年のグラミー賞で何にノミネートされましたか?
A1:2021年の楽曲「Butter」で、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされました。
Q2:2022年のグラミー賞でBTSに勝ったのは誰ですか?
A2:Doja Cat featuring SZAの「Kiss Me More」です。同曲が最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞しました。
Q3:BTSのグラミー賞のパフォーマンスはどんな演出でしたか?
A3:2022年4月3日の授賞式では、「Butter」をスパイ映画風の演出で披露しました。JUNG KOOKの上空からの登場、Vによるオリヴィア・ロドリゴとのマジック風の演出、レーザー光線を避ける振り付けなどが見どころでした。
Q4:BTSはグラミー賞を何回受賞していますか?
A4:2026年11月3日時点で、BTSグループ名義の受賞は0回です。公式記録では通算5回のノミネートがあります。
Q5:「My Universe」は2023年のグラミー賞にノミネートされましたか?
A5:はい。ColdplayとBTSの「My Universe」が最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされました。受賞したのはSam SmithとKim Petrasの「Unholy」です。
Q6:「Yet To Come」もグラミー賞にノミネートされましたか?
A6:はい。2023年の第65回グラミー賞で、最優秀ミュージック・ビデオ賞にノミネートされました。受賞作品はTaylor Swiftの「All Too Well: The Short Film」です。
まとめ:BTSの2022年グラミー賞は受賞こそ逃したが大きな実績
2022年の第64回グラミー賞で、BTSは「Butter」により最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされました。授賞式は4月3日にラスベガスで開催され、受賞したのはDoja CatとSZAの「Kiss Me More」です。
一方、BTSの「Butter」のステージは、ジェームズ・ボンドを思わせるスパイ映画風の演出で授賞式の印象的な場面となりました。
2026年11月現在、BTSの公式記録は5ノミネート、0受賞。2021年の「Dynamite」から2023年の「My Universe」「Yet To Come」まで、複数年にわたってグラミー賞の候補に選ばれてきました。
2027年のノミネート発表は2026年11月16日予定です。これからの動向を追う際も、正式な候補発表と実際の受賞結果を分けて確認することが、BTSのグラミー賞歴を正確に理解するポイントになります。
主な根拠資料:レコーディング・アカデミー公式記録、2022年・2023年の受賞者一覧、グラミー賞公式投票制度解説、2026年の公式発表。
(出典: グラミー賞 2022 bts(Yahoo!ニュース))