皐月賞は、3歳クラシック三冠の第一戦として行われるGⅠ競走だ。中山競馬場の芝2000mを舞台に、世代のトップクラスが激突する。過去の結果を振り返ると、2017年の9番人気アルアイン、2023年のソールオリエンス、2025年のミュージアムマイルなど、前評判を覆す勝利や鮮烈な末脚がたびたび生まれている。
2026年4月19日に開催された第86回皐月賞では、1番人気のロブチェンが逃げ切り勝ち。勝ち時計は1分56秒5のコースレコードだった。2017〜2026年の歴代優勝馬、上位入線馬、勝ち時計、人気、三連単配当を振り返るとともに、1番人気の信頼度、枠順、前走、脚質の傾向をJRAの公表データと直近10開催の集計から検証する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
歴代優勝馬:2017〜2026年の10開催では、アルアインからロブチェンまで10頭が優勝。 人気・枠順:2017〜2026年の1番人気は3勝。6枠が最多の3勝を挙げている。 前走・脚質:共同通信杯、弥生賞、ホープフルSが主要なステップレース。先行力と持続力がポイントになる。 2026年の結果:ロブチェンが1分56秒5のコースレコードで優勝。三連単は4万110円。 高配当:2017年には三連単106万4,360円、2018年には37万2,080円が記録された。
【2017〜2026年】皐月賞の過去10年の結果一覧!歴代優勝馬と全着順
まずは2017年から2026年までの10開催を確認したい。優勝馬だけでなく、単勝人気、勝ち時計、三連単配当を並べると、皐月賞が堅い決着と波乱の両方を生み出すレースであることが分かる。
以下はJRAの各年度の競走成績を基礎にまとめた結果だ。人気は優勝馬の単勝人気、三連単は100円あたりの払戻金を示している。
出典:JRA各年度の皐月賞競走成績、払戻金。2017〜2026年の10開催。
2017年:アルアイン(9番人気)
2017年4月16日の第77回皐月賞は、松山弘平騎手が騎乗したアルアインが優勝した。2着ペルシアンナイト、3着ダンビュライトという結果で、上位人気馬を押しのける波乱の決着となった。
勝ち時計は1分57秒8。当時のレースレコードを更新する走りだった。9番人気のアルアインが勝ったことで、三連単は106万4,360円という高額配当になった。
2018年:エポカドーロ(7番人気)
2018年4月15日は稍重馬場で行われ、戸崎圭太騎手のエポカドーロが優勝。2着サンリヴァル、3着ジェネラーレウーノが続いた。
前走スプリングSで2着だったエポカドーロが、皐月賞で巻き返した点が特徴的だ。勝ち時計は2分00秒8。三連単は37万2,080円となり、2017年に続いて高配当が生まれた。
2019年:サートゥルナーリア(1番人気)
2019年4月14日は、クリストフ・ルメール騎手のサートゥルナーリアが優勝した。2着ヴェロックス、3着ダノンキングリーとの接戦を制し、デビューからの連勝を4に伸ばした。
勝ち時計は1分58秒1。1番人気が期待に応えたうえ、上位人気馬が3着までを占めたため、三連単は4,390円と10年間で最も低い水準だった。
2020年:コントレイル(1番人気)
2020年4月19日は、福永祐一騎手のコントレイルが無敗のまま第一冠を獲得した。2着サリオス、3着ガロアクリークという決着だった。
コントレイルとサリオスの直線での競り合いは、この年の大きな見どころとなった。勝ち時計は2分00秒7。三連単は2万6,310円だった。
2021年:エフフォーリア(2番人気)
2021年4月18日は、横山武史騎手のエフフォーリアが3馬身差で圧勝した。2着タイトルホルダー、3着ステラヴェローチェという結果で、勝ち時計は2分00秒6。
エフフォーリアは共同通信杯を勝って皐月賞に臨み、4連勝でクラシック第一冠を獲得した。三連単は8万2,320円だった。
2022年:ジオグリフ(5番人気)
2022年4月17日は、福永祐一騎手のジオグリフが優勝。2着イクイノックス、3着ドウデュースという、後に日本競馬を代表する存在となる馬たちが上位を占めた。
イクイノックスとの直線での争いを制したジオグリフは、5番人気からの勝利。勝ち時計は1分59秒7、三連単は3万2,840円だった。
2023年:ソールオリエンス(2番人気)
2023年4月16日は重馬場での開催となった。横山武史騎手が騎乗したソールオリエンスが、4コーナー17番手という後方の位置から大外を伸び、タスティエーラを差し切って優勝した。
3着には1番人気のファントムシーフが入った。勝ち時計は2分00秒6。三連単は2万4,780円だった。道悪の中で見せたソールオリエンスの末脚は、過去10年を代表する印象的な勝利の一つだ。
2024年:ジャスティンミラノ(2番人気)
2024年4月14日は、戸崎圭太騎手のジャスティンミラノが優勝した。2着コスモキュランダ、3着ジャンタルマンタルとの争いを制し、勝ち時計1分57秒1でコースレコードを更新した。
ジャスティンミラノは共同通信杯を勝って参戦し、デビューから3連勝で皐月賞を制覇。三連単は2万9,240円だった。
2025年:ミュージアムマイル(3番人気)
2025年4月20日は、J.モレイラ騎手のミュージアムマイルが優勝した。単勝1.5倍の1番人気だったクロワデュノールを差し切り、2着クロワデュノール、3着マスカレードボールという結果になった。
勝ち時計は1分57秒0。三連単は2万2,670円だった。ミュージアムマイルにとっては重賞初勝利であり、モレイラ騎手にとっても皐月賞初制覇となった。
2026年:ロブチェン(1番人気)
2026年4月19日の第86回皐月賞は、松山弘平騎手のロブチェンが優勝。2着リアライズシリウス、3着ライヒスアドラーという結果になった。
勝ち時計は1分56秒5。従来のコースレコードを更新する圧巻の逃げ切りだった。三連単は4万110円。詳細は後半で取り上げる。
【全着順】2017〜2026年の皐月賞を1着から順番に確認
歴代優勝馬だけでなく、各年の全入線馬を確認できるよう、JRAの競走成績に基づいて着順順に整理した。矢印の左側が1着、右側に進むほど着順が下がる。
2017年・第77回(18頭)
アルアイン → ペルシアンナイト → ダンビュライト → クリンチャー → レイデオロ → スワーヴリチャード → ファンディーナ → ウインブライト → カデナ → プラチナヴォイス → サトノアレス → アウトライアーズ → トラスト → コマノインパルス → キングズラッシュ → マイスタイル → アダムバローズ → アメリカズカップ
2018年・第78回(16頭)
エポカドーロ → サンリヴァル → ジェネラーレウーノ → ステルヴィオ → キタノコマンドール → グレイル → ワグネリアン → アイトーン → ジャンダルム → タイムフライヤー → ケイティクレバー → オウケンムーン → マイネルファンロン → ダブルシャープ → ジュンヴァルロ → スリーヘリオス
2019年・第79回(18頭)
サートゥルナーリア → ヴェロックス → ダノンキングリー → アドマイヤマーズ → クラージュゲリエ → タガノディアマンテ → ラストドラフト → アドマイヤジャスタ → ダディーズマインド → ナイママ → ブレイキングドーン → シュヴァルツリーゼ → ファンタジスト → サトノルークス → メイショウテンゲン → クリノガウディー → ニシノデイジー → ランスオブプラーナ
2020年・第80回(18頭)
コントレイル → サリオス → ガロアクリーク → ウインカーネリアン → サトノフラッグ → ダーリントンホール → コルテジア → ヴェルトライゼンデ → ブラックホール → ディープボンド → レクセランス → アメリカンシード → マイラプソディ → ビターエンダー → ラインベック → クリスタルブラック → キメラヴェリテ → テンピン
2021年・第81回(16頭)
エフフォーリア → タイトルホルダー → ステラヴェローチェ → アドマイヤハダル → ヨーホーレイク → グラティアス → ディープモンスター → レッドベルオーブ → ヴィクティファルス → イルーシヴパンサー → シュヴァリエローズ → ワールドリバイバル → ラーゴム → ルーパステソーロ → ダノンザキッド → アサマノイタズラ
2022年・第82回(18頭)
ジオグリフ → イクイノックス → ドウデュース → ダノンベルーガ → アスクビクターモア → オニャンコポン → ジャスティンロック → ラーグルフ → ジャスティンパレス → ダンテスヴュー → ビーアストニッシド → マテンロウレオ → キラーアビリティ → ボーンディスウェイ → グランドライン → デシエルト → サトノヘリオス → トーセンヴァンノ
2023年・第83回(18頭)
ソールオリエンス → タスティエーラ → ファントムシーフ → メタルスピード → ショウナンバシット → シャザーン → トップナイフ → ウインオーディン → フリームファクシ → ベラジオオペラ → グリューネグリーン → グラニット → タッチウッド → マイネルラウレア → ワンダイレクト → ラスハンメル → ホウオウビスケッツ → ダノンタッチダウン
2024年・第84回(17頭入線)
ジャスティンミラノ → コスモキュランダ → ジャンタルマンタル → アーバンシック → シンエンペラー → レガレイラ → エコロヴァルツ → ルカランフィースト → サンライズジパング → ミスタージーティー → ホウオウプロサンゲ → サンライズアース → ビザンチンドリーム → シリウスコルト → アレグロブリランテ → ウォーターリヒト → メイショウタバル
※ダノンデサイルは競走除外。
2025年・第85回(18頭)
ミュージアムマイル → クロワデュノール → マスカレードボール → ジョバンニ → サトノシャイニング → マジックサンズ → キングスコール → アロヒアリイ → ヴィンセンシオ → カラマティアノス → エリキング → ジュタ → ニシノエージェント → ジーティーアダマン → ファウストラーゼン → フクノブルーレイク → ドラゴンブースト → ピコチャンブラック
2026年・第86回(18頭)
ロブチェン → リアライズシリウス → ライヒスアドラー → アスクエジンバラ → フォルテアンジェロ → サウンドムーブ → グリーンエナジー → ラージアンサンブル → サノノグレーター → マテンロウゲイル → バステール → ゾロアストロ → カヴァレリッツォ → パントルナイーフ → アドマイヤクワッズ → アクロフェイズ → ロードフィレール → アルトラムス
出典:JRA各年度の皐月賞競走成績。2017〜2024年の記録および2025・2026年の公式結果。
【2026年の皐月賞】ロブチェンが1分56秒5のコースレコードを達成
2026年の皐月賞は、過去10年の流れを考えるうえでも重要な一戦となった。勝利したのは、2025年のホープフルステークスを制していたロブチェン。松山弘平騎手とのコンビで、クラシック第一冠を手にした。
逃げの形を選択したロブチェン
2026年4月19日、中山競馬場は晴れ、芝は良馬場。18頭立てで行われた第86回皐月賞で、ロブチェンは2枠4番からスタートした。
スタート後、先行をうかがう馬たちを制してロブチェンが先頭へ。ホープフルステークスを勝った実績馬が、今回は自らレースを引っ張る形になった。
JRAのレース回顧によると、松山騎手は当日の中山芝が前有利と判断し、ある程度前で流れに乗るプランを考えていたという。
「ゲートが速かったので、周りを見てこの形になった」
松山弘平騎手のコメントとしてJRAが掲載した発言。
直線ではリアライズシリウスに一度交わされたように見えたものの、ロブチェンは再び伸びて差し返した。最後は3/4馬身差をつけて優勝。2着リアライズシリウス、3着ライヒスアドラーという結果になった。
2026年の主要記録と払戻金
2026年皐月賞・優勝馬
牡3・松山弘平騎手・杉山晴紀厩舎
勝ち時計
単勝人気
単勝払戻金
三連単払戻金
上位3頭
2026年4月19日・中山芝2000m・良馬場。JRA公式競走成績。
2024年にはジャスティンミラノが1分57秒1でコースレコードを更新していた。2026年のロブチェンはそこからさらに0秒6短縮したことになる。
2017年のアルアインも1分57秒8のレースレコードを記録していたが、その後の高速化を象徴するように、2024年、2026年と記録が塗り替えられている。
ロブチェンは皐月賞終了時点で4戦3勝。前走はGⅠホープフルステークスだった。少ないキャリアで重賞実績を積み上げてきた点も、過去の優勝馬に共通する特徴と重なる。
【人気別・枠順別成績】皐月賞の1番人気は本当に信頼できる?
皐月賞の予想で気になるのが、1番人気の信頼度と枠順の有利不利だ。
2017〜2026年の直近10開催を集計すると、1番人気は3勝。2番人気も3勝しており、単勝人気だけで優勝馬を絞り込むのは簡単ではない。
1番人気・2番人気・3番人気の成績
2017〜2026年の10開催を対象にした人気別集計では、次のような数字になっている。
| 単勝人気 | 1着-2着-3着-着外 | 勝率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|
| 1番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 60.0% |
| 2番人気 | 3-0-0-7 | 30.0% | 30.0% |
| 3番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 50.0% |
| 4番人気 | 0-3-1-6 | 0% | 40.0% |
| 5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% |
| 6番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 10.0% |
| 7番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% |
| 8番人気 | 0-1-2-7 | 0% | 30.0% |
| 9番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 30.0% |
| 10番人気以下 | 0-0-1-84 | 0% | 約1.2% |
集計期間:2017〜2026年。出走馬の単勝人気別成績。
この数字から分かるのは、1番人気は3着以内に入る確率が比較的高い一方、必ずしも勝ち切るわけではないということだ。
特に注目したいのは2番人気。勝率は1番人気と同じ30%だが、2着と3着がゼロで、勝つか着外かという極端な結果になっている。
また、2017年には9番人気アルアイン、2018年には7番人気エポカドーロが勝利した。人気薄の勝利が高配当につながる一方、10番人気以下からの優勝は2017〜2026年にはない。
なお、JRAの2026年版データ分析ページに掲載された「過去10年」の人気別成績は、2026年の開催前に作成された2016〜2025年のデータだ。そのため、今回の2017〜2026年の再集計とは対象期間が1年ずれている。JRA公式の開催前データでは1番人気が2-1-3-4、3着内率60%となっている。異なる期間の数字を混ぜないことが大切だ。
枠順別成績は6枠と4枠に注目
枠順について、2017〜2026年の10開催を集計すると、6枠が3勝で最多。4枠、7枠、1枠がそれぞれ2勝、2枠が1勝となっている。
3枠、5枠、8枠からは、この期間の優勝馬が出ていない。
ただし、勝ち馬の数だけで枠順の優劣を決めるのは早計だ。3着以内率を見ると4枠が35%、6枠が25%、7枠が約21.4%となっている。
JRAが2026年の開催前に公表した2016〜2025年の枠順分析でも、4〜7枠がやや優勢だった。連対馬20頭中15頭、3着以内馬30頭中21頭がこの範囲に入っている。
もっとも、2020年のコントレイルは1枠、2023年のソールオリエンスも1枠から勝利している。内枠だから不利、外枠だから有利という単純な判断は避けたい。
【前走別・脚質別傾向】共同通信杯・弥生賞・ホープフルSは重要なステップ
皐月賞の予想で人気や枠順以上に確認したいのが、前走のレース内容だ。
3歳春のクラシック路線では、各馬が異なるレースを使って皐月賞に集まる。共同通信杯、弥生賞、ホープフルステークスなどの主要レースを比較すると、好走馬の共通点が見えてくる。
共同通信杯組は好走馬の多いステップ
JRAの2026年版データ分析ページが示す2016〜2025年の過去10年では、3着以内馬30頭のうち25頭が前走GⅡまたはGⅢ組だった。
前走レース別の3着以内回数は次の通りだ。
- 共同通信杯:9回
- 弥生賞:8回
- ホープフルステークス:3回
- その他のレース:それぞれ2回以下
共同通信杯は東京競馬場の芝1800mで行われるGⅢ。皐月賞とは距離やコース形態が異なるものの、春のクラシックを見据えた有力馬が集まりやすい。
2019年のサートゥルナーリアや2020年のコントレイルのように、ホープフルステークスを経由して皐月賞を制する馬もいる。2021年のエフフォーリアや2024年のジャスティンミラノは共同通信杯を勝ってから皐月賞を制した。
2026年のロブチェンもホープフルステークスの勝ち馬として皐月賞に臨み、期待に応えた。前走の格と実績を確認する意味は大きい。
前走の4コーナー位置にも注目
JRAの同じ分析では、過去10年の皐月賞3着以内馬30頭のうち23頭が、前走の4コーナーを2〜5番手で通過していた。
この傾向は、単に前走で上がり最速を記録した馬だけでなく、ある程度の位置を確保しながら最後まで脚を使える馬が評価されていることを示している。
また、過去10年の優勝馬については、JRAが次の共通点を挙げている。
- 通算出走数が5戦以内
- 前走が重賞競走
- 前走1着、または敗れていても勝ち馬との差が0.2秒以内
キャリアの浅い実力馬が、重賞で高いパフォーマンスを見せて皐月賞に臨む。この条件は2026年のロブチェンにも当てはまる。
逃げ・先行だけでは決まらない脚質傾向
皐月賞は中山の内回りコースで行われるため、先行力やコーナーでの立ち回りが重要になる。
ただし、過去10年の優勝馬を振り返ると、単純に逃げ馬が有利というわけではない。
代表的な例を挙げると、次のような違いがある。
- 2017年アルアイン:4コーナー5番手
- 2018年エポカドーロ:4コーナー4番手
- 2019年サートゥルナーリア:4コーナー7番手
- 2020年コントレイル:4コーナー7番手
- 2021年エフフォーリア:4コーナー4番手
- 2022年ジオグリフ:4コーナー3番手
- 2023年ソールオリエンス:4コーナー17番手
- 2024年ジャスティンミラノ:4コーナー4番手
- 2025年ミュージアムマイル:4コーナー10番手
- 2026年ロブチェン:4コーナー1番手
この10頭のうち6頭は4コーナー5番手以内だった。一方で、2023年のソールオリエンスは17番手から差し切っている。
つまり、皐月賞で求められるのは単純な先行力ではなく、レース展開に合わせて適切な位置を確保し、最後まで脚を持続できる能力だ。極端な追い込みが決まる年もあり、馬場状態やペースの確認が欠かせない。
【中山競馬場芝2000m】勝ち時計・レコード・三連単配当の傾向
皐月賞を理解するには、開催場所である中山競馬場の芝2000mの特徴も押さえておきたい。
中山芝2000mは小回りと急坂が特徴
皐月賞の舞台は右回りの芝2000m。内回りコースを使用する。
JRA公式のコース紹介によると、中山競馬場の芝コースは直線距離310m、高低差5.3m。内回りはコーナーが比較的タイトで、直線は中央4場の中でも短い部類に入る。
ゴール前には急坂もあるため、直線だけの瞬発力勝負にならないケースが多い。コーナーでの位置取り、早めに動く持続力、坂を越えるスタミナが結果を左右する。
このコース特性を踏まえると、東京競馬場のような長い直線での末脚だけを基準に評価するのは危険だ。中山での実績や、コーナーを回りながら加速できるかどうかも確認したい。
過去10年の勝ち時計とレコード
2017〜2026年の勝ち時計を比較すると、馬場状態によって大きな差がある。
最も速かったのは2026年ロブチェンの1分56秒5。最も遅かったのは2018年エポカドーロの2分00秒8だった。
この差には馬場状態が関係している。2018年は稍重、2023年は重馬場での開催だった。時計だけで競走馬の能力を比較するのではなく、当日の芝状態やレース展開も合わせて評価する必要がある。
特に注目したいレコード更新は次の3例だ。
- 2017年:アルアインが1分57秒8でレースレコード
- 2024年:ジャスティンミラノが1分57秒1でコースレコード
- 2026年:ロブチェンが1分56秒5でコースレコード
2026年の記録は、2024年に更新された時計をさらに0秒6短縮したもの。皐月賞の歴史に残る高速決着となった。
三連単配当から見る波乱の可能性
過去10年の三連単配当を見ると、2017年と2018年が突出している。
2017年は9番人気アルアイン、4番人気ペルシアンナイト、12番人気ダンビュライトの順で入線し、三連単は106万4,360円。2018年も7番人気エポカドーロが勝ち、37万2,080円となった。
一方、2019年は1番人気サートゥルナーリア、4番人気ヴェロックス、3番人気ダノンキングリーの決着で4,390円だった。
直近では2025年が22,670円、2026年が40,110円。人気馬が勝っても、2着・3着に入る馬の組み合わせによって配当は大きく変わる。
過去10年の数字からは、人気上位馬を中心にしつつも、前哨戦の内容や展開によって中穴馬が上位に食い込む可能性を考慮する必要がある。
【プロの結論】皐月賞の過去データから見える好走馬の条件
2017〜2026年の10開催とJRAが公表する過去10年の分析を照らし合わせると、皐月賞の予想で確認したいポイントは明確になる。
1. 前走の重賞実績を優先する
共同通信杯、弥生賞、ホープフルステークスなど、クラシック路線の主要競走で好走した馬は注目したい。
特に、前走で勝利している馬や、勝ち馬との差が小さかった馬は評価材料になる。JRAが示した優勝馬の共通点にも、前走の重賞実績が含まれている。
2. 先行力と持続力を評価する
中山芝2000mは直線が短く、最後に急坂がある。4コーナーで好位置を確保できる馬は有利になりやすい。
ただし、ソールオリエンスのような後方からの差し切りもある。脚質だけで消去するのではなく、当日の馬場とペースを考慮したい。
3. 1番人気を過信しない
1番人気は直近10開催で3勝、3着内率60%。一定の信頼は置けるが、勝率は30%にとどまる。
2番人気も3勝しているため、上位人気の中で能力とコース適性を比較することが大切だ。
4. 枠順は単独で判断しない
6枠が最多3勝、4枠が3着内率35%という数字は参考になる。しかし、1枠からも2頭の優勝馬が出ている。
枠順を評価するときは、先行馬の数、スタート後の位置取り、外を回る距離のロスまで考慮したい。
5. 時計だけで能力を決めない
1分56秒台の高速決着もあれば、2分00秒台の決着もある。馬場状態やペースが異なるため、勝ち時計の比較だけでは本当の能力差は判断できない。
前半のラップ、上がり3ハロン、4コーナーの位置取りを合わせて見ることで、その馬がどのような競馬をして勝ったのかが理解しやすくなる。
馬券を検討する際も、人気や枠順だけで決める人より、前走の内容と中山適性を総合的に判断できる人のほうが、過去データを有効に活用しやすい。
【皐月賞の過去10年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:皐月賞の過去10年の歴代優勝馬は?
A1:2017年アルアイン、2018年エポカドーロ、2019年サートゥルナーリア、2020年コントレイル、2021年エフフォーリア、2022年ジオグリフ、2023年ソールオリエンス、2024年ジャスティンミラノ、2025年ミュージアムマイル、2026年ロブチェンだ。
Q2:皐月賞の1番人気は過去10年で何勝している?
A2:2017〜2026年の10開催では3勝。勝率30%、3着内率60%となっている。1番人気だからといって必ず勝つわけではないが、複勝圏内に入る割合は比較的高い。
Q3:皐月賞で好成績を残している枠順は?
A3:2017〜2026年では6枠が3勝で最多。4枠、7枠、1枠もそれぞれ2勝している。3着内率では4枠が35%と高い。ただし、枠順だけで有利不利を断定することはできない。
Q4:皐月賞で好走馬が多い前走レースは?
A4:JRAの2016〜2025年の分析では、共同通信杯が3着以内9回、弥生賞が8回、ホープフルステークスが3回となっている。いずれも重要なステップレースだ。
Q5:皐月賞の2026年の優勝馬と勝ち時計は?
A5:2026年4月19日の第86回皐月賞は、松山弘平騎手が騎乗したロブチェンが優勝した。勝ち時計は1分56秒5でコースレコード。2着リアライズシリウス、3着ライヒスアドラーだった。
Q6:皐月賞の過去10年で最も高い三連単配当は?
A6:2017年の106万4,360円。9番人気アルアイン、4番人気ペルシアンナイト、12番人気ダンビュライトの順で決着した。
Q7:皐月賞の舞台となる中山芝2000mの特徴は?
A7:内回りコースで、最後の直線は310m。高低差5.3mの起伏があり、ゴール前には急坂もある。コーナーでの立ち回りと、最後まで脚を持続できるスタミナが重要になる。
まとめ:皐月賞の過去10年は人気・前走・コース適性が重要
2017〜2026年の皐月賞を振り返ると、アルアインやエポカドーロのような人気薄の勝利から、コントレイルやロブチェンのような1番人気の期待に応える勝利まで、さまざまな決着が生まれている。
人気別では1番人気が3勝、2番人気も3勝。枠順では6枠が最多勝を記録した。一方、前走別では共同通信杯や弥生賞、ホープフルステークスといった主要重賞の実績が目立つ。
2026年はロブチェンが1分56秒5のコースレコードを記録し、皐月賞の歴史に新たな記録を刻んだ。2025年のミュージアムマイルに続き、世代の実力馬が中山芝2000mで力を証明した形だ。
次回以降の皐月賞を考える際は、過去の優勝馬や人気別成績だけでなく、前走の重賞実績、4コーナーでの位置取り、中山コースへの適性、当日の馬場状態を総合的に確認したい。過去10年のデータは有力な判断材料になるが、最終的にはその年の出走馬と展開を踏まえた評価が欠かせない。 (出典: 皐月 賞 過去 10 年(Yahoo!ニュース))