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2026年11月05日 更新
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【最初に整理】相模原市で起きた2つの下水道事故は何が違う?

目次
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    「相模原市下水道工事事故」という検索語で情報を探すと、2024年の死亡事故と2025年の下水管損傷事故が同じ出来事のように扱われることがある。しかし、両者は発生時期も工事内容も関係事業者も異なる。

    特に重要なのは、2024年は作業員の命が失われた労働災害、2025年は重要な下水道インフラが損傷した施設事故という違いだ。

    2024年の事故は市発注の雨水管耐震化工事

    相模原市下水道工事事故
    【画像】相模原市 下水道工事 事故 関連ショット

    2024年9月19日の事故は、相模原市が発注した「公共下水道管きょ耐震化工事(R6-4工区)」で発生した。

    対象となったのは、緊急輸送道路である県道507号(相武台相模原線)の地下に埋設された矢部雨水幹線だ。工事の目的は、地震発生時にも下水道の排水能力と緊急輸送道路の機能を維持できるよう、既設管を耐震化することだった。

    - 発注者:相模原市
    - 元請け:三伸建設株式会社
    - 工事延長:151.4メートル
    - 対象管の断面:縦3メートル、横3メートル
    - 工事内容:管きょ更生工

    既設の大きな雨水管の内部に補強材を組み立て、新たな管を構築する作業が進められていた。

    なお、現場の所在地については、工事場所が中央区陽光台3丁目とされる一方、市の事故報告書の「事故発生場所」欄には中央区光が丘1丁目と記載されている。工事区域と事故発生地点を区別して把握する必要がある。

    2025年の事故は上溝の流域下水道管損傷

    相模原市下水道工事事故
    【写真】相模原市 下水道工事 事故 近影・注目カット

    一方、2025年8月29日に発覚した事故は、中央区上溝2560番地付近で発生した。

    東京電力パワーグリッドが発注した電力供給用の管路設置工事において、神奈川県が管理する流域下水道管に接触し、損傷させた事案である。

    対象は相模川流域下水道左岸幹線。地下約12メートルに埋設された内径1.8メートルの管で、上部が約50メートルにわたり破損していた。

    こちらは2024年の死亡事故とは別の工事であり、三伸建設が関与した事故でもない。

    【2024年9月19日の死亡事故】豪雨で何が起きたのか?発生から救助までの経緯

    相模原市下水道工事事故
    【資料】相模原市 下水道工事 事故 報道・メディア記録

    作業員2人死亡

    2024年9月19日午後、相模原市では大気の状態が非常に不安定になり、局地的な激しい雨が降った。

    事故の特徴は、現場付近の雨だけでなく、上流域に降った雨が雨水管に流れ込み、地下の作業現場で急激な水位上昇を引き起こした点にある。

    事故当日の降雨量は40分間で33ミリ

    相模原市が2024年12月26日に公表した「下水道工事での事故を踏まえた公共工事の安全対策報告書(中間とりまとめ)」には、当日の気象状況と作業員の避難状況が詳しく記録されている。

    事故現場の北側に位置する相模原消防署では、次の降雨量が観測された。

    時間帯10分間の降雨量
    15時30分~15時40分8mm
    15時40分~15時50分16mm
    15時50分~16時00分5mm
    16時00分~16時10分4mm
    合計40分間33mm

    さらに、15時48分には大雨注意報が発表されていた。

    午後の作業開始時には、現場代理人と地上監視員が天気予報を確認していたものの、昼休憩時点で確認された降雨予報は1時間当たり約1ミリ程度だった。

    しかし、午後になると局地的な積乱雲が発達し、状況は急変する。

    15時37分から16時29分までの事故の流れ

    市の報告書に記載された時系列を整理すると、事故の進行は次のようになる。

    15時37分ごろ

    地上監視員が黒い雨雲の接近を確認。作業終了を判断し、地下の作業員に伝えるため管内へ入った。

    15時40分ごろ

    地上監視員が入坑し、管内の作業従事者は合計8人となった。この時点で管内の水位は約10センチメートルだった。

    15時47分ごろ

    元請け会社の本社安全管理担当が現場への連絡を試みたが、現場代理人と地上監視員はすでに管内に入っており、連絡がつかなかった。

    15時55分ごろ

    作業従事者全員が、脱出に利用するマンホールの直下に到着した。

    最初に2人が地上へ上がり、工具や台車などを引き上げた。その後、3人目が脱出した時点では水位は約10センチメートルだったが、4人目が上がろうとした際には膝付近まで水位が上昇していた。

    その後、2人が急激な流水に流された。

    16時00分ごろ

    流された2人を除く6人が地上へ脱出した。

    16時29分

    現場代理人が119番通報。消防と警察による捜索が始まった。

    9月22日

    相模原市南区磯部付近の相模川で、行方不明となっていた作業員2人の遺体が発見された。

    なぜ避難が間に合わなかったのか?

    市の検討委員会は、事故の原因を単一の要因に特定するには至らなかった。

    ただし、事故の発生に関連する可能性のある問題として、次の4点を挙げている。

    1.上流域の雨量や集水範囲に関する情報不足

    地下の雨水管工事では、作業場所の真上で雨が降っていなくても、上流域の降雨によって大量の水が流れ込む危険がある。

    市の報告書では、現場関係者が管路の集水範囲や雨水が現場に到達するまでの時間を十分に把握できていなかった可能性が指摘された。

    2.地上と地下の連絡手段に問題があった

    計画上の連絡手段だったトランシーバーは、9月9日の使用時にノイズが発生していた。

    9月17日にはメーカー立ち会いのもとで不具合が確認され、修理用部品は9月20日に届く予定だった。

    そのため、事故当日の9月19日には現場にトランシーバーがなく、地上監視員が地下に入って口頭で作業終了を伝える運用になっていた。

    結果として、地上からの気象情報の収集や伝達にも支障が生じた。

    3.避難ルートと警報設備の運用が不十分だった

    事故当日の朝礼では、避難ルートの周知が行われていなかった。

    また、警報音付き回転灯は事故当時に作動していなかった可能性があると報告されている。警報設備をどのような条件で使用し、警報を聞いた作業員がどう行動するかという共通ルールも明確ではなかった。

    4.救命・救助器具が十分に用意されていなかった

    流出防止柵は設置されていたが、救命胴衣や救命浮き輪は設置されていなかった。

    さらに、資機材を残してでも人命を優先して避難するという判断基準が明確でなかったことも課題として挙げられた。

    この事故で注目すべきなのは、避難を開始した時点では管内の水位が約10センチメートルだったことだ。

    水位が低い状態から短時間で膝付近まで上昇した事実は、地下の雨水管内では、目に見える水位の変化を待ってから避難する方法が危険であることを示している。

    【2つの事故を比較】三伸建設・東京電力パワーグリッド・神奈川県の関係

    相模原市の2件の事故を正確に理解するには、工事主体と管理者の違いを整理する必要がある。

    特に、三伸建設と東京電力パワーグリッドは、それぞれ異なる事故に関係している。

    時期・項目2024年死亡事故2025年下水管損傷事故
    発生時期2024年9月19日2025年8月29日
    発生場所中央区陽光台3丁目の工事区域中央区上溝2560番地付近
    工事主体相模原市発注東京電力PG発注
    元請け・発注関係三伸建設東京電力パワーグリッド
    対象施設矢部雨水幹線相模川流域下水道左岸幹線
    事故の内容豪雨による管内の急増水シールド工事による下水管の接触・破損
    主な被害作業員2人死亡下水管上部約50mの破損
    行政の対応相模原市の安全対策検討委員会神奈川県・相模原市の対策検討委員会
    2026年の状況安全仕様書の改定・運用管内からの復旧工事とモニタリング

    関係者それぞれの役割

    - 相模原市:2024年事故の発注者。公共工事の安全対策を検討し、仕様書の改定を進めた。
    - 三伸建設:2024年事故の元請け会社。現場監督とともに労働安全衛生法違反の疑いで書類送検された。
    - 東京電力パワーグリッド:2025年事故の電力供給用管路設置工事の発注者。下水管の損傷への対応、監視、復旧作業を進めている。
    - 神奈川県:2025年事故で損傷した相模川流域下水道左岸幹線の管理者。専門家による検討委員会を設置した。
    - 国土交通省:2025年事故に関して、二次災害防止や復旧方法に関する技術的な支援を行う立場にある。

    両事故の関係者を混同すると、原因や責任の所在について誤った理解につながる。2024年の死亡事故と2025年のインフラ損傷事故は、別々の行政対応と安全管理の問題として検証する必要がある。

    【2025年8月の上溝事故】下水管約50メートル破損の原因と2026年の復旧方針

    2026年11月時点・復旧作業中

    2025年8月29日、相模原市中央区上溝2560番地付近で、東京電力パワーグリッドが発注した電力供給用管路の設置工事中に、神奈川県が管理する流域下水道管への接触・損傷が確認された。

    この事故は、下水道管そのものを工事対象としていたわけではなく、別のインフラを整備するためのシールド工事が既設の下水道管に影響を与えた事案だ。

    事故発覚までの経緯

    神奈川県の第3回対策検討委員会資料には、事故直後の経緯が記録されている。

    - 2025年8月28日:裏込め注入作業中、作業員が地下水からの異臭に気づき、シールド掘進を停止。周辺の埋設物を再確認したところ、流域下水道管の見落としが判明した。
    - 8月29日:東京電力パワーグリッドから神奈川県・相模原市側へ下水管損傷の可能性を報告。
    - 9月1日:神奈川県がテレビカメラによる緊急調査を実施。
    - 9月2日:上流側からの再調査によって下水管上部の約50メートルにわたる破損を確認。
    - 9月3日:神奈川県知事が臨時会見を開き、事故の状況を公表。
    - 9月11日:神奈川県、相模原市、警察、東京電力パワーグリッドなどによる実務者連絡会を設置。

    事故の技術的な焦点は、シールド工事の周辺に存在する既設埋設物の把握と、地下構造物同士の位置関係の確認にある。

    破損した下水道管は約12万人が利用する重要施設

    今回損傷したのは、相模川流域下水道左岸幹線だ。

    神奈川県が2026年3月に県議会へ提出した資料によると、この下水道管の使用範囲は、相模原市中央区と緑区の一部に及び、対象人口は約12万人とされる。

    つまり、局所的な工事事故であっても、影響を受ける可能性があるのは工事現場周辺だけではない。

    県が管理する流域下水道は、複数の地域の下水を集めて処理施設へ送る重要なインフラであり、その機能維持は広い地域の生活環境に関わる。

    2026年の復旧方針は「SPR-SE工法+断面補修」

    2026年3月2日に開催された第3回流域下水道管破損事故対策検討委員会では、複数の復旧方法が検討された。

    その結果、選定する方針となったのが、SPR-SE工法と断面補修を組み合わせる方法だ。

    この方法の大きな特徴は、道路を大きく掘削するのではなく、下水道管の内部から補修することにある。

    SPR-SE工法では、管内に更生材を巻き立てて内面を補強する。さらに、破損した断面についてコンクリートなどによる補修を組み合わせ、構造上の健全性を確保する計画だ。

    検討に当たって重視された条件は次のとおり。

    - 復旧工事そのものの安全性を確保する。
    - 周辺住民への騒音・振動・異臭の影響を抑える。
    - 道路の通行規制をできるだけ少なくする。
    - 施工中・施工後の地盤の安定性を確保する。
    - 破損前と同等の下水道の流下能力を回復する。
    - 将来的な維持管理に支障が出ない構造とする。

    県の資料では、復旧完了の目標は2027年度末とされている。2026年中にすべての復旧が終わる計画ではない。

    2026年10月30日時点の最新状況

    復旧作業に先立ち、二次災害を防止するための対策も進められてきた。

    対応内容実施期間・状況
    地下水の流入防止2025年10月5日着手、2026年1月22日完了
    管内堆積物の除去2025年10月28日着手、2026年1月6日完了
    堆積物等の回収約50立方メートル
    復旧工法の検討2026年3月2日の委員会でSPR-SE工法+断面補修を選定する方針
    復旧完了目標2027年度末

    さらに、東京電力パワーグリッドが公表した2026年10月30日までのモニタリング結果では、次の状況が報告されている。

    道路の沈下は確認されていない。

    損傷箇所上部の道路28地点で高さを測定しており、東電シールド先端部に最も近い観測地点では、初期値との差がプラス1ミリメートルだった。継続的な沈下傾向は確認されていない。

    路面下の空洞も確認されていない。

    10月28日のレーダー探査と表面波探査では、路面下に空洞や、それにつながる地盤の緩みは確認されなかった。

    下水道の流下機能も確保されていると判断されている。

    上下流の流量計測と管内カメラの結果を総合し、下水の外部への流出はなく、流水は確保されているとの判断が示された。

    なお、地下水位は初期値より約3.24メートル上昇しているが、これは損傷部分から地下水が流入するのを防ぐための注入作業の効果によるものと説明されている。

    ここで重要なのは、道路の沈下や空洞が確認されていないことと、下水道管の修復が完了したことは別問題だという点だ。現時点の監視結果は良好でも、破損した管の構造的な健全性を回復させる本復旧は引き続き必要になる。

    東京電力パワーグリッドの10月30日付作業状況資料では、10月30日までに復旧工事の準備を実施し、11月2日から15日までの期間に復旧工事を行う予定と公表されている。

    11月3日現在、確認できる最新の公表資料は10月30日付のものであり、この期間の作業完了や復旧全体の完了を意味するものではない。

    【再発防止策とプロの結論】2026年の公共工事は何が変わった?

    2つの事故を検証すると、公共工事の安全管理には異なる2つの課題が浮かび上がる。

    2024年の死亡事故は、豪雨に伴う急増水への備えと、地上・地下間の情報伝達、避難体制の問題だった。

    2025年の損傷事故は、地下に埋設された既存インフラの把握と、異なる事業者が行う工事間の調整が焦点となった。

    いずれも、事故が起きてから対応するだけでは十分ではないという教訓を残している。

    三伸建設と現場監督の書類送検は何を意味する?

    2025年8月25日、相模原労働基準監督署は、2024年の死亡事故に関して、元請け会社の三伸建設と40代の現場監督を書類送検した。

    報道によると、労働安全衛生法違反の疑いとして問題になったのは、非常時に作業員へ避難を呼びかける警報手段の周知不足だった。

    当初の計画では、トランシーバーと音が鳴る赤色灯を使って地下の作業員に危険を知らせる予定だった。

    しかし、トランシーバーに不具合が判明したことから、警報手段を直接の声かけに変更していたにもかかわらず、その変更が現場作業員に十分周知されていなかった疑いが持たれた。

    ここで注意したいのは、書類送検と有罪判決は異なるということだ。

    書類送検とは、捜査機関が事件の書類や証拠を検察官に送る手続きであり、それだけで刑事責任が確定するわけではない。

    2025年4月と2026年4月に安全仕様書を改定

    相模原市は死亡事故を受け、公共工事の安全対策を見直した。

    2025年4月1日には、局地的大雨に対する安全対策の特記仕様書を改定。さらに2026年4月1日にも改定を行い、具体的な安全管理の仕組みを盛り込んでいる。

    2026年版の主な内容は以下のとおりだ。

    1.警戒区域を原則半径10キロメートル以上に設定

    工事現場の真上だけでなく、上流域や周辺の降雨状況を監視する。

    2.地上監視員を常時配置

    地下作業中は地上に監視員を配置し、雨雲の動きや降雨、雷の発生状況を継続的に確認する。

    3.リアルタイムの気象情報を活用

    民間気象会社などの自動配信サービスを活用し、上流域や警戒区域の降雨情報を取得する。現場特性に応じた雨量計の設置も求められている。

    4.上流側の水位監視を強化

    作業箇所から約1キロメートル上流の主要な管渠に水位計を設置し、その情報を自動配信するシステムの導入に努める。

    5.複数の連絡手段と避難経路を確保

    通信機器の故障を想定し、複数の情報伝達手段を確保する。避難経路も原則複数設定し、実際の現場で退避訓練を行う。

    6.救命器具の設置・携帯を徹底

    親綱、救助用ロープ、縄梯子、救命胴衣などを適切な場所に設置または携帯し、作業開始前に状況を確認する。

    7.作業中止時は資機材より人命を優先

    作業中止の指示があった場合、資機材を残してでも直ちに退避することを明確にしている。

    特に、退避訓練は工事着手前だけでなく、作業開始後も月1回以上実施し、情報伝達の確実性や実際の避難時間を検証する仕組みとなっている。

    【プロの結論】再発防止の鍵は「予測・伝達・退避」の三段階

    今回の事故から読み取れる最も重要な教訓は、安全対策を設備の設置だけで終わらせてはいけないということだ。

    地下の作業現場では、地上の作業員や監督者が気象情報を把握していても、その情報が地下の作業員に届かなければ意味がない。

    また、警報設備が設置されていても、故障時の代替手段が決まっていなければ、緊急時に機能しない可能性がある。

    本当に実効性のある安全管理には、次の三段階が必要になる。

    - 予測:上流域の降雨や管内水位の変化を早期に把握する。
    - 伝達:通信機器が故障しても、全作業員へ危険情報を届けられるようにする。
    - 退避:作業中止の判断を遅らせず、複数の避難経路と救命器具を確保する。

    2025年の上溝事故からは、地下埋設物の位置情報を事前に正確に把握し、異なるインフラ工事の関係者間で情報を共有する必要性も明らかになった。

    地下の構造物は地上から見えない。図面上の情報だけに頼らず、現地調査や施工中の異常検知、関係事業者との確認を重ねることが欠かせない。

    公共工事では、工期や費用の管理も重要だが、地下作業の安全性や既存インフラの保全を後回しにしてはならない。事故を防ぐための監視設備、気象情報、避難訓練、埋設物調査に必要な費用と時間を、最初から工事計画に組み込むことが求められる。

    【相模原市下水道工事事故】に関するよくある質問(FAQ)

    Q1:相模原市の下水道工事事故で作業員2人が死亡したのはいつですか?

    A1:2024年9月19日です。相模原市中央区の下水道管耐震化工事中、豪雨による急激な増水で作業員2人が流されました。遺体は9月22日に相模川で発見されました。

    Q2:三伸建設が書類送検された理由は何ですか?

    A2:非常時に作業員へ避難を呼びかける警報手段を変更したにもかかわらず、その変更を十分に周知していなかった疑いです。相模原労働基準監督署は2025年8月25日、三伸建設と現場監督を書類送検しました。書類送検は有罪判決を意味しません。

    Q3:2025年の上溝下水道管破損事故は2026年中に復旧しますか?

    A3:2026年11月時点では、本復旧の完了には至っていません。SPR-SE工法と断面補修を組み合わせる方針が選定され、2026年11月初旬から中旬にかけて復旧工事を行う予定が公表されています。県の完了目標は2027年度末です。

    まとめ:相模原市の下水道事故から考える公共インフラの安全性

    相模原市で発生した2つの下水道事故は、地下インフラの安全管理が抱える異なる問題を浮き彫りにした。

    2024年9月19日の死亡事故では、局地的な豪雨による急激な水位上昇に対し、気象情報の収集、警報設備、避難誘導などの面で課題が指摘された。これを受け、三伸建設と現場監督が労働安全衛生法違反の疑いで書類送検され、相模原市は公共工事の安全仕様書を改定した。

    2025年8月29日の上溝事故では、東京電力パワーグリッド発注のシールド工事によって、神奈川県管理の相模川流域下水道左岸幹線が約50メートルにわたり損傷した。2026年には堆積物の除去や止水作業が完了し、SPR-SE工法と断面補修による本復旧が進められている。

    2026年11月時点で注目すべきなのは、復旧工事の進捗だけでなく、事故を防ぐための安全基準が実際の現場で機能しているかどうかだ。

    道路の陥没を防ぐ監視、下水道の流下能力の回復、地下作業員への確実な警報、既設埋設物の正確な把握。これらを個別の対策で終わらせず、公共工事全体の安全管理に定着させることが必要になる。

    2つの事故で失われた命と損傷したインフラを教訓として、行政、発注者、施工会社がそれぞれの責任を果たし、住民が安心して利用できる公共インフラを維持していくことが問われている。

    主な参考資料:相模原市「下水道工事での事故を踏まえた公共工事の安全対策報告書(中間とりまとめ)」、神奈川県「流域下水道管の破損事故について」「流域下水道管破損事故対策検討委員会」資料、東京電力パワーグリッド「神奈川県内における当社工事による流域下水道の下水管損傷事案」2026年10月30日公表資料、テレビ朝日・共同通信の2025年8月25日付報道。 (出典: 相模原市 下水道工事 事故(Yahoo!ニュース))

    渡辺 翔太 (Shota Watanabe)
    渡辺 翔太 (Shota Watanabe) トレンドリサーチャー

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