2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、日本国内でNetflixによる独占ライブ配信が実施され、従来のような地上波テレビでの本戦中継は行われなかった。一方、侍ジャパンの試合はラジオで実況生中継されており、テレビや動画配信サービスを利用しなくても、音声で試合の展開を楽しめる環境が用意されていた。
中心となったのはニッポン放送である。2026年2月の公式発表では、ニッポン放送をキーステーションに全国30局での生中継が決定。さらに文化放送もアメリカで開催された準々決勝・準決勝・決勝の一部を独自に中継した。radikoを使えばスマートフォンでも聴取できたが、無料で聴ける地域と有料のエリアフリーが必要な地域には違いがあった。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- ニッポン放送:全国30局のネットワークで侍ジャパンの全試合を実況生中継。各試合のネット局数は17~25局だった。
- 文化放送:アメリカラウンドの準々決勝・準決勝・決勝を対象に、計3試合を独自に生中継した。
- radiko:放送エリア内なら無料。エリア外から聴く場合は有料のエリアフリーが基本となり、Web登録は月額385円、アプリ内課金は月額480円。
- Netflixとの違い:Netflixは本戦47試合の映像配信を独占。ラジオは侍ジャパン戦を中心とした音声中継だった。
【まず結論】2026年WBCのラジオ放送はニッポン放送と文化放送が中心だった
2026年のWBCをラジオで聴くなら、最初に確認すべき放送局はニッポン放送と文化放送の2局だった。
ニッポン放送は、2006年の第1回大会から続けてきたWBC中継を今回も担当。2026年12月ではなく、2025年12月10日に翌年の大会に関する中継計画を発表し、2026年3月6日から侍ジャパンの試合を実況生中継すると明らかにした。
2026年2月1日には、ニッポン放送を中心とした全国30局ネットでの生中継が正式に発表された。東京プールの1次ラウンドだけでなく、侍ジャパンが勝ち進んだ場合の準々決勝以降も対象としていた。
一方、文化放送はアメリカ・フロリダ州マイアミで行われる試合を対象に、別の特別番組を編成した。準々決勝の日本対ベネズエラに加え、準決勝のドミニカ共和国対アメリカ、決勝のアメリカ対ベネズエラを生中継する計画だった。
ここで押さえておきたいのは、ラジオ放送が大会全47試合を網羅していたわけではないという点だ。ニッポン放送は侍ジャパン戦が中心であり、文化放送もアメリカラウンドの対象試合に限定されていた。
【ニッポン放送の全国30局】WBCラジオ放送局一覧とネットワークの実態
ニッポン放送が制作した『2026 ワールドベースボールクラシック実況中継』は、全国各地のラジオ局を通じて放送された。
全国30局という数字は、ニッポン放送1局とネットワークを組む29局を合わせたものだ。したがって、ニッポン放送の電波が日本全国で直接受信できるという意味ではない。各地域のネット局が中継を届ける仕組みだった。
全国ネットに参加したラジオ局29局
北海道・東北
- STVラジオ
- 青森放送
- IBC岩手放送
- 東北放送
- 秋田放送
- ラジオ福島
関東周辺・甲信越・北陸
- 山梨放送
- 北日本放送
- 福井放送
東海
- 静岡放送
- 東海ラジオ
- 岐阜放送
近畿
- 京都放送
- 朝日放送ラジオ
- MBSラジオ
- ラジオ関西
- 和歌山放送
中国
- 山陰放送
- RSK山陽放送
- 中国放送
- 山口放送
四国
- 四国放送
- 西日本放送
- 南海放送
九州・沖縄
- 九州朝日放送
- 長崎放送
- 熊本放送
- 南日本放送
- ラジオ沖縄
これら29局にキーステーションのニッポン放送を加えた計30局が、今回のネットワークを構成した。
全国30局といっても、各試合で30局すべてが放送したわけではない
特に注意したいのが、ネットワーク局数の変動である。ニッポン放送の公式営業資料では、各試合の生中継を担当するネット局数は17~25局と説明されている。
つまり、全国30局という数字は大会中継に参加するネットワーク全体の規模を示すものであり、すべての試合を全30局が同時に放送したという意味ではない。
また、地域によって普段聴いているラジオ局が異なるため、番組表を確認する際は局名だけでなく、対象試合の日付も照合する必要があった。
【文化放送のWBCラジオ中継】準々決勝・準決勝・決勝の放送範囲
文化放送は、ニッポン放送の全国30局ネットとは別に、2026年WBCのアメリカラウンドを対象とした特別番組を編成した。
番組名は『文化放送スポーツスペシャル 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』。2026年3月10日の公式発表では、マイアミで開催される準々決勝・準決勝・決勝の計3試合を実況生中継すると告知されていた。
文化放送が予定した3試合
- 3月15日:準々決勝・日本対ベネズエラ
- 3月16日:準決勝・ドミニカ共和国対アメリカ
- 3月18日:決勝・アメリカ対ベネズエラ
実況を担当したのは文化放送アナウンサーの斉藤一美。現地リポーターには同局の小宅世人が起用された。
解説陣も特徴的だった。前回大会で侍ジャパンの投手コーチを務めた吉井理人を全試合の解説に起用し、さらに試合ごとに異なる経験者を加えるダブル解説体制を採用した。
- 準々決勝:吉井理人、中村武志
- 準決勝:吉井理人、辻発彦
- 決勝:吉井理人、福留孝介
特に斉藤一美アナウンサーは、2023年大会でPrime VideoのWBC実況を担当した経験がある。映像配信で培った国際大会の実況経験を、今回はラジオという音声メディアで生かす編成だった。
ニッポン放送と文化放送は同じ試合を中継したのか
両局が重なった代表的な試合が、3月15日の準々決勝・日本対ベネズエラ戦だった。
ニッポン放送は1次ラウンドから続く侍ジャパン中継として放送し、文化放送も独自の特別番組として実況生中継を実施した。
ただし、両局は同じ放送ネットワークではない。ニッポン放送は全国のネット局を通じた中継、文化放送は自局制作の特別番組という違いがあった。
文化放送の中継は、単にニッポン放送の番組を再放送するものではなく、独自の実況・解説陣を配置した別番組だったのである。
【WBCラジオ放送日程】侍ジャパン全試合と準々決勝以降の中継記録
2026年大会における侍ジャパンの1次ラウンドは、3月6日から10日までの4試合だった。いずれも東京ドームで行われ、日本は4連勝で準々決勝に進出した。
ニッポン放送は、この4試合をすべて実況生中継。さらに3月15日の準々決勝も中継した。
以下は、ニッポン放送と文化放送の公式番組情報、大会の公式日程を整理した放送記録である。時間はすべて日本時間。
| 日付 | 放送局・放送開始 | 対戦カード・内容 |
|---|---|---|
| 3月6日(金) | ニッポン放送 18:30 | 日本-チャイニーズ・タイペイ |
| 3月7日(土) | ニッポン放送 18:00 | 日本-韓国 |
| 3月8日(日) | ニッポン放送 19:00 | 日本-オーストラリア |
| 3月10日(火) | ニッポン放送 18:30 | 日本-チェコ |
| 3月15日(日) | ニッポン放送・文化放送 10:00 | 準々決勝・日本-ベネズエラ |
| 3月16日(月) | 文化放送 8:30 | 準決勝・ドミニカ共和国-アメリカ |
| 3月18日(水) | 文化放送 8:30 | 決勝・アメリカ-ベネズエラ |
※ラジオの放送開始時刻と試合開始時刻は異なる場合がある。ニッポン放送の1次ラウンドは各日19時開始の試合に合わせた編成で、試合終了まで放送を延長する局もあった。
侍ジャパンは準々決勝で敗退。準決勝以降の予定はどうなった?
日本代表は1次ラウンドでチャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリア、チェコを破り、4戦全勝で突破した。
しかし、3月15日の準々決勝でベネズエラに5対8で敗れ、連覇の夢はここで途絶えた。
ニッポン放送は大会前、侍ジャパンが勝ち進んだ場合の準決勝・決勝も中継する予定を発表していた。しかし、日本代表が準々決勝で敗退したため、侍ジャパンの試合として予定されていた以降の中継は実現しなかった。
一方、文化放送は日本代表の勝ち上がりとは別に、事前に告知した準決勝と決勝の中継を予定していた。最終的には3月18日の決勝でベネズエラがアメリカを3対2で破り、初優勝を果たして大会が幕を閉じた。
この違いは、ニッポン放送が侍ジャパン中心の編成だったのに対し、文化放送は特定のアメリカラウンドの試合を対象に番組を組んでいたことを示している。
【radikoでWBCを聴く方法】無料視聴とエリアフリーの条件・料金
ラジオ受信機がなくても、スマートフォンやパソコンでラジオを聴けるサービスがradiko(ラジコ)だ。2026年WBCでも、ニッポン放送制作の中継番組はネット局のradiko番組ページに掲載されていた。
ただし、radikoには無料で利用できる通常エリアと、有料のエリアフリーという2つの聴取環境がある。この違いを理解しておくことが大切だ。
1. 放送エリア内ならradikoは無料で聴ける
radikoの基本的なライブ聴取機能は無料で利用できる。
現在いる地域で放送されているラジオ局を選び、番組表や検索画面から対象番組を再生すればよい。基本的に会員登録やログインも必要ない。
例えば、東海地方で東海ラジオがWBC中継を放送している時間帯なら、その地域のradiko利用者は東海ラジオを通じて中継を聴ける。熊本放送のように、地域のネット局から配信されていた番組もradikoの番組ページで確認できた。
スマートフォンでの基本的な手順は次のとおり。
- スマートフォンにradikoアプリをインストールする。
- アプリを起動し、現在地の放送エリアを確認する。
- 聴取可能なラジオ局から対象局を選択する。
- 番組表や検索でWBC実況中継を探す。
- ライブ放送中に再生ボタンを押す。
つまり、WBCのために必ずしも有料サービスに加入する必要はなかった。自分の地域のネット局が中継していれば、通常のradikoで無料聴取できたのである。
2. 放送エリア外から聴くならradikoプレミアムのエリアフリー
問題になるのは、自分の住んでいる地域では放送されていない局を聴きたい場合だ。
例えば、関西在住の人が関東のニッポン放送を直接選んで聴きたい場合、通常の無料プランではエリア制限がある。そのようなときに利用するのが、radikoプレミアムのエリアフリー機能だ。
エリアフリーに加入すると、日本国内のどの地域からでも対象となる全国のラジオ局の番組を聴けるようになる。
3. radikoプレミアムの料金はいくら?
2026年時点のエリアフリープランの料金は、登録方法によって異なる。
- Webサイトから登録:月額385円(税込)
- アプリ内課金で登録:月額480円(税込)
利用できるエリアフリー機能自体に違いはない。料金差があるため、継続利用を考えている場合はWeb経由の登録が費用を抑えやすい。
ただし、Web登録ではログインが必要になる一方、アプリ内課金には別の登録・解約手続きがある。二重登録にも注意したい。
4. プレミアムに加入すればWBC中継を必ず聴けるのか
ここには見落としやすい注意点がある。
radikoの公式ヘルプでは、スポーツ中継や特定の出演者の番組など、一部のコンテンツはタイムフリーやエリアフリーで聴取できない場合があると説明されている。
つまり、エリアフリーの契約は全国の放送局を選択できるようにするサービスであり、すべての番組の配信権まで保証するものではない。
2026年WBCの中継についても、放送局ごとの番組掲載状況や配信条件を確認する必要があった。radikoの番組ページに対象番組が掲載されていても、ライブ・エリアフリー・タイムフリーのすべてが同じ条件で利用できるとは限らない。
また、無料のタイムフリー機能は通常、過去7日以内の番組を対象とし、再生開始から24時間以内に合計3時間まで聴取できる仕組みだ。ただし、スポーツ中継などは権利上の理由で対象外になる場合がある。
2026年11月現在、WBCの生中継はすでに終了しており、当時のライブ放送を今から聴くことはできない。
【Netflix独占配信との違い】ラジオなら無料でWBCを楽しめた理由
2026年WBCの大きな特徴は、日本国内の映像配信をNetflixが独占したことだった。
NetflixとWORLD BASEBALL CLASSIC INC.は2025年8月、2026年大会の日本国内における独占パートナーシップを発表した。Netflixは本戦全47試合をライブ配信およびオンデマンド配信する契約だった。
その結果、従来の大会で見られた地上波テレビの本戦中継は行われず、映像で試合を視聴するにはNetflixを利用する必要があった。
Netflixとラジオでは何が違ったのか
両者の違いは、単純に有料か無料かだけではない。視聴できる試合数、映像の有無、利用条件が異なっていた。
- Netflix:本戦全47試合の映像をライブ・オンデマンドで配信。試合全体を映像で確認できる。
- ニッポン放送:侍ジャパンの全試合を中心に実況生中継。地域のネット局でも聴取できた。
- 文化放送:準々決勝・準決勝・決勝の対象試合を独自の実況・解説で生中継した。
- 地上波テレビ:本戦の試合中継はなく、関連特番などが別途編成された。
Netflixの独占配信とラジオ中継は、必ずしも矛盾しない。独占配信の対象は映像コンテンツであり、ニッポン放送や文化放送による音声実況は別の放送形態として実施された。
無料で楽しみたい人にはラジオが有力な選択肢だった
今回のWBCでは、映像を見たい人と音声だけで試合を追いたい人とで、選ぶべきサービスが明確に分かれた。
例えば、仕事中や通勤中に試合経過を知りたい人にとって、ラジオは便利な選択肢だった。テレビ画面やスマートフォンの映像を見続ける必要がなく、試合の流れを実況と解説で把握できる。
一方、打球の方向や守備位置、選手の表情まで確認したい場合は映像配信が必要になる。ラジオは無料で利用できる場合があっても、Netflixの完全な代替にはならない。
重要なのは、WBCの映像配信が独占化されても、ラジオという従来型メディアの役割が失われたわけではなかったことだ。むしろ、映像を見られない時間帯を音声中継が補完する構造が明確になった。
【WBCラジオ放送に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年WBCはラジオで全47試合を聴けた?
A1:いいえ。ニッポン放送は侍ジャパンの試合を中心に生中継し、文化放送はアメリカラウンドの準々決勝・準決勝・決勝の対象3試合を放送した。大会全47試合をラジオで網羅したわけではない。
Q2:WBCのラジオ放送を無料で聴く方法は?
A2:放送エリア内のAM・FMラジオ受信機、または無料のradikoライブ機能を利用する方法がある。地域のネット局が対象試合を放送していれば、追加料金なしで聴取できた。
Q3:radikoプレミアムのエリアフリーはいくら?
A3:2026年時点のエリアフリープランはWeb登録が月額385円(税込)、アプリ内課金が月額480円(税込)。ただし、一部スポーツ中継には配信制限がある。
Q4:文化放送は侍ジャパンの試合を放送した?
A4:はい。2026年3月15日の日本対ベネズエラ戦を生中継した。そのほか、3月16日の準決勝・ドミニカ共和国対アメリカ戦、3月18日の決勝も対象としていた。
Q5:ニッポン放送の全国30局はすべての試合を放送した?
A5:いいえ。全国30局は参加ネットワーク全体の局数であり、各試合の実際のネット局数は17~25局だった。試合ごとに放送局の編成が異なっていた。
Q6:2026年WBCのラジオ中継は今から聴ける?
A6:2026年11月現在、生中継は終了している。radikoの通常のタイムフリーも過去7日間が基本の対象期間であるため、当時のライブ中継を通常の方法で再聴取することはできない。
まとめ:WBC2026のラジオ放送は地域と番組の違いを理解することが重要
2026年WBCはNetflixの国内独占配信によって映像視聴の環境が大きく変化した一方、ニッポン放送と文化放送によるラジオ中継も実施された。
ニッポン放送は全国30局のネットワークを構築し、侍ジャパンの試合を実況生中継。文化放送はアメリカラウンドの対象3試合を独自の番組として放送した。
radikoについては、放送エリア内なら無料で聴ける一方、エリア外から別地域の局を聴くにはプレミアムのエリアフリーが必要だった。Web登録とアプリ内課金では料金も異なり、スポーツ中継には配信制限が存在する。
【プロの結論】
今回のWBCラジオ中継を理解するうえで、最も大切なのは「全国30局」という数字だけで判断しないことだ。参加局の総数と各試合の実際の放送局数は異なり、地域によって聴取できる番組も変わっていた。
無料で音声を楽しみたいなら、まず自分の地域のネット局を確認する。遠方の局を選びたいならエリアフリーの料金と番組配信条件を確認する。全試合を映像で楽しみたいならNetflixを選ぶ。この3つを区別すれば、放送形態の変化に惑わされず、自分に合った観戦方法を選べる。
WBC2026はすでに終了したが、今回の中継体制は、動画配信サービスが大会映像を独占する時代にも、ラジオが独自の価値を持ち続けることを示した大会だった。
主な根拠資料: ニッポン放送公式中継発表・番組情報、文化放送公式発表、radiko公式ヘルプ、Netflix公式ニュースリリース、侍ジャパン公式大会記録。
(出典: wbc ラジオ 放送(Yahoo!ニュース))